部分入れ歯が使用される年齢は何歳くらいからが多いのかについて、厚生労働省のデータを参考に解説します。また、若い人達が部分入れ歯にした理由についても詳しく紹介します。そして、若い人と口内の環境が変わってくる高齢者の方には、どのような入れ歯がよいのかについても、いくつかの例をもとに解説していきます。部分入れ歯に興味があるという方は、この記事を参考に検討してみましょう。
部分入れ歯が使用される年齢は何歳くらいからが多いのかについて、厚生労働省のデータを参考に解説します。また、若い人達が部分入れ歯にした理由についても詳しく紹介します。そして、若い人と口内の環境が変わってくる高齢者の方には、どのような入れ歯がよいのかについても、いくつかの例をもとに解説していきます。部分入れ歯に興味があるという方は、この記事を参考に検討してみましょう。
この記事の目次
厚生労働省のデータによると、40代を過ぎてから平均して1~2本の歯を失っている計算になります。そのため、65歳になると歯の数は21本まで減り、70歳になると歯の数は17本となり、20本を切ります。そのため、部分入れ歯を使用している人も40代は3%前後のところ、55歳になると17%、65歳にを過ぎると36%など徐々に増えていきます。入れ歯と聞くと高齢者のイメージがありますが、部分入れ歯は40代の段階から使用している方もいらっしゃいます。
平成17年の厚生労働省のデータによると、30歳~34歳の人達の0.8%の割合で部分入れ歯を使用していることがわかっています。つまり、早い人では30代の段階で部分入れ歯を使用しているということです。
30代や40代で部分入れ歯を使用している方もいますが、割合は少なめです。部分入れ歯を使用するか否かの分岐点は、60代になるでしょう。60代の5人に1人は部分入れ歯を使用しており、65歳を過ぎると5人に2人は部分入れ歯を使用しています。
部分入れ歯はすべての歯を入れ歯にする必要がないため、抵抗感が少なく、若くても使用しやすいのではないでしょうか。目立ちにくい部分入れ歯も増えており、会話や食事に影響が少ない一面を持っていることも、受け入れやすい理由といえます。
20代で入れ歯をつくることになる原因のひとつは、歯周病です。歯周病は、歯の土台である歯茎が痛むことで歯が抜けてしまう病気であり、若くして歯が抜け始める原因となります。歯周病を放置すると、歯が抜けるだけでなく、歯茎全体がボロボロになってしまい、歯茎がボロボロになると、部分入れ歯が使えなくなる可能性があるので注意しましょう。歯周病は、歯磨きだけでは完全に予防できません。歯周病を防ぐためには、定期的に歯医者さんの検診を受けることが大切です。
虫歯をそのまま放置すると、虫歯のばい菌が神経をむしばみ、虫歯の周りの歯を溶かしてしまう危険性があります。また、虫歯が顎の骨までむしばむと、骨髄炎という重大な病気を引き起こすことがあるため、重度の虫歯はそこまで進行しないうちに抜く必要があります。虫歯の悪化が原因で入れ歯の利用を余儀なくされるケースもあるということです。
寝ている間に歯ぎしりをするという方もいるのではないでしょうか。歯ぎしりは、無意識に行っていることが多く、歯ぎしり中は歯に強い力がかかっている状態です。そのため、歯ぎしりが原因で歯の表面が欠けたり、根元から折れてしまうケースも少なくありません。根元から折れてしまった場合には、その部分を治療するために抜歯する必要がでてきます。遠回りではありますが、過度なストレスは、結果的に抜歯の原因を引き起こす可能性があるということになります。
歯周病は歯磨きだけで防ぐことはできないため、定期的に歯医者さんで検診を受ける必要があります。しかし、30代は働き盛りです。仕事が多忙になって、歯の定期健診を怠ったり、忘れたりすることもあるでしょう。その結果、虫歯や歯周病に気づかず放置して病状が悪化し、歯が抜ける原因につながることがあります。
虫歯は悪化して症状が現れるまで気がつかないことも多いです。普段きちんと歯磨きをしていても、自分ではチェックできないような見えない場所から虫歯が広がる可能性もあります。知らないうちに歯に大きく穴があいたり、ぐらぐらするようになった頃に、ようやく歯医者さんに行ったとしても、そのころには「もう抜歯以外に治療ができない」と診断されることも少なくありません。そのため、定期的な検診で虫歯を早期発見することが大切です。
親や学校の先生、保健室の先生から歯の磨き方について指導を受けたけれど、歯医者さんから指導を受けたことはないという方も多いのではないでしょうか。自分の磨き足りない場所や力の入れ具合などがわからないまま、子どものころから間違った方法で歯磨きを行っていると、奥歯から虫歯が広がる場合があります。
一般的な部分入れ歯は、抜けた歯の両側にある健康な歯に金属の金具をひっかけて装着します。そのため金属が目立ちやすく、入れ歯を付けているのが見た目的にわかりやすいという点が、入れ歯が敬遠される理由となっていました。
その問題の解消ができる部分入れ歯のひとつとして、テレスコープシステムが挙げられます。テレスコープシステムは、両側の健康な歯に目立ちにくいかぶせ物をすることで、目立ちにくくしている入れ歯です。審美性と安定性に優れているため、若い方も多く装着しています。
年を取るとしだいに唾液の量が減り、口の中が乾きやすくなります。そのため、入れ歯を装着したときに引っかかりやすくなり、痛みをともないやすくなります。また、歯茎も少しずつやせてくるため、入れ歯を入れても安定感がなかったり、支えられなかったりして、入れ歯が使用できなくなるケースもあります。
糖尿病になると、ばい菌の繁殖と感染を起こしやすくなります。そのため、虫歯治療の際に傷ができてしまうと、そこから感染を起こし悪化させてしまう場合があります。また、入れ歯を装着したときに傷ができて、感染を起こすこともあります。また、糖尿病がある方は、虫歯治療の前に、糖尿病の治療を優先する必要があるので注意が必要です。
部分入れ歯は使用を検討する場合、まずは歯医者さんに相談することが大切です。口内の健康状態を歯医者さんで確認してから、具体的な治療方法やどの入れ歯が自分に適しているか相談するといいでしょう。また、虫歯や歯周病の悪化を防ぐためにも、定期検診を受けるようにしましょう。
高齢者でも使用できる入れ歯は数種類あります。その中のひとつ、ノンクラスプデンチャーという入れ歯は、金具を使用しません。入れ歯の床(しょう)に弾力のある素材を使い、歯茎を覆うようにぴったりフィットさせて入れ歯を固定させます。金具で口内や歯茎を傷つけないため、負担がかかりにくい入れ歯といえるでしょう。
マグネットデンチャーは、歯茎に磁石を埋め込み、磁力で入れ歯を固定させます。金属製のバネで固定しないため、健康な歯への負担が少なく、装着時の違和感も少ないとされています。
保険適用の入れ歯は樹脂でできているため、温かいものや冷たいものを食べても温度が伝わらず、おいしく感じません。しかし、金属床義歯は土台が金属でできているので、温度が伝わりやすくなっています。温かい食べ物は温かく、冷たい食べ物は冷たく感じるため、食事をおいしく楽しめます。
樹脂製の入れ歯は固いため、歯茎への負担も大きいですが、生体用シリコンを用いた入れ歯「シリコンデンチャー」は、やわらかく、食べ物を噛んだときの感触が伝わりやすいという特徴があります。クッション性が強いため、歯茎への負担もや少ないとされています。
部分入れ歯は種類が豊富にあります。おいしい食事を楽しみたいときは金属製の部分入れ歯、見た目に気を使いたいときは留め金を使っていない部分入れ歯など、本人の希望や口内の状態に適した入れ歯を使用することが大切です。部分入れ歯は、年齢を問わず幅広い年代の方に使用されているため、今後検討する機会も増えてくるのではないでしょうか。部分入れ歯を検討する際は、歯医者さんに相談し、自分の希望にあったものを選びましょう。
【今日、求めていた歯医者さんが見つかる】
1968年 東京歯科大学 卒業
1968年 飯田歯科医院 開院
1971年 University of Southern California School of Dentistry(歯内療法学) 留学
1973年 University of Southern California School of Dentistry(補綴学・歯周病学) 留学
1983年~2009年 東京歯科大学 講師
現在に至る