親知らずの抜歯後の特徴とは?抜歯による体と症状の変化

親知らずの抜歯後の特徴とは?抜歯による体と症状の変化

15歳頃から20代後半にかけて生え始める親知らず、割合としては75%ほどの人に生えるといわれています。親知らずは表面上に出てこないことがあったり、生える本数に1~4本のばらつきがあったりと、人によって生え方にさまざまな違いがあります。

また、親知らずは痛みや不具合を引き起こす原因となることがあります。虫歯や歯周病、歯並びの乱れ、ときには顔のバランスに関係してくるケースもあります。

この記事では、親知らずを抜くことで起こる体や症状の変化について詳しくお伝えします。また、親知らずを放置することで起こるリスクについても解説します。

 

この記事の目次

親知らずによる体への悪影響

1-1 親知らずが虫歯・歯周病になる

親知らずは一番奥にある歯なので歯ブラシが届きにくく、 ブラッシングがおろそかになりがちです。そのため、食べかすが溜まりやすく虫歯や歯周病になりやすくなります。また、親知らずは歯茎がかぶってしまうことも多く、そうなるとさらに歯磨きがしにくくなり、周辺の歯茎が炎症を起こす「智歯周囲炎」になることもあります。

親知らずの虫歯は初期のころは自覚症状が出ないこともあるので、知らないうちに進行しやすく、一度治療しても歯磨きしにくい状況は変わらないので治療後も再発を繰り返すことが多いです。

 

1-2 他の歯の歯並びを悪くする可能性がある

親知らずがきちんとまっすぐ生えている場合は、他の歯に悪い影響を与える可能性はほぼありません。しかし、現代人は顎が小さいため斜めや横向きに生えてくることが多く、親知らずが隣の歯を押してしまうことで歯並びを乱してしまう場合があります。

歯並びが乱れることで噛み合わせが悪くなると、虫歯や歯周病などのお口のトラブルも起きやすくなりますし、顎関節症を引き起こすと肩こりや頭痛など体のトラブルにつながる可能性もあります。

 

1-3 隣の奥歯を溶かして「歯根吸収」してしまう

親知らずが横向きに生えて隣の奥歯の歯根を押している状態が続くと、親知らずが隣の奥歯の歯根を溶かしてしまう「歯根吸収」が起こる場合があります。

非常にまれなケースではありますが、歯根吸収が起こった歯は親知らずを抜いても回復しません。進行すると抜け落ちてしまう恐れもあるので注意が必要です。

 

1-4 口臭の原因になる

前述したように、親知らずは食べかすなどの汚れが溜まりやすく、虫歯や歯周病になりやすい歯です。溜まった食べかすに細菌が繁殖すると悪臭を放ち口臭の原因になり、歯周病や虫歯による炎症などが口臭の原因になることもあります。

 

親知らずを抜くのはどのタイミングがいいか

2-1 回復は若いうちの方が早い

「親知らずが一時的に痛むことはあるけど、しばらくしたら治まる」という状態を繰り返している方は、親知らずをいつ抜歯したらいいか悩むことも多いのではないでしょうか。

親知らずは必ず抜かなければならないという訳ではなく、きちんとまっすぐ生えていて今後トラブルになる可能性が低いと判断されたものについては抜歯の必要はありません。

親知らずの抜歯を推奨される理由は、下記のような場合です。

 

・まっすぐ生えているが、歯磨きが上手くできず将来的に虫歯や歯周病のおそれがある
・中途半端に生えて歯の一部だけが見えており、噛み合わせに問題がでる
・歯並びに悪影響を及ぼすことが予想される
・親知らずが原因とみられる痛みや体の不調がある
・手前の奥歯の歯根を押している状態で、歯根吸収が起こる可能性がある
・その他、歯科医に問題があると判断された

 

歯科医に抜歯をすすめられた場合は、早めに決断することをおすすめします。
虫歯や歯周病ができてしまう前にという意味もありますが、若いほうが回復力が高く、通常の日常生活を早く戻れることもおすすめする要因のひとつです。
また、長く放置していると親知らず由来のトラブルが進行する可能性も高くなり、治療費や体への負担が増えてしまう可能性があります。できるだけ10代後半から20代前半までに処置を済ませておくことが望ましいでしょう。

 

親知らずの抜歯後に起こる体の変化

3-1 歯並びが整いバランスがとれる

抜歯することで、親知らずが隣の奥歯を押していて乱れていた歯並びが回復する場合があります。

また、歯並びが整うことで体全体のバランスも整い、肩こりや頭痛などが改善したという症例も報告されています。

 

3-2 口臭が改善される

親知らずの虫歯や、歯磨きが行き届かなくて汚れが溜まっていたことが原因による口臭は、親知らずを抜歯することで改善されることがあります。

また、歯周病や智歯周囲炎なども起きなくなるので、口臭が発生する頻度が少なくなることも期待できます。

 

3-3 小顔になるって本当?

親知らずを抜歯することで噛む力が弱まり筋肉が痩せ、すっきりとした小顔になる場合があります。また、歯並びが整うことで顔のバランスも整い、すっきりしたフェイスラインになることもあるようです。

ただし、誰でも小顔になるという訳ではありませんし、親知らずの抜歯による小顔効果に医学的根拠はありません。抜歯をしても顔の大きさに大きな変化が見られない方も当然いらっしゃいます。小顔目的で親知らずの抜歯をすることはおすすめしません。

 

3-4 違和感を感じることがある

今まであった歯がまるごと1本なくなるため、親知らずの抜歯後に違和感が生じる方も多いです。違和感が続く期間には個人差がありますが、通常1週間程度で感じなくなるといわれています。もし、1週間たっても強い違和感が残っている場合は、抜歯をした歯医者さんに相談しましょう。

 

親知らずの抜歯後の症状の変化

4-1 虫歯や歯周病になりにくくなる

前述したように、親知らずが生えるとスペースが少なくなることで歯と歯の隙間が狭くなってしまったり、歯と歯が重なってしまうことで歯磨きがしにくくなってしまいます。そのため、磨き残しが増えやすくなり虫歯や歯周病、口内環境の悪化をまねきます。

親知らずを抜歯し十分なスペースができると歯並びがよくなり歯磨きもしやすくなります。歯垢や食べかすを落としやすくなるので口内環境が清潔に保たれ、虫歯や歯周病予防はもちろん口臭予防の効果も期待できます。

 

4-2 痛みがなくなる

親知らずによる痛みや腫れの原因として下記が挙げられます。

 

・親知らずが虫歯になっている
・親知らず周辺の歯茎が炎症を起こしている
・見えない箇所が虫歯になっている
・親知らずがほかの歯を押し負担をかけている
・歯茎や頬肉を巻き込んでいる
・隣の歯を溶かして痛みが起きている

 

このような場合は、歯磨きや消毒で一時的に症状を抑えられるケースもありますが、根本的に解決するためには抜歯が必要です。親知らずによる痛みは繰り返されることも多く、そのようなことを回避するためにも早めに抜歯を検討しましょう。

 

親知らずを抜くことで起こる症状

5-1 抜歯後の痛み・腫れ

抜歯してすぐは麻酔が効いているので痛みはありませんが、麻酔が切れてくると次第に痛みが出てきます。通常は麻酔が切れないうちに痛み止めの薬を飲みますが、薬の飲み方については医師から指導があるので、指示を守るようにしてください。

抜歯後は痛みだけでなく、患部に血液が集まり頬の腫れも起こります。痛み・腫れのピークは術後48時間前後とされており、1週間が過ぎる頃には治まることが多いです。
痛みや腫れをなるべく少なくするため、抜歯後は患部を触らないよう心がけ、激しい運動をしたり、湯船につかることは控えましょう。また、飲酒や喫煙も回復を遅らせる原因になります。

 

5-2 抜歯により麻痺が残る可能性も

親知らずの抜歯は多くの方が受けている手術ではありますが、麻酔を使用しメスを入れる外科手術のため、ある程度のリスクはあります。

抜歯の後遺症として下歯槽神経の麻痺が残る可能性がある点については、特に注意が必要です。インフォームドコンセントを重視している歯医者さんであれば、事前に説明してもらえることがほとんどのため、抜歯を受ける前にかならず歯医者さんに確認を取るようにしましょう。抜歯後の痛みについてだけでなく、手術のリスクについても正しく理解しておくことが大切です。

 親知らずを抜歯すると少なからず体に変化が起こります。痛みや腫れが改善し、お口のトラブルが解消されたという方もいらっしゃいます。親知らずの抜歯で痛みが改善できたり口内環境を保ちやすくなるなどのメリットもあることは事実です。親知らずが気になっている方は、歯医者さんに相談してみてはいかがでしょうか。

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監修日:2017年06月25日
遠藤三樹夫 先生監修
経歴・プロフィール

出身校:大阪大学
血液型:O型
誕生日:1956/11/09
出身地:大阪府
趣味・特技:料理