膝を擦りむいたとか、肘をぶつけたといった外傷と違って、口内やお口の周辺の怪我というと、場所が場所だけに、ひどく戸惑うかもしれません。特に、大量に出血したときには、冷静になれと言われてもなかなか難しいものです。
こんな状況でも、できるだけ慌てずに、そして的確に対処できるように心の準備をしておきたいものです。この記事では、歯科口腔外科の扱う領域をはじめ、口内のさまざまな怪我の対処法、頼れる歯科口腔外科の見つけ方などについて、詳しくご紹介します!
膝を擦りむいたとか、肘をぶつけたといった外傷と違って、口内やお口の周辺の怪我というと、場所が場所だけに、ひどく戸惑うかもしれません。特に、大量に出血したときには、冷静になれと言われてもなかなか難しいものです。
こんな状況でも、できるだけ慌てずに、そして的確に対処できるように心の準備をしておきたいものです。この記事では、歯科口腔外科の扱う領域をはじめ、口内のさまざまな怪我の対処法、頼れる歯科口腔外科の見つけ方などについて、詳しくご紹介します!
この記事の目次
口の中や、口の周辺を怪我して、出血の量が多かったりしたときには、とても慌ててしまうものです。総合病院の救急外来に駆け込んだり、お子さんの場合には小児科に飛び込むこともあるでしょう。ですが、こんなときには、歯科口腔外科のある歯医者さんが最適であることを覚えておきましょう。口内だけでなく歯に損傷がある場合には、歯の適切な処置も可能です。歯科口腔外科では、どのような治療が可能なのでしょうか。その概要を説明します。
一般の歯科では、虫歯や歯周病などを主に扱いますが、歯科口腔外科は、口内や口の周囲、顎、頬、顔面などの部位の外傷や疾患を、幅広く扱っています。その名の通り、外傷や脱臼、骨折などの外科的な治療も行い、人工歯根を埋め込むインプラント治療も、歯科口腔外科の診療対象です。
歯科口腔外科で扱うのは、外傷だけではありません。口内炎をはじめ、さまざまな感染症、ウイルス性疾患、嚢胞、腫瘍、顎関節症などをはじめ、口唇裂や顎変形症などの先天性異常も手がけています。ただし、歯科口腔外科であれば、これらすべてを診療できるというわけではありません。歯医者さんによってそれぞれに得意分野が異なり、受けつけていない治療もあります。また、難しい生え方をしている親知らずの抜歯などは、大学病院の歯科口腔外科を紹介されることが多いです。
大人になってから口を怪我することはあまりありませんが、子供の頃は思わぬアクシデントも多いものです。
特に歩きはじめの時期は、ぶつけたり転んだりといったことも多く、通学してからも、部活動などで怪我をすることも増えるでしょう。口や歯を怪我すると慌ててしまいがちですが、その出血の割には実は大きな傷になっていないこともあります。慌てず歯科口腔外科に診てもらいましょう。
特にお子さんが小さい時期は、いざという時のために、自宅近くの歯科口腔外科を事前に見つけておくのがおすすめです。
子供が転んで口内を噛んでしまうことは良くありますが、口から大量に出血すると、結構慌ててしまうのではないでしょうか。しかし、口内の出血は唾液に混じって広がり、大量の出血のように見えてしまうことも多く、傷はそれほど深くないことも多いです。
特に、上唇小帯(上唇の裏にある帯状の組織)が切れるとかなりの出血をともなうことがあります。患部を圧迫して止血したうえで歯科口腔外科にかかりましょう。
子供の場合、食べながら走り回って転んで、お箸やフォーク、竹串、あるいは歯ブラシなどが口内に刺さってしまうこともあります。刺さっている箇所によっては深刻なケースもあるので、無理に抜かずにそのまま歯科口腔外科に行きましょう。
舌を噛んでしまい出血が止まらない場合も、口内を切った場合と同様に、大量に出血をしているように見えますが、意外と傷が浅いこともあります。受診前の応急処置としては、ガーゼなどで傷口を押さえて圧迫することで、出血を抑えることができます。傷が深い場合には、縫合が必要なこともありますが、歯科口腔外科であれば、こうした処置も可能です。
熱いものを飲んで、口内をやけどしてしまったときは、まず冷たい水や氷などを口に含んで冷やすことが先決です。やけどの程度がひどいようなら、至急、歯科口腔外科に行きましょう。ちなみに、皮膚と比べると、口内の外傷ややけどは実は治りが早いです。唾液に抗菌作用や抗炎症作用があるためです。
歯をぶつけた場合も、結構出血するので慌ててしまいがちですが、まず冷静にするべきことがあります。それは、歯が抜け落ちていないかを確認することです。歯が抜けていないなら、そのまま歯科口腔外科へ行きましょう。抜けているようなら、付近に落ちていないか探してみてください。抜けた歯を見つけることができたら、水道水で洗わず、牛乳に入れましょう。牛乳がないときには、口の中に含んで、すぐに歯科口腔外科にいきましょう。抜けてしまった歯でも、対応が早ければうまく戻せる可能性があるからです。
歯科口腔外科では、口内の怪我や歯の損傷だけでなく、顎周辺の骨折にも対応できる歯医者さんもあります。顎周辺の骨折は、そのほとんどが外傷性骨折(外からの衝撃などによる骨折)で、多くは交通事故や転倒、喧嘩などによる打撲によるものです。この場合、すぐに救急車で搬送されることとなりますが、スポーツ時の打撲などでは、裂傷や出血をともなわない閉鎖骨折もあるので注意が必要です。
ここでは、歯科口腔外科で扱う主な骨折のケースについてご紹介します。
歯科口腔外科で扱う骨折の中でも、もっとも多いのが下顎の骨折です。内出血や顔の腫れ、歪みや痛みといったものは、どの骨折にも共通して見られる症状ですが、特に下顎の骨折では、噛み合わせに違和感を感じたり、顎を動かすことができなかったりという症状も現れます。
上顎の骨折でも、下顎と同様に、口が開けづらかったり、噛み合わせの違和感が現れます。もちろん、外傷性骨折では内出血や腫れも伴います。上顎の前歯に衝撃を受けたときには、前歯の脱臼や破折なども伴います。歯の損傷の治療に気を取られて、骨折の発見が遅れることもありますので、十分な観察が必要です。
口を怪我した際、大量の出血を伴うなど症状が分かりやすい場合は、すぐにお医者さんに駆けつけると思います。しかし、見た目は打撲程度で外に目立った傷がない場合でも、実は骨折しているということがあります。
顔面骨骨折では、ほとんどの場合緊急手術は必要なく、10日くらいの間に手術を行えば問題ないことも多いです。 また、顎の骨折では噛み合わせが大きく変位していなければ、噛み合わせを整復して上顎と下顎をワイヤーなどで固定する(顎間固定)だけで手術に至らない場合も多いです。
骨折の疑いがあるケースは以下の通りです。このような症状がみられたら、骨折の可能性も考慮しましょう。
・顔の腫れ
・内出血
・顔の変形
・噛み合わせの不具合
歯医者さんの名前が、「○○歯科口腔外科」のように分かりやすければ良いですが、医院名だけでは判断しづらいところもあります。診療科目の中に歯科口腔外科があれば、一般の歯科から歯科口腔外科まで網羅している歯医者さんであることが分かります。ただし、歯科口腔外科を扱っていても、インプラント治療が専門であったり、幅広い疾患に対応できないところもあります。ここでは、万一の怪我などの際に、頼れる歯科口腔外科の見つけ方をまとめました。
頼れる歯科口腔外科を探すのに、人づてに聞いたり、紹介された本を読んだりといった方法もありますが、通いやすいところがうまく見つかるとは限りません。そこで注目すべきは、公式ホームページです。実際に行ってみて、思った感じと違ったということもあるでしょうが、その歯医者さんのことをすばやく知るための有力な情報源となります。サイトで見るべきポイントは以下の通りです。
単に、歯科口腔外科を扱っているという記載だけでは、当然それ以上の判断はできません。歯科口腔外科は扱う分野が広いので、外傷や骨折などにも広く対応しているのかを、ネット上で知ることは難しいです。
ネット上で判断するポイントとしては、歯科口腔外科の中でもどのような疾患を扱っているのか、得意としている分野は何か、といった情報を探すことです。歯科口腔外科治療のイラストや写真を交えた豊富な治療例などがあれば、頼れる歯医者さんの候補とすることができます。
外科手術で必要とされる機器などにも注目しましょう。口内周辺組織を撮影し、3次元データとしてさまざまな角度から見ることができる歯科用CTや、専用手術室の完備、高レベルの滅菌設備などが挙げられます。
在籍している医師のプロフィールも注目したいポイントです。歯科口腔外科として、どのような経験や実績があるのか、得意分野は何か、といった点に注意しましょう。在籍された大学病院や一般の大型病院の診療科などにも着目しましょう。そのような診療科は周辺の一般歯科医院からの紹介などを日常的にこなしているので、臨床経験が豊富です。専門医や指導医レベルであれば、より信頼できる一つのポイントとなります。
お口の周辺の怪我となると、さあ大変だと思いがちです。特に、大量の出血を目にすると慌ててしまうことでしょう。しかし大切なことは、お口のトラブルの際に、慌ててしまったり、パニックに陥ったりせず、迅速に的確に対処することです。
いざという時に落ち着いて行動するためにも、自宅から近く、信頼できる歯科口腔外科を、前もって調べておきましょう。ここで紹介した歯科口腔外科の見つけ方も参考にして、ぜひこうした事態に十分備えておいてください。
【お口の粘膜異常、外傷などの相談・治療ができる歯医者さんを予約】
出身校:大阪大学
血液型:O型
誕生日:1956/11/09
出身地:大阪府
趣味・特技:料理