あくびをしたら顎が痛い?それって「顎関節症」の症状かも

あくびをしたら顎が痛い?それって「顎関節症」の症状かも

あくびをしたときに「カクン」というような音がしたり痛みを感じたりすることはありませんか? このような症状がある方は顎関節症の可能性が考えられます。
顎関節症の患者は近年さらに急増しています。他人事ではなく、非常に身近な障害です。軽症なら自然に治まることもありますが、放っておくと重症化して食事をまともにできなくなるおそれもあるので注意する必要があります。
顎関節症の症状を正しく理解して、早めに治療を受けられるように解説していくので、顎関節症のセルフチェックもあわせて、ぜひ試してくださいね。

 

この記事の目次

顎関節症とは

1-1 顎関節症の特徴

顎関節症とは特定の病態や症状をさしているものではありません。あごを動かすのに関わっている顎関節と咀嚼筋、頸部筋に起こる障害をまとめて顎関節症と呼んでおり、その症状や原因は多彩で人によって異なります。
顎関節症は一般的によくみられる病気で、症状が軽ければ特別な治療を受けなくとも自然に改善するケースも多いです。しかし、ひどい痛みで日常生活に支障をきたすほど重症化することもあるので、早めに治療を受けることをおすすめします。
生活習慣が原因で顎関節症が起こるケースも少なくないため、自分の顎関節症の症状がどこから来るのかをしっかりと理解し、予防に努めることも大切です。

 

1-2 顎関節症は女性に多い?

顎関節症の患者には女性が多く、男性の2~4倍いるといわれています。もともと女性は顎の筋力が弱く血行が悪いことが原因でこのような差が見られると考えられていますが、実際のところ、顎関節症の症状は男女差なくあらわれているようです。

女性は男性に比べて痛みに強い傾向があり、顎関節症の症状がみられても放置してしまいがちです。重症化してから病院を受診することが多くなるため、回復まで時間がかかるケースが増えてしまいます。「顎関節症患者は女性に多い」という印象は、このようなことも影響して作られている可能性があります。
事実、顎になんらかの異常を感じている人は全人口の7~8割もいるといわれていますが、治療を受けている人は7~8%しかいないとされ、問題視されています。

 

1-3 顎関節症になる原因

顎関節症の原因はいくつかありますが、主な原因として下顎と頭蓋骨をつないでクッションのような働きをしている「関節円板」がずれていることが挙げられます。通常、口を開け閉めする動作に連動しながら関節円板は前後に動き、骨同士がぶつからないようになっているのですが、ずれたままになっていると口の開閉時に関節円板がスムーズに動かなくなり、「カクン」と音がなったり口を開けにくくなるという症状を引き起こすというわけです。
ほかにも、ものを噛むときに使う「咀嚼筋」に負荷がかかって痛みが生じたり、関節を包んでいる関節包や靭帯に障害が起きている場合や、変形性関節症が原因となっているなども大きな原因として挙げられます。
このように顎に違和感をもたらす原因は数多くあるため、なにが原因となっているのかを突き止めることが重要です。

 

顎関節症の症状

2-1 顎を動かすと痛い

顎関節症の症状として、口を開け閉めするときや食べ物を噛むときなどに顎の関節や筋肉が痛むことが挙げられます。これは顎関節の周辺にある組織に炎症が起きて神経が過敏になることで、顎を動かす刺激ですら痛いと感じてしまうことが原因のひとつと考えられます。
筋肉の痛みは筋肉を動かすたびに痛みが増していくのが特徴です。また、部分的に鋭い痛みを感じることが多いでしょう。

 

2-2 口を開けにくい

口を大きく開けたとき、人差し指と中指、薬指の3本をそろえて縦にいれられることが正常な状態の目安になります。これは4cmほど口を開けられるということです。口を縦に4cm開けられない場合は、顎の関節や筋肉に異常が起きている可能性があります。例えば、あくびで口を大きく開けたときに起こった痛みも、顎関節症が原因になっている可能性があるということです。
また、急に口を開けられなくなったときは関節円板のずれ、少しずつ口が開けられなくなった場合には筋肉に問題があると考えられています。

 

2-3 顎を動かすと音がする

口を大きく開けるときや食べ物を噛むときに「カクン」「ガリガリ」といった顎関節の音がなることも、顎関節症の症状ひとつです。この音は、関節円板がずれてスムーズに動かなくなると、下顎の前後の動きもスムーズにいかなくなることが原因と考えられています。また、下顎頭や関節円板が変形していると、「シャリシャリ」「グニュ」など骨がすれ合う音がする場合もあります。

 

顎関節を早めに発見する

3-1 顎関節症の症状チェック

次の症状がみられる場合には顎関節症の可能性が高いでしょう。どのくらいあてはまるかチェックしてみてください。

・食べ物を噛んだりや長時間話すなどして顎を動かすと、顎が疲れてだるい
・顎を動かすと痛い
・口の開け閉めをすると痛い
・口の開け閉めをするときに耳のあたりで音がなる
・こめかみや頬のあたりに痛みがある
・大きなあくびができなくなった
・人差し指、中指、薬指をそろえて縦に口に入れることができない
・顎がひっかかる感じがする
・顎が動かなくなったことがある
・かみ合わせがずれた気がする
・頭痛や肩こりがひどくなった

 

3-2 顎関節症を引き起こす生活習慣チェック

顎関節症は生活習慣やクセが原因となることが多いです。そのため、次にあげる項目に心あたりのある方は顎関節症になりやすいタイプといえるでしょう。顎関節症を予防するため、できることから改善していきましょう。

・歯を食いしばるクセがある
・歯ぎしりをしている
・歯をカチカチとならす
・うつぶせ寝をしている
・ガムを噛む時間が長い
・左右どちらかの歯だけで食べ物を噛んでいる
・寝つきが悪い、眠りが浅い
・神経質な性格をしている
・ストレスを感じることが多い

 

3-3 顎に異常を感じたら歯医者さんに相談を

顎が痛む、口の開け閉めがしにくい、といった症状が続く場合には顎関節症の疑いがあります。できるだけ早く歯医者さんに相談するようにしましょう。歯医者さんでは日ごろの習慣やクセなどを確認したうえで、歯の状態や噛み合わせ、顎関節の動きや雑音などを調べます。
親知らずの炎症や歯周病でも似たような症状があらわれることがあるので、自己判断は危険です。歯科口腔外科などで検査をきちんと受けるようにしましょう。

また、耳や鼻、のどの病気、慢性の偏頭痛、慢性関節リウマチでも顎に痛みが生じることがあります。歯科口腔外科で異常が認められなかった場合は、耳鼻科をはじめとした病院で調べてもらうようにしましょう。

 あくびができなくなった、食事をするのが苦痛になったなど、顎に少しでも異常を感じる場合は顎関節症を疑いがります。顎関節症は放置しておくと食事ができなくなるほど重症化することがあるので、早めに歯科口腔外科のある歯医者さんで検査を受けてください。
また、生活習慣などを見直して日ごろから予防することも大切です。今のところ自覚症状がそれほどないという場合でも、ここでご紹介したような症状がある方は顎関節症の可能性があります。セルフチェックを定期的にするようにして、早期発見できるように努めましょう。

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監修日:2017年07月17日
飯田尚良 先生監修
経歴

1968年 東京歯科大学 卒業
1968年 飯田歯科医院 開院
1971年 University of Southern California School of Dentistry(歯内療法学) 留学
1973年 University of Southern California School of Dentistry(補綴学・歯周病学) 留学
1983年~2009年 東京歯科大学 講師
現在に至る

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