入れ歯は一本からでも大丈夫?歯が抜けた時の治療法を検証!

入れ歯は一本からでも大丈夫?歯が抜けた時の治療法を検証!

虫歯の進行や事故などで歯を失ってしまうと、初めてのことでなくても衝撃が大きいのではないでしょうか。今回は一本でも適応可能な入れ歯や、インプラントやブリッジなど「歯を失ったときの治療法とその費用」についてお伝えします。不安を解消するには、まずはどんな治療法があるか知ることが第一です。予算や治療内容に応じて保険診療や自由診療を選ぶことができるので、比較検討して自分に合った治療法を見つけましょう。

 

この記事の目次

歯を一本だけ失ったときの入れ歯治療

1-1 一本入れ歯の特徴を知りたい!

入れ歯というと、複数の歯を失った場合の治療法というイメージを持つ方も多いでしょうが、一本からでも治療は可能です。一本義歯(部分入れ歯)は、残っている両隣の歯に金属製のクラスプ(バネ)を引っ掛けて固定させます。治療期間は約1カ月で、保険適用・自由診療から選べます。

 

1-2 保険適用する主な入れ歯の治療

保険適用する入れ歯の治療法では、プラスチック素材で作られたレジン床(しょう)という土台を使用します。歯茎とよく似た色をして、一定の厚みを持っています。ただし、金属製のクラスプが付いているため、口内に違和感が生じやすいです。また、食事をした際の温度が分かりにくいため、性能面でも不満を感じることが多いでしょう。

 

1-3 さまざまな種類から選べる自由診療の部分入れ歯

自由診療の場合、プラスチックのレジン床ではなく金属床やセラミックなどさまざまな義歯から選ぶことができます。また、口を開けると目立つため周囲から入れ歯と気づかれやすいクラスプも、プラスチック素材で歯の色に合わせた「ホワイトスクラブ」や磁石式アタッチメントを使った「マグネットデンチャー」、金属のクラスプを使わない「ノンクラスプデンチャー」、二重構造でできた冠を使い装着する「テレスコープ義歯」など、性能面や審美性に優れた義歯がそろっています。治療法によって費用に違いがあり、高額になることも多いため、事前に歯医者さんで確認しましょう。

 

1-4 自由診療の気になる費用

自由診療の場合、クラスプや土台と義歯本体が別料金になることがあります。
●ホワイトクラスプ義歯
クラスプ(1つ)…2万〜3万円、義歯…5万円
●テレスコープ義歯
土台の金属冠(一本)…10万〜16万円、義歯…20万〜30万円
●ノンクラスプデンチャー
一本…10万円前後
●マグネットデンチャー
一本…5万円

 

1-5 入れ歯のお手入れ方法

入れ歯は汚れが細菌が付着しやすいため、きちんとしたお手入れが必要です。清掃が足りないと、虫歯や口内炎の原因になるだけではなく、口臭も引き起こします。
清掃は必ず入れ歯を外してから行います。まずは歯ブラシできれいに磨き、「入れ歯洗浄剤」を溶かした水またはぬるま湯に入れ歯を浸けましょう。最後に流水で仕上げ洗いをすれば完了です。
入れ歯は繊細なのでお手入れ時の破損には十分に気をつけてください。

 

一本でもインプラント治療はできる!?入れ歯以外の治療法

2-1 インプラントとは?

人工的につくられた歯根のことをインプラントと呼び、チタンやハイドロキシアパタイト(HA)などの素材をが使われています。また、人工歯根をあごの骨の中に埋め込む治療方法のこともインプラントと呼ぶことがあります。インプラントを埋め込むためには、部分麻酔(まれに全身麻酔)を使用した手術が行われます。手術後には腫れや痛み、内出血などが起こることがあるため注意しましょう。

 

2-2 インプラントと入れ歯の違い

人工歯根をあごの骨に埋め込むため、入れ歯と違い本来の歯と同じような感覚で噛むことができます。ブリッジ治療のようにほかの歯を削ることはなく、自然な歯並びを維持できます。ただし、入れ歯のように保険適用されません。費用が高額なこと、外科手術が必要になることなど、歯医者さんにアドバイスをもらいながら十分に検討しましょう。

 

2-3 気になる一本当たりの費用はどのくらい?

保険適用外のため、費用の相場は一本30~50万円です。治療期間は6カ月〜9カ月ほどかかります。治療後は歯医者さんでクリーニングなどのメンテナンスのための費用がかかります。

 

2-4 インプラント治療を行えない場合も

高血圧や糖尿病、リウマチなど全身疾患がある場合は治療を受けることができません。また、顎関節症で噛み合わせが悪い場合や歯周病が進行してあごの骨の幅や高さが足りない場合など、口内の状態によって治療ができない場ことがあります。

 

入れ歯のがたつきが気になる人は一本から可能なブリッジ治療を

3-1 ブリッジはどんな治療?

ブリッジ治療とは、抜けた歯の両隣を土台にして、連結冠を橋渡しする治療法です。治療には、保険診療と自由診療があります。支えとなる両隣の歯を削って人口歯の冠を被せるのでしっかり固定できます。
入れ歯は完全に固定されないためがたつきが気になることがあり、毎日取り外して磨く必要があるなどお手入れの手間もかかります。入れ歯の不具合や手間が気になる人やインプラント治療に抵抗がある人は、ブリッジ治療を検討してみましょう。ただし、支えになる歯は健康であっても削らなければならないため、虫歯などの疾患のリスクが高まるので注意が必要です。

 

3-2 入れ歯と違い、ブリッジは取り外せない!

ブリッジはしっかり固定できるため、がたつく心配がありません。ただし、一度被せてしまうと、入れ歯と違い着脱ができなくなります。歯周病や虫歯を予防するためにも、毎日の歯みがきで口内を清潔に保ちましょう。

 

3-3 保険を適用するには条件があります

一本のみのブリッジ治療の場合は保険が適用されます。
また、保険を適用して複数の歯を治療する場合、材質は犬歯までの前歯には金属にプラスチックを被せたもの、それ以外の歯は金属となります。ただし、これ以外にも条件があり、歯の欠損の本数や箇所によって変ってくるため、下記にまとめておきます。
・前歯(犬歯を含む場合)…連続して2歯以内の欠損
・前歯(犬歯を含まない場合)…4歯以内の欠損
・奥歯…連続して1〜2歯以内の欠損

 

3-4 さまざまな材質から選べる自由診療

自由診療の場合は、5万〜15万円程で治療ができます。プラスチックに陶材を混ぜたハイブリッドや、メタルボンド、オールセラミック、ジルコニアなどの材質があり、強度や透明度がそれぞれ違っています。

 

一本の治療で勘違いされやすい差し歯との違い

4-1 どのような状態だと差し歯が可能?

差し歯は、入れ歯の治療とはまったく異なります。完全に抜けてしまっているのではなく、歯の根が残っていることが大前提です。歯根に人工の歯がついた金属の土台を差し込むように埋め込みます。抜歯した際は、歯根から完全に抜いてしまっているため差し歯治療を行うことはできないため、入れ歯やインプラント、ブリッジなどで治療します。

 

4-2 差し歯は保険診療・自由診療から選べる

保険診療では前歯・犬歯までの範囲だと、金属の被せ物にレジンを貼り付けた白いもの、奥歯は金属の被せ物になります。費用は抑えられますが、経年劣化しやすいのが難点です。
自由診療の被せ物の材質は、オールセラミック、プラスチックとセラミックの中間素材であるハイブリッドセラミックなどから選ぶことができます。

 

 抜歯後の治療法は、日々新しくなっています。失った歯が一本だけの場合でも、入れ歯技術の向上もあり、治療の選択の幅が広がりました。ほかの歯の状態や、予算、今後のライフスタイルなどを考慮して歯医者さんに相談してみてください。自由診療では治療方法も多数あり、同じ治療方法であっても歯医者さんによって価格が違うことがあります。自分に合った治療方法を決めていくためにも、歯医者さんでアドバイスをもらいながら検討していきましょう。

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監修日:2017年06月14日
飯田尚良 先生監修
経歴

1968年 東京歯科大学 卒業
1968年 飯田歯科医院 開院
1971年 University of Southern California School of Dentistry(歯内療法学) 留学
1973年 University of Southern California School of Dentistry(補綴学・歯周病学) 留学
1983年~2009年 東京歯科大学 講師
現在に至る

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