総入れ歯の種類とは?費用やメリットを比較してみよう

総入れ歯の種類とは?費用やメリットを比較してみよう

歯がほとんどなくなってしまった場合に利用する総入れ歯は、いくつかの種類があり、それぞれに特徴があります。ここでは総入れ歯の種類やその費用、メリットやデメリットを比較しながら、どんな総入れ歯を選ぶのがよいかを解説します。今後総入れ歯を購入する際には、参考にしてみてはいかがでしょうか。

 

この記事の目次

ポピュラーで保険適用可能なレジン床

1-1 一般的な入れ歯の一種

総入れ歯の素材にはいくつか種類があり、その素材によって保険が適用できるかどうかが変わります。保険が適用できるのはレジンと呼ばれるプラスチックの素材です。こちらはやや厚めの床を用いた一般的な入れ歯として知られており、安価で作成することが可能になります。

 

1-2 新たに作成する時も安価で便利

保険適用できるレジンで総入れ歯を作ると、ほかの素材よりも安価で作ることができます。レジン以外の素材は保険適用外のため、全額自己負担になってしまうからです。万が一壊れてしまったり不備が出てきたりしても、数千~1万円で修理することができ、高価な金額を支払う心配がありません。

 

1-3 熱伝導が悪い

レジンで作られた総入れ歯は費用が安価であるために手ごろに装着できますが、デメリットもあります。それはレジンで作られた義歯床は厚くなるため、違和感が生じやすいということです。義歯床が厚いと食べものの冷たさや熱さが伝わりにくいと感じる場合や、噛み合わせがうまく合わない場合があります。

 

1-4 壊れやすい一面も

保険適用できる総入れ歯は、ほかの素材で作る総入れ歯に比べて壊れやすいという一面を持っています。修理費用がそこまでかからないので、壊れても保険適用外で作るよりは安価にすむことも多いのですが、それでも修理の手間や定期的なメンテナンス費用がかかってしまうなどのデメリットがあります。

 

金属床を用いた総入れ歯

2-1 金属製のプレートを用いた総入れ歯

保険適用外であれば、総入れ歯の素材をいろいろと選ぶことができます。人気があるのは金属製のものでしょう。保険適用内で作るプラスチック製のものに比べて強度があるうえ、汚れにくかったり、においがつきにくかったりする特徴があります。ただし保険を適用できないため、自費で支払わなければなりません。

 

2-2 具体的な費用

金属製の総入れ歯を作る場合は、保険を適用することができません。全額自分で負担するため、保険適用時に比べて格段に高額になってしまいます。費用の相場としてはだいたい15~50万円になるので、予算を検討しながら装着するかどうかを判断するとよいでしょう。

 

2-3 メリットについて

金属で義歯床や義歯を作ると、プラスチック製に比べて薄く作ることが可能になります。そのため、プラスチック製のものを装着した際に起こる食べものの温度がわからないような違和感や、噛み合わせの悪さなどのストレスを軽減することが可能です。また、汚れにくくにおいもつきにくいため、清潔を保ちやすく、メンテナンスも少なくすませることができるでしょう。

 

2-4 デメリットについて

保険を適用できないため、どうしても高額になってしまうことがあります。しかし保険適用内で安価にすませた入れ歯に比べて強度や清潔面でメリットがあるので、どちらが自分にとってよいかきちんと考える必要があるでしょう。そのほか、金属という素材ゆえに、金属アレルギーがある方は装着が難しいという点があります。チタンなどの金属アレルギーを起こしにくい素材もありますが、アレルギー反応が出る可能性がないわけではありません。

 

チタンプレートを用いた総入れ歯

3-1 軽さが特徴

チタンを使った入れ歯は軽く扱いやすい点が魅力です。また、金属アレルギーを起こしにくいため、金属アレルギーが気になる方でも使用できる可能性があります。そして、汚れにくく清潔を保ちやすいことや、体にやさしい素材であることも、大きな特徴だと言えるでしょう。

 

3-2 費用

チタンを使用した場合、入れ歯の金額はだいたい40万~50万円が相場になりますが、ほかの金属も40万~70万円ほどするので、別段に高価だとは言えないでしょう。保険適用時のプラスチック製に比べれば大変高額になってしまいますが、そのぶん手間がかからなかったり、壊れにくかったりといったメリットもあるため、どちらを選ぶかは個人の好みや予算によります。

 

3-3 メリット

チタンの最大のメリットは、その軽さといえるでしょう。保険適用内のプラスチック製入れ歯は重く感じる人が多く、結果的に肩こりなどの弊害が生まれることもあります。チタンは軽いために違和感がほとんどない状態で装着可能であり、使い心地もかわってきます。また、チタン製はほかの金属と違ってアレルギーも起こりにくく、体にフィットしやすい素材として人気があります。

 

3-4 デメリット

チタン製はその性能や素材の軽さが魅力であり、総入れ歯の素材として大変に適したものであるといえます。しかし、保険適用外であるため、高額な費用がかかってしまうことが大きなデメリットだと言えるでしょう。数十万かかってしまうので、費用面からも検討する必要があります。

 

シリコン床を用いた総入れ歯

4-1 特徴

入れ歯を作る場合、通常義歯床となる部分には金属やプラスチックを使うことが多いですが、シリコン床は装着部分にシリコンを一部利用して作ります。ほかの素材に比べてやわらかいところが特徴で、クッション性があり、入れ歯を装着したときの違和感を軽減してくれる素材といえます。

 

4-2 具体的な費用

シリコン床を取り付ける場合、10万~20万円程度の費用がかかります。チタンなどほかの金属製のものはさらに数十万プラスでかかることになるため、それに比べると安価な金額といえます。ただし保険が適用できないため、全額自己負担する必要があることは理解しておきましょう。

 

4-3 メリットについて

シリコン床を使うと、接着面の違和感を減らすことができます。シリコン床はやわらかいため、歯茎の凸凹とした部分にもフィットしやすくなるからです。フィットすることは、入れ歯が取れにくくなるなどのメリットも生み出してくれます。また、入れ歯にもよりますが、現在使用中の入れ歯を加工しなおしてシリコン床にすることができます。はじめから作り直さずにすむので、変更したい場合は歯医者さんに相談しましょう。

 

4-4 デメリットについて

シリコン素材の義歯床を扱う歯医者さんは非常に少なく、壊れたときに対処してもらえるところが少ないというのもデメリットの一つでしょう。修理が難しいので一度壊れてしまうと作り直さなければならない可能性もあります。また、金属製のものに比べて汚れがつきやすいという点もあります。手入れには十分気をつけましょう。

 

部分入れ歯との違い

5-1 費用(保険の場合)

入れ歯は、歯をどのくらい入れるのかによって費用に差が出てきます。本数が多い総入れ歯は、当然ながら部分入れ歯よりも高額になるということです。数本の部分入れ歯であれば、費用は5000円程度です。しかし、総入れ歯の場合には1万円程度の費用がかかります。部分入れ歯も総入れ歯に近くなるほど金額が上がりますが、総入れ歯に比べると安価にすみます。

 

5-2 費用(自費の場合)

保険が適用できない場合、自費で支払わなければなりません。保険適用時と同様に、歯の本数によっても金額が変わりますが、自費の場合は義歯や義歯床の素材によっても変化します。部分入れ歯の場合、安ければ3万円、高ければ20万円ほどかかりますが、総入れ歯は少なくとも20万以上かかってしまいます。選んだ素材によっては50万円以上することもあり、どこまで予算を割くか、きちんと判断しなければなりません。

 

5-3 実際に装着するまでの時間

総入れ歯を使用するときは、歯がすべて抜けないと装着することができません。逆に部分入れ歯の場合は、1本でも歯が残っていれば装着することができます。総入れ歯は最終的な手段といえるでしょう。ただし、残っていた歯が歯周病や虫歯などにおかされていた場合は、固定する歯としての役割を果たしづらいため、抜歯して総入れ歯にする方がかえって都合がよいこともあります。気になる場合はきちんと診療を受けて歯医者さんに判断を仰ぎましょう。

 

5-4 歯茎の具合によって選ぶ

部分入れ歯に比べて、総入れ歯は装着した際に歯茎に接する範囲が広く、そのぶんフィットするように作るための時間がかかります。何度も噛み合わせを試しながら1カ月ほどはかかることになるでしょう。部分入れ歯はそれより早く作れることが多いです。

 ここで紹介したように、総入れ歯には定番ともいえるレジン床のほかに、金属床を用いたタイプやチタンプレート、シリコン床のものなどさまざまな種類があります。重さやはめたときの着け心地、費用などについては、種類によって異なるので、必ず確認するようにしましょう。また、総入れ歯を利用する際には、医師とのカウンセリングを綿密に行い、自分い合ったものを選ぶことが重要です。また、総入れ歯について不安がある場合やわからないことがあるときにも、一度歯医者さんに相談することをおすすめします。

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監修日:2017年06月19日
飯田尚良 先生監修
経歴

1968年 東京歯科大学 卒業
1968年 飯田歯科医院 開院
1971年 University of Southern California School of Dentistry(歯内療法学) 留学
1973年 University of Southern California School of Dentistry(補綴学・歯周病学) 留学
1983年~2009年 東京歯科大学 講師
現在に至る

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