今すぐ知りたい!親知らずが急に腫れるときの原因とセルフケア

今すぐ知りたい!親知らずが急に腫れるときの原因とセルフケア

親知らずが腫れる原因は、口内環境の不衛生、親知らずの虫歯、体調不良などが挙げられます。1~2週間ほどで症状が落ち着く場合もあれば、一度症状が落ち着いてもしばらくしたら痛みがぶり返す場合もあります。親知らずの腫れがひどくなると、口を開ける筋肉も腫れてしまうケースもあり、ひどいときには口が開かなくなってしまうこともあります。ここでは親知らずが腫れる原因と、自分でできる親知らずのケア、歯医者さんで行われる親知らずの治療について紹介します。

 

この記事の目次

思い当たる人は要注意!親知らずが腫れる3つの原因

1-1日々の口内ケアをおろそかにすると、細菌が繁殖して親知らずが腫れる

親知らずは口内のもっとも奥の方に生えているため、自分ではきちんとブラッシングできているつもりでも、磨き残しができやすくなります。また、親知らずが斜めや横向きに生えていると、隣の歯との間に隙間ができて汚れがたまりやすくなるため、細菌が繁殖しやすくなってしまいます。そのため、日々のケアを怠ると細菌が歯茎に炎症を引き起こし、親知らずに腫れと痛みが生じてしまうのです。
悪化すると周囲に炎症がひろがり、筋肉や組織の隙間に膿がたまる感染症「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」になることがあり、上顎では目の下が大きく腫れたり、下顎では顎が大きく腫れてしまうことがあります。さらにそのまま放置してしまうと、骨まで細菌が感染する骨髄炎、あごの骨の壊死、全身に菌がまわる敗血症など、重篤な症状につながる恐れもあります。

 

1-2 免疫力が低下すると口内細菌のバランスが悪くなり、腫れを引き起こす

口内には常にたくさんの細菌がいます。健康なときは自身の免疫力によって、悪い細菌に対する抵抗力が働いていますが、仕事が忙しい、睡眠不足、ストレス過多などで心身のバランスが崩れてしまうと、免疫力が大きく低下してしまうことがあります。免疫力が低下すると細菌の繁殖を抑えることができなくなるため、歯茎に炎症が起きて腫れが起きてしまいます。

 

1-3 親知らずの虫歯を放置すると腫れる原因に

親知らずの周囲の腫れは、親知らずが虫歯が原因になっている可能性もあります。親知らずは斜めや横向きに生えてくるが多く、ブラッシングがしにくい歯です。また、最深部に生えているため虫歯になっていることに気づきにくく、知らない間に虫歯が進行してしまうことも少なくありません。虫歯を放置すると、虫歯菌が神経にまで広がり、虫歯のせいで神経が壊死するなどして、その結果として歯茎に膿がたまり腫れたりすることがあります。
また、虫歯が進行すると、親知らずの周りの骨が溶けて骨髄炎ある可能性があります。そのほか、虫歯が原因の蓄膿症や、のどや心臓にまで炎症がひろがり生死にかかわる事態になるケースもあります。

 

親知らずが腫れてしまったときのセルフケア

2-1 口の中を清潔にするための基本ケアをしっかり行う

口中を清潔に保つことは、腫れや痛みを軽減につながります。ただ、口内を清潔に保つために歯磨きをしようと思っても、親知らずが腫れると痛みをともなうため、つらくて歯磨きができないという方もいるのではないでしょうか。このように痛みで歯磨きができないという場合は、やわらかいタイプの歯ブラシや、毛先が細く奥歯の隙間を磨きやすいタフトブラシを使って歯磨きすることをおすすめします。また、歯磨きが痛くてできない場合は、刺激性の少ないうがい液でうがいをするだけでも炎症を抑制することができます。

 

2-2 すぐに歯医者さんへ行けないときは、市販の痛み止め薬で緩和する

親知らずが腫れたときは、できるだけ早く歯医者さんで診てもらいましょう。もし、夜間や仕事中などですぐに歯医者さんへ行けない場合は、市販の鎮痛剤を飲んで痛みをしのぐという方法もあります。ただし、市販薬の服用はあくまでも応急処置です。長期使用は控え、時間を作って診療を受けるようにしましょう。

 

2-3 十分な休息をして体力を回復させる

親知らずの腫れや痛みがあるときに、風邪っぽい症状が現れる場合や頭痛が起こる場合があります。これは免疫力の低下で体調が全般的に悪くなり、親知らずの腫れや痛み以外の病気が引き起こされている可能性があります。このような場合は、栄養のある食事と十分な休息をとり生活環境を整え体力を回復させるように心がけましょう。

 

2-4 自己判断は禁物!歯医者さんで適切な治療を受けよう

親知らずが腫れる原因はいくつかあり、適切な治療のためには原因を詳しく調べる必要があります。また、どの程度進行しているかを正確に把握することも重要です。いずれ腫れや痛みが引くだろうと自己判断で放置することは避け、腫れや痛みがあるときはなるべく早く歯科口腔外科のある歯医者さんに相談しましょう。

 

親知らずの腫れや痛みがあるとき、歯医者さんで行う治療

3-1 口内を洗浄し、軟膏や抗生物質剤で腫れを抑える

親知らずが腫れ痛みも激しく口も開けられないという場合、歯医者さんでは口内をきれいに洗浄するところから治療が始まります。その後、炎症を抑える軟膏を炎症のある部位に注入して、抗生物質剤を投与して腫れを鎮静させるという治療を行います。

一度、腫れたり痛みが出た親知らずに関しては、いったんその症状が治まった時点で抜歯をするのが治療上の第一選択となります。今後の治療に関しては、ご自身の予定などを含めて、担当の先生とよく相談してみてください。

 親知らずが腫れるのは、口内環境が悪く、細菌が繁殖しやすい状態になっていることが主な原因と考えられます。防止・改善のためには日々の口内ケアをしっかり行うことが大切です。また、親知らずは生え方や状態によって「歯並びが悪くなる」「隣の歯に悪影響を及ぼす」「虫歯になりやすくなる」などいろいろな症状を引き起こす原因になることがあります。親知らずが腫れたときは、セルフケアで落ち着ついた場合でも放置せず、なるべく早く歯医者さんで診療を受けることをおすすめします。

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監修日:2017年06月07日
鄭尚賢 先生監修
経歴

歯科医歴:11年
出身校:東京歯科大学