親知らずの抜歯で手術、入院が必要になる場合

親知らずの抜歯で手術、入院が必要になる場合

親知らずの抜歯には不安がつきものです。どれくらい痛みがあるのか、腫れは何日くらい続くのか…心配する方も多いのではないでしょうか。親知らずは特別に生え方が悪かったために、入院して手術を受けなければならないケースもあります。

この記事では、親知らずの抜歯で入院しなければならないケースについてお伝えし、治療内容や費用についても紹介していきます。

 

この記事の目次

親知らずで入院が必要になる場合

1-1 親知らずが顎の骨に埋もれている

親知らずが顎の骨の深いところに埋もれてしまっている状態だと、歯科口腔外科で抜歯をしてもらわなくてはいけない場合があります。その際、歯の周りの骨を大きく削る必要があるため、通常の抜歯よりも術後の痛みが強くなることが予想されます。

親知らずの抜歯で骨を削らなければいけない場合、入院が必要になるケースもあります。手術に長い時間がかかることが予測され、日帰り手術では不安があると感じた場合は、歯医者さんに相談して入院できる病院を紹介してもらいましょう。

なお、すべての症例で入院が必要になるわけではありません。親知らずが神経と絡んでしまっているなど、全身麻酔が必要で手術が困難な場合で入院が必要となります。

 

1-2 親知らずが横に生えている

親知らずが横に生えてしまっている場合は、歯科口腔外科で抜歯をすすめられることがあります。親知らずが横向きに生えていると聞くと、不安になる方もいるかもしれませんが、親知らずが横に生える症例は少なくありません。

生え方によっては歯ぐきの切開や骨を削る必要がありますが、必ず入院しなければいけないわけではありません。

 

1-3 入院が必要な持病がある

患者さんの持病によっては、親知らずの抜歯自体が難しくなかったとしても、入院が必要になるケースがあります。そのような場合、持病のコントロールを行いながら手術を受けたり、点滴や、場合によっては輸血なども受けながら手術を行ったりなど、特殊な対応が必要とされます。

不安を感じやすい方やパニックにおちいりやすい方なども、入院をすすめられる場合があります。できる限り不安が少なくなるように、全身麻酔や静脈内鎮静ような心の負担を少なくする方法で手術を受けられます。

 

親知らずの抜歯で入院するメリット

2-1 一気に抜歯が可能なので後々楽

状態にもよりますが、入院して親知らずを抜く場合は4本までの抜歯が可能です。後々の手間が大きく省けます。また、親知らず以外の歯で抜歯の必要があるものについても、同時に抜くことができます。

通院回数を減らし効率よく治療ができることは、仕事などでなかなか休みが取れない方にとっては大きなメリットといえるでしょう。

 

2-2 手術中の痛みがあまりない

入院での親知らずの抜歯のときは、患者さんの希望や状態に応じて全身麻酔が導入されます。全身麻酔にかかっているときは意識がなく、痛みも感じません。手術の痛みが怖くてどうしても歯医者さんに行けないという方にとって、大きなメリットになります。

 

2-3 歯科治療が苦手な人におすすめ

歯医者さんが怖くてパニックになってしまう方や、過呼吸・失神などの症状を起こしてしまう方は、吸入や点滴、静脈注射などでウトウトした状態で治療が受けられます。また、入院して全身麻酔を受ければ、手術時の不安感や恐怖感が少ない状態で手術が受けられるというメリットがあります。

 

手術の時の麻酔について

3-1 局所麻酔

手術をする部分に直接、麻酔薬を注射して、痛みを少なくするのが局所麻酔です。通常の親知らずの抜歯で使われます。患者さんの体への負担が軽いのがメリットですが、大きな手術の痛みは対応できません。

注射の痛みが気になるかもしれませんが、最近の麻酔注射は針が細く、電動で薬を注入するシステムもあるので、痛みをあまり感じずにすむでしょう。

 

3-2 全身麻酔

全身麻酔をかけると意識がない状態です。手術中は、知らないうちに眠ってしまい気づいたときにはすでに終わっているという状態になります。眠っている間に手術が終わるので、治療への恐怖や不安を感じやすい患者さんでも落ち着いた状態で手術が受けられるでしょう。

 

3-3 静脈内鎮静法

点滴で鎮静剤を注入しますが、手術中でも意識があるのが静脈内鎮静法です。不安や緊張が和らぎ、痛みも感じにくくなります。手術への恐怖感が強い患者さんに使われます。

入院が必要な治療だけでなく、クリニックの外来でも使われています。意識がある状態で、薬の力でリラックスしながら治療を受けられます。

 

3-4 笑気麻酔

ぼーっと、リラックスした状態で治療を受けることができます。全身麻酔は意識がなくなり、静脈内鎮静法はウトウトした状態で治療中の記憶がなくなることもありますが、笑気麻酔では治療中の記憶も保たれ、眠ってしまったり意識がなくなることはありません。

呼びかけにも反応できますし、会話も可能です。また、静脈内鎮静法にくらべ回復が早く、吸入をやめるとすぐに覚醒するという特徴もあります。

鎮痛効果はありませんが、患者さんの不安や緊張、恐怖心を少なくするために使用されます。保険適用されるので、治療費を抑えたい方も気軽に使用できるでしょう。

 

入院にかかる費用

4-1 手術料金

手術料金には、健康保険を使えます。患者さんの親知らずの生え方によって金額に差が出ますが、抜歯はおおよそ1,000~3,000円くらいです。その他にも、レントゲンや血液検査などの代金がかかりますので、多めに見積もって全体で15,000円程度が目安となるでしょう。

 

4-2 入院料金

入院料金は、1泊2日で20,000円ほどです。手術の内容によっては、1週間近く入院する場合もあります。また、個室・大部屋など部屋のタイプによっても金額が異なります。日帰りの外来で手術を受けたときの治療費と、入院したときの治療費は金額に大きく差がでてきます。

 

4-3 麻酔料金

麻酔の料金は、局所麻酔で3、900~6,300円ほど、静脈麻酔を使った場合が8,900~14,000円ほどがプラスされます。全身麻酔では44,000~55,000円ほどです。

病院によって薬剤が違うので、金額が異なります。痛みや恐怖を感じやすい方にとってはメリットになる全身麻酔ですが、やはり他と比べて料金が高額になるというデメリットもあります。費用のことや治療内容などは必ず事前に確認し、十分に納得したうえで治療方法を選択しましょう。

 親知らずの手術では、必ずしも入院が必要になるわけではありません。難しそうに見える症例でも、日帰りでの抜歯が可能なケースもあります。ただし、痛みや恐怖に抵抗がある方や持病のある方は入院をすすめられることがあります。

また、親知らずの抜歯の後遺症として下歯槽神経の麻痺が残る場合がありますが、インフォームドコンセントを重視している歯医者さんでは、ほとんどの場合事前に説明してもらえます。不安なことは歯医者さんに相談し、自分に適した方法で抜歯をするようにしましょう。

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監修日:2017年06月25日
遠藤三樹夫 先生監修
経歴・プロフィール

出身校:大阪大学
血液型:O型
誕生日:1956/11/09
出身地:大阪府
趣味・特技:料理