口を思いっきり開けた時などに、そのまま口が戻らなくなってしまうことがままあります。このような現象を俗に、顎が外れるといいます。このような状態になった時に、どうすればいいかわからなくなるという人もいるようです。
顎が外れてしまって病院に駆け込むというのも面倒ですし、「どの医療機関が適切なの?」という不安を抱く人もいるでしょう。実は応急処置の程度であれば、顎が外れた場合でも、自力で戻す方法があります。もしもの時のために、応急処置の方法を頭に入れておいても損はないでしょう。
口を思いっきり開けた時などに、そのまま口が戻らなくなってしまうことがままあります。このような現象を俗に、顎が外れるといいます。このような状態になった時に、どうすればいいかわからなくなるという人もいるようです。
顎が外れてしまって病院に駆け込むというのも面倒ですし、「どの医療機関が適切なの?」という不安を抱く人もいるでしょう。実は応急処置の程度であれば、顎が外れた場合でも、自力で戻す方法があります。もしもの時のために、応急処置の方法を頭に入れておいても損はないでしょう。
この記事の目次
顎が外れてしまった場合、関節が前に飛び出したような形になります。そこで確認したいのが、耳の周辺です。出っ張っている部分を確認して、その上部に人差し指と中指、薬指を使って出っ張りを取り囲むように当てます。そしてやや後部下方向に出っ張りを押し下げるようにすると、症状を抑えることが可能です。
ただし、素人ではしっかりと元の位置に戻ったかを把握することは難しいため、大丈夫だと思っても、応急処置のあとは、歯科、歯科口腔外科、整形外科などを必ず受診するようにしましょう。
顎が外れると簡単に表現はしますが、実はあごの関節が外れている状態なのです。医療の世界では、顎関節脱臼と言って、脱臼の一種です。
脱臼とは、骨が本来あるべき位置から外れてしまった状態になります。肩で起きる脱臼と、基本的なメカニズムは一緒といえます。ですから、顎が外れた場合の治療法は、骨がずれた場所から元に戻すということです。
顎が外れる症状はさらに3種類に分類できます。まずは下顎頭が前方にずれてしまう脱臼のことを前方脱臼と言います。口を大きく開けたときに起こりやすいです。逆に後ろに向かってずれる症状を後方脱臼と言います。こちらは運動をしたときの外傷で起きる可能性が高いです。顎関節が横にずれることもありますが、側方脱臼と呼びます。こちらは交通事故を起こした場合に起こりやすい症状です。
顎が外れると、いろいろと支障が生じます。まず口が動かなくなってしまうので、言葉をうまく話せなくなります。
また顎が下に伸びたような感じになるので、通常よりも面長になることが多いです。また口の中に唾が溜まりやすくなって、よだれが垂れることもありますのでビジュアル的に問題も生じます。また顎関節以外にも周辺の筋肉に負担をかけるので、痛みを伴うこともありえます。
ですから、もしあごが外れてしまったのであれば、早めに治療をするのがおすすめです。
顎の外れる原因ですが、咀嚼筋といわれる、顎周辺の筋肉の衰えが考えられます。あごの関節を支える筋肉が衰えると、あごの関節がずれやすくなります。姿勢が悪いとか、頬杖をつくなどの習慣があると、咀嚼筋が衰えやすくなります。
噛み合わせに問題のある人も、顎の外れるリスクが高くなります。噛み合わせに関しては歯列矯正などの治療が必要なので、自分ではどうすることもできません。
もし噛み合わせに問題があれば、歯科クリニックなどに行って、歯列矯正などの適切な治療を行うことが大事です。
顎がしばしば外れるのであれば、その背後に顎関節症が潜んでいる可能性があります。顎関節症とは、顎関節や咀嚼筋に炎症などの異常が起きている病気です。口を動かしたときに音が鳴るとか、口が開きにくい、痛みを感じるというのであれば、顎関節症の疑いが高いです。
下顎窩と下顎頭の間に、関節円板と呼ばれるクッションのような役割をしている箇所があります。この関節円板がずれやすくなっているなどの不具合が原因で、顎が外れやすくなるということもありえます。口を開けたときに顎が時折外れるのであれば、関節円板に問題があるかもしれません。
外側から顎関節に強いショックがかかって、顎が外れることもあります。たとえば殴られるとか、交通事故で衝突した拍子に顎が外れてしまうということがあります。
このような外的ショックによって、口が動かなくなっただとか、痛みが走るということがあれば、あごの関節が外れている可能性があります。早めに医療機関を受診して、治療をすることが大事です。
冒頭に紹介したように、自力で顎が外れた状態を直すことも可能です。ただし、もし適切な場所に顎関節を戻さないと、いろいろな問題が発生します。特に脱臼癖と言って、事あるごとに顎関節が外れやすくなります。
またうまく関節を元に戻せたとしても、炎症などの違和感が起きる可能性もあります。炎症が悪化すると痛みがひどくなりますので、関節を元に戻したら顎の周辺をしばらく冷却することも大事です。
このようにいろいろなケアをする必要があるので、素人が無理に行うよりは医療機関で適切な処置を早めにお願いした方が無難といえます。
もしあごが外れた状態になったのであれば、すぐに医療機関で治療を受けるのがおすすめです。ちなみにどの診療科目で治療してもらえるかですが、候補として考えられるのは歯科口腔外科や整形外科、歯科といったところです。医療機関の治療法ですが、大きく2種類に分類されます。口内法と言って、患者の口内にドクターが指を当てて正常な位置に戻す方法が一つ挙げられます。
またその他には、口外法といった、口に触れずに治療する方法もあります。外側から下顎に手を当てて、正しい位置に修復する方法です。ちなみに顎が外れた症状を元に戻すのは、それほど時間がかかりません。また、強い痛みを伴うこともないので、あまり心配する必要はないでしょう。
顎が外れた人の中には、顎が何度も外れるという経験をされた方もいるかもしれません。脱臼癖と呼ばれることもありますが、一度顎が外れた経験のある人は、早めに適切な治療をしないといけません。というのは、その後何度も顎が外れる可能性が高くなるからです。
顎が外れるのが癖にならないようにするには、基本的なことではありますが、顎が外れないように入念な注意をすることです。心配な方は、顎が外れないように予防法をいろいろと実践してみましょう。
顎が外れる原因として、日ごろの癖が関係していることもあります。もし頬杖をつくことが多ければ、意識して頬杖をしないように心がけましょう。その他には電話をする時に、顎と肩で端末を挟んで会話している人もいますが、これも顎が外れやすくなる要因になりえます。
電話をする時には手で持って会話をする、もしそれが無理なら、ブルートゥースなどのフリーハンドのアクセサリーが家電量販店などで販売されているので、こちらを利用することです。
また歯ぎしりをよくする人は、顎が外れやすくなるといわれています。しかしながら、歯ぎしりは眠っているときにしているため、簡単な対処法がありません。ですので、歯科クリニックなどに行って、マウスピースなどを作ってもらい、歯ぎしり対策することも大事です。
口を大きく開くと、顎が外れやすくなります。ですから、食べ物にかぶりつくときに口を大きく開けないようにするとか、あくびやくしゃみをする時に顎を手で押さえて、あまり口を大きく開けないように気を付けるなどの対策が必要でしょう。顎が外れるという現象は決して珍しいことではないです。おしゃべりをするとか食事するときに顎関節はしばしば使われるので、疲れがたまりやすいからです。もし顎が外れてしまった場合、すぐに病院で治療を受けることが大事です。
1968年 東京歯科大学 卒業
1968年 飯田歯科医院 開院
1971年 University of Southern California School of Dentistry(歯内療法学) 留学
1973年 University of Southern California School of Dentistry(補綴学・歯周病学) 留学
1983年~2009年 東京歯科大学 講師
現在に至る