顎が痛いときは病院の何科に行けばいい?対処法を詳しく解説

顎が痛いときは病院の何科に行けばいい?対処法を詳しく解説

「顎を動かすと痛い」「口を大きく開けることができない」「動かすと音が鳴る」「噛み合わせに違和感がある」など、顎に不調が出た経験はありませんか? 顎関節症や噛み合わせの悪化などを疑い不安になりますよね。

でも急に不調が出た時にどう対処すればいいのか分からない人も多いと思います。

今回こちらの記事では顎が痛み出したときに病院の何科に行けばいいのか?治療法は?その費用は?などの疑問に詳しく解説しながらお答えしていきます。

また自分でできる応急処置もご紹介し、顎の痛みの根本的な原因や症状の解説もしていきますので現在顎に不調が出ている人はご参考にして下さい。

この記事の目次

1.顎が痛くなった時の対処法

顎が痛み出したときの適切な対処法をご紹介していきます。病院の何科に行けばいいのか? 具体的な治療法、治療にかかる費用などの疑問に詳しく解説していきます。急に痛くなった時に焦らないようここで対処法を押さえておきましょう。

1-1 病院の何科を受ければいいの?

顎に痛みや不調を感じたときは病院の整形外科よりも歯医者さんに併設されている歯科口腔外科で診察を受けるのがおすすめです。

歯科口腔外科を受けるメリットとして、「顎関節症の専門医がいる」「虫歯や口内環境が原因の場合対応できる」「歯医者さんに併設されていることが多く近くで探しやすい」「整形外科よりも気軽に診察が受けやすい」ことが挙げられます。

ただし、歯科口腔外科を設けて無い歯医者さんもありますので診察前に問い合わせてみることが必要です。

1-2 どんな治療をするの?

歯科口腔外科では基本的に顎の痛みを薬物療法などで緩和しながら痛みの原因となる悪い習慣や癖を改善していく治療を行います。

薬物療法で痛みを緩和

食事や会話など日常生活も困難なほど顎の痛みが強い場合は痛み止めの薬を処方してくれます。また痛みの原因が顎周辺の筋肉の過緊張だった場合は筋弛緩剤で緩和したり、痛みで睡眠が困難な場合は睡眠薬も出してくれます。

スプリント療法で顎の負担を軽減

材質的には薄い軟性のゴムのようなものと少し硬い透明の樹脂製のものがあり、スプリントやバイトプレートなどと呼ばれています。 上顎に付ける場合と下顎に付ける場合がありますが、これは治療される先生の考え方による場合が多いのでどちらが正しいとも断言はできません。

前者は、柔らかくクッションのような効果があり、無意識下での歯ぎしりなどで歯への生理的な範囲を超えた大きな過重負担を軽減させるのに効果的ですが、噛み合わせそのものを調整したりする効果は少ないです。

後者は硬いぶん少し違和感も伴うかもしれませんが、噛み合う部分に樹脂を添加したり削ったりすることで噛み合わせに対する微調整をすることを目的にしています。

認知行動療法で顎の不調の根本治療

歯科口腔外科の専門医によるカウンセリングで顎の痛みの原因となっている患者さんが無意識でしてしまう悪い癖や習慣、姿勢を見つけ出し本人に自覚してもらうことで取り除きます。

慢性的な顎の痛みを取り除くには習慣を改善することが必須なので時間はかかりますが根本的な治療が必要です。

また、症状の改善に伴い顎を正しく動かす訓練などリハビリや指導も受けることができます。

1-3 費用について

薬物療法(痛み止め、筋弛緩剤、睡眠薬):およそ¥500~¥1,000前後

スプリント療法(マウスピース製作):およそ¥10,000前後

認知行動療法(専門医のカウンセリング):およそ¥1,000前後

※歯医者さんによって金額は異なります。

2.顎が痛くなった時の応急処置

急に顎が痛くなった場合でも自分でできる応急処置がありますのでご紹介します。

ただしあくまでも緩和療法で根本治療にはなりませんので必ず病院で診察を受けに行きましょう。

2-1 冷湿布

急に顎が痛くなった場合には冷湿布をしましょう。顎関節や周辺の筋肉が炎症を起こしている事が原因で痛みが出ている可能性があるので冷やすことが重要です。

ただし、痛みが治まってからも冷やし続けるのは逆に血行不良となり関節や筋肉が硬くなって悪化するので注意しましょう。

2-2 咀嚼筋のマッサージ

顎周りの筋肉、咀嚼筋が張って痛む場合はマッサージで筋肉を揉みほぐし血流を良くすることで緩和できます。ただし筋肉が弱っていたり張りすぎている所に強い力で揉むと痛めて悪化するので力加減に注意しましょう。

また痛みが引くまでしばらくは硬いものを食べたり、頬杖をついたり顎関節に負担がかからないように気をつけましょう。

咀嚼筋の慢性的なコリには温湿布でほぐす事も効果的です。

3.顎が痛くなる原因

顎が痛くなる原因は様々ありますが主に顎関節や周辺の筋肉に悪い習慣や癖によって引き起こされる事がほとんどです。それらの悪い習慣や癖を詳しく解説していきます。

3-1 顎に負担をかける習慣

片側の顎にだけする頬杖、食事での片側噛み、うつぶせ寝、デスクワークによる首猫背など無意識の悪い姿勢は顎関節や周辺の筋肉に大きなダメージを与えます。

どれも癖や習慣になってしまっているので実際に痛みが出るまで気づかないことがほとんどです。

3-2 ブラキシズムによるダメージ

一般的には睡眠時などで歯をギシギシ擦り合わせるような行為を歯ぎしり(ブラキシズム)と呼んでいますが、医学的には正確にいうと3種類あります。

歯ぎしり(ブラキシズム)、食いしばり・噛みしめ(クレンチング)、カチカチ歯を鳴らす(タッピング)ことで、すべて咀嚼筋(顎を開閉するのに使う筋肉)の不随意運動(無意識の状態で起こす筋肉運動)や筋肉の過緊張によるスパスムス(痙攣、攣縮)によるもので、顎関節症の原因となります。

これらは顎関節のみならず歯周疾患で歯が動揺を起こす原因にもなります。

3-3 悪い噛み合わせ

虫歯や歯列矯正の不具合、詰め物や被せ物が合っていないことが原因で噛み合わせが悪くなり顎の痛みを引き起こすことがあります。

またスポーツや事故などで顎関節に強い衝撃が加わることで噛み合わせが悪くなることもあります。

4.顎関節症の症状

顎の痛みや噛み合わせの違和感は顎関節症の初期症状の可能性があります。

いくつか特徴があり、それぞれ詳しく解説していきますので自分の症状と照らし合わせてみましょう。

4-1 顎を動かすと痛みがある、音が鳴る

顎関節症の代表的な症状として顎を動かしたときの痛みがあります。食事で口を開けたときや食べ物を噛むときなどに顎や周辺の筋肉、こめかみに痛みを感じます。酷い場合は会話などで口を動かしただけで痛む場合もあります。

また痛みは無くても顎を動かしたときに「ガリッ」「ジャリッ」と音が鳴る場合も顎関節症の初期症状です。

4-2 口を大きく開けることができない

口を開けづらくなるのも顎関節症の特徴です。

通常、顎関節に問題が無ければ口を開けたときに縦に指3本分、およそ5cm入れることができます。しかし指2本分、およそ3cmかそれ以下しか入らない場合は顎関節症が疑われます。

4-3 噛み合わせに違和感がある

顎の関節がずれたり、顎周りの筋肉に問題があると噛み合わせにも不調が出てきます。

食事のとき咀嚼しづらくなったり、上下の歯の噛み合わせに隙間ができていたり、口が閉じづらくなったりするなど急に違和感を感じるようになった場合は注意しましょう。顎の不調は普段の悪習慣が原因で引き起こされることがほとんどです。冷湿布やマッサージなどの応急処置では一時的な改善しか期待できないので根本的な治療にはなりません。

顎の痛みや不調が慢性的に起こる場合は顎関節症や虫歯、噛み合わせの悪化が考えられますのですぐに歯医者さんの歯科口腔外科でカウンセリング、適切な治療を受け根本治療を目指しましょう。

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監修日:2016年07月28日
遠藤三樹夫 先生監修
経歴・プロフィール

出身校:大阪大学
血液型:O型
誕生日:1956/11/09
出身地:大阪府
趣味・特技:料理