口が開かない、口が閉まらない、口を開け閉めする際に痛みや違和感、異音などが生じるといった症状が表れる顎関節症。頭蓋骨と下顎骨の間にある顎関節に異常が発生することで起こる病気です。一般的に、顎関節症の主な原因は悪い噛み合わせにあると言われてきました。では、どんな噛み合わせが顎関節症を引き起こしているのでしょう?また、噛み合わせの悪さだけが顎関節症の原因ではありません。顎関節症と噛み合わせの関わりについて、詳しくご紹介していきましょう。
口が開かない、口が閉まらない、口を開け閉めする際に痛みや違和感、異音などが生じるといった症状が表れる顎関節症。頭蓋骨と下顎骨の間にある顎関節に異常が発生することで起こる病気です。一般的に、顎関節症の主な原因は悪い噛み合わせにあると言われてきました。では、どんな噛み合わせが顎関節症を引き起こしているのでしょう?また、噛み合わせの悪さだけが顎関節症の原因ではありません。顎関節症と噛み合わせの関わりについて、詳しくご紹介していきましょう。
顎関節症の原因といわれる主なものに、噛み合わせの悪さが挙げられます。かつては「顎関節症の原因のすべては噛み合わせである」といわれていたこと時もありますが。悪い噛み合わせで噛み続けることで、顎関節に負担がかかることで関節に異常が起こると考えられています。
良い噛み合わせでは前歯も奥歯も正常に噛み合い、すべての歯にバランスよく力がかかります。それに対して、悪い噛み合わせでは特定の歯に力がかかります。これにより、顎の骨にずれが生じ、顎関節症を引き起こされます。
噛み合わせの悪さは顎関節症の原因になりえますが、逆に顎関節症が悪い噛み合わせを引き起こすケースもあります。顎関節症により顎がずれた状態で噛む行為を続けると、徐々に噛み合わせも悪化してしまうからです。顎関節症と悪い噛み合わせ、どちらが先に起こるかは状況により異なりますが、両者には深い関わりがあることに違いないでしょう。
顎関節症の大きな原因として噛み合わせの悪さが挙げられますが、噛み合わせさえ直せば顎関節症が治るというわけでもありません。顎関節症は噛み合わせも含め、複合的な原因によって起こります。
噛み合わせ治療で治すことができるのは、噛み合わせの悪さだけが原因となる顎関節症に限られます。噛み合わせ以外の原因により発症した顎関節症や、噛み合わせの悪さに加えて他の要因も複雑に絡み合って起こる顎関節症もあります。こうした顎関節症では、噛み合わせをなおしただけでは顎関節症を完治させることは難しく、他の要因も視野に入れた複合的な治療が必要になります。
噛み合わせは歯並びと同義と思っている人もいるようですが、両者は違うものです。歯並びがよくても、顎がずれているために噛み合わせが悪くなることもあります。
悪い噛み合わせには、前歯が噛み合わない開咬(オープンバイト)、噛み合わせが深すぎる過蓋咬合・低位咬合、出っ歯とも呼ばれる屋根上咬合や、受け口ともされる反対咬合、さらに歯並びの悪さによる咬叉咬合などがあります。こうした悪い噛み合わせでは、前歯や奥歯が正常に噛み合わず、特定の歯に過剰な負担がかかってしまったり、ものを食べたりするときの顎の正常な運動を制限してしまったりします。
なかでも顎関節症の発症に深く関わっているといわれるのが、奥歯の噛み合わせ不良です。顎関節症の多くは、上顎に対する下顎の生理的位置異常によって起こります。下顎が後ろに下がっている、上や外側にずれているといった下顎の後上方転移といった状態が、奥歯の噛み合わせを悪くし、さらには顎関節症を引き起こしてしまいます。
噛み合わせの悪さは生来のものもありますが、後天的に噛み合わせが悪化するケースもあります。噛み癖や姿勢など、生活習慣による悪影響から噛み合わせが悪くなる場合もありますが、矯正などの歯科治療によって、噛み合わせを無理に修正すると顎の関節に大きな負担がかかってしまうこともあります。「もともと歯並びはよかったから」と慢心せず、噛み合わせの状態を定期的に確認するように心がけましょう。
噛み合わせの悪い人が必ず顎関節症になるというわけではありませんが、噛み合わせの悪さは顎関節に多少なりとも悪い影響を及ぼします。顎関節症は痛みなどの自覚症状がないままに進行し、いずれ全身に大きな悪影響を与えることもあります。まずは噛み合わせをチェックして、顎関節症の危険度を認識しておきましょう。
まずは姿勢を正して立ち、ゆっくりと顎を開けてください。その後同様にゆっくりと顎を閉じ、上下の歯の状態をチェックします。上の歯と下の歯が触れる程度に顎を閉じた状態で、全体の歯がバランスよく触れていれば問題ありません。特定の歯が触れ合わない、または他の歯に比べて深く噛み合いすぎているといった場合には注意が必要です。
歯が触れ合った状態でのチェックが終わったら、今度は強く噛んだ状態でも確認してみましょう。少しずつ顎に力を入れて噛みしめる過程で、顎や歯が左右や上下にずれることがないかチェックします。ずれが生じる場合は、噛み合わせが悪くなっている可能性があります。
顎関節症の大きな原因である下顎の後上方転移が起こると、唇の状態にも変化が表れます。そこで、唇の状態をチェックすることで、気づきにくい奥歯の噛み合わせを確認することが可能です。鏡に正対し、唇の状態を観察してみてください。下顎が引っ込んで唇が飛び出して見えたり、顎が短く下唇の下のシワが深く見える場合は、下顎の後上方転移進行が疑われます。また、唇の左右が下に垂れ下がっている場合も注意しましょう。
噛み合わせの不具合は顎関節症を引き起こす要因のひとつです。しかし、噛み合わせの悪さだけが顎関節症を引き起こすわけではありません。噛み合わせは問題ないのに顎関節症の症状に悩む場合もあれば、逆に噛み合わせが悪いのに顎関節症の症状ではないというケースもみられます。
顎関節症はさまざまな要因が複雑に絡み合い、積みかさなり合うことで発症するといわれています。噛み合わせの悪さは顎関節症の大きな原因ではありますが、これは要因のひとつに過ぎず、ほかにも顎関節症を引き起こす要因は存在しています。
噛み合わせの悪さ以外の顎関節症の原因としては、噛みしめや食いしばりに歯ぎしり、悪い噛み癖などの生活習慣が挙げられます。また、悪い姿勢や頬杖をつくといった習慣も、顎関節症の原因となりえます。こうした悪習慣にはストレスなどの心因的な要素が関わっていることも多く、治療にあたっては心理的なアプローチが求められることあります。
悪い噛み合わせや生活習慣などが積み重なり、複合的に絡み合うことで発症する顎関節症。その発症には、ささいなきっかけが関わるケースもあります。たまたま固いものを食べたり、作業に集中しすぎて奥歯を噛みしめたりといった動作が顎関節症の引き金となることも少なくありません。
噛み合わせの悪さ、下顎の後上方転移による奥歯の噛み合わせ不良は、顎関節症を引き起こす大きな原因です。しかし、顎関節症の原因は噛み合わせの悪さだけではなく、噛み合わせが良い人にも顎関節症は起こりえます。さまざまな要因が積み重なることで、顎関節症は発症します。ただし、噛み合わせを整えることは、顎関節症予防に有効であるとケースも多いです。普段から自身の噛み合わせを意識し、定期的に歯医者さんでチェックしてもらうようにしましょう。
出身校:大阪大学
血液型:O型
誕生日:1956/11/09
出身地:大阪府
趣味・特技:料理