顎関節症の診断を受けた時の自宅でのセルフケア

顎関節症の診断を受けた時の自宅でのセルフケア

最近では、顎関節症の患者が増加傾向にあり、多くの人が顎関節症に悩んでいます。そこで気になるのが、自分で顎関節症をケアできないかということです。忙しい方などは、「毎日少しずつでも自分でケアすることで、症状を緩和できれば」と考えるでしょう。基本的には病院の受診をおすすめしますが、ここでは、自分でできる顎関節症の治し方をテーマにひとつずつ解説していきます。顎関節症に悩んでいる方は、参考にしてください。

 

この記事の目次

自宅でできる顎関節症のセルフケア

1-1 顎を休ませる

硬いものをたくさん噛んだり、ガムを長時間噛み続けていたりする状況が多いのであれば、少し顎を使うのをやめてみましょう。また、「ちょっと痛いな」と思うときは、身体全体を休ませてみるのもいいでしょう。もし、顎に痛みがあるのに無理に食べ続けたり、話し続けたりすれば、それがさらに顎へ負荷をかけてしまい、症状の悪化につながることもあります。女性の場合は友人と長電話をしたり、ついつい話し混んでしまうこともあるかもしれませんが、顎への負担となりますので、会話の時間にも注意してください。

 

1-2 姿勢を正して顎への負担を軽減する

顎関節症は顎に負担がかかることで発生します。顎への負担につながるもののひとつが「姿勢」です。一見関係がないように見えますが、姿勢が悪いことで身体のバランスが崩れ、最終的に顎への負担が増加して症状が悪化する可能性もあるとされています。

もし、猫背のような「悪い姿勢」が癖になっている方は、顎に大きな負担がかかっている可能性があります。日頃から姿勢を正すように心がけ、顎への負担を減らすことから始めましょう。ちなみに、悪い姿勢とは猫背だけではなく、頬づえなどのちょっとしたクセなども含まれます。普段の生活を見なおして、頬づえなどの悪習慣がある場合は改善するように心がけましょう。

 

1-3 マッサージをする

顎周りの筋肉が緊張してしてしまうと、顎関節症となる場合があります。そのため、マッサージなどで緊張した筋肉をほぐすと、顎関節症の緩和にも役立つ場合があります。ただし、自己流のマッサージでは顎関節症をさらに悪化させる可能性もありますので、必ず医師にただしいマッサージの方法を教えてもらうようにしてください。

 

1-4 正しい生活習慣を

睡眠や食事の習慣などが乱れることで顎関節症が発生する場合もあります。無関係に思えるかもしれませんが、睡眠不足によって疲労やストレスが溜まったり、筋肉が緊張したりすることも多く、それが主な原因となって顎関節症を引き起こしている可能性も十分に考えられます。

また、食事の栄養バランスが偏っていれば、血行不良などの悪影響により、顎周りに弊害が出てくる可能性もあるので、ただしい生活習慣を身につけるようにしましょう。

 

具体的なセルフケアの方法とは

2-1 セルフケアのルール

ここからは、セルフケアをしていく上での心づもりを最初にお伝えしていきます。

・痛みがでるような行動はしない
顎関節症をケアするうえで、痛みを感じるような行動や動作をしないことがとても大切です。また、痛みや症状がツライと感じたときは、ガマンせずすぐに病院を受診しましょう。痛みをガマンしても、症状がよくなることはありません。

・悪化したら即中止
マッサージなどのセルフケアをしたときに症状が悪化した場合は、すぐに中止してください。痛み以外にも、口の開閉がさらにしにくくなったり、顎に違和感があるなどの症状が出てきたときも同様です。すぐに中止し、早急に歯科口腔外科などを受診しましょう。

セルフマッサージなどは医師に指導されたものでも、痛みが発生したり悪化した場合は即中止することが大切です。手当が遅れると症状が悪化することもありますので、すぐに病院へ行きましょう。

・軽度だからと軽視しない
軽度の顎関節症だからと軽視してはいけません。安易にセルフケアをしない、症状が悪化したらすぐに対処するなどの心構えをもって行いましょう。

 

2-2 初級編・顎のストレッチ

ここでは、簡単にできる顎のストレッチをご紹介していきます。無理のない範囲でストレッチを行い、顎の筋肉の緊張をほぐすのに役立ててください。やり方は以下の通りです。

1)口を可能な限り空けて15秒キープ
2)次に、顎を前に出すようにして15秒キープ
3)顎を引っ込めて15秒キープ
4)顎を右にずらして15秒キープ
5)最後に、顎を左にスライドさせて15秒キープ

無理なくゆっくりと、様子を見ながら行いましょう。こちらも、痛みが出た場合はすぐに中止するようにしてください。

 

2-3 顎の骨周りのマッサージ

次は顎の骨周りのマッサージです。

・指で側頭筋をプッシュするマッサージ
1)手の指、親指を除く4本を使います。
2)指の腹を使い、耳の上辺りにある側頭筋の部分を押していきます。
3)左右両方をマッサージしますが、コリを感じるようならしっかり押してもかまいません。

 

・絞筋のマッサージ
1)耳の少し前、もみあげ部分に人差し指、中指、薬指を揃えて当てます。
2)指の腹部分を当てるように注意して、くるくると回してほぐしましょう。

 

2-4 痛いときには冷やす方法も

もし顎関節症の痛みがひどいときは、すぐに病院を受診してください。炎症を起こして痛みが発生している可能性もあるので、応急処置として湿布や冷やしタオルなどで顎の関節部分を冷やすのもいいでしょう。

 

日頃の悪習慣の見直しが一番?

3-1 正しい姿勢で寝ている?

寝ているときの姿勢が顎関節症の原因になっている可能性があります。例えば、顎が圧迫されるようなポーズで寝ているのなら、それが負担となっている可能性は高いでしょう。他にも、うつぶせ寝が習慣という方は注意が必要です。うつぶせ寝は顎に頭の重さが直接のしかかっている状態であり、これは約5kgの負荷が顎にかかっている状態といえます。

顎に負担をかけないためには、自分に合った高さの枕を使って、仰向けで寝ることが大切です。寝返りを打ちやすい枕なら、睡眠中も快適な姿勢を保てます。普段の寝姿勢がわからない方は、パートナーなどに尋ねてみて、どんな姿勢を取っているか確認するといいでしょう。

 

3-2 食いしばり・歯ぎしりのクセは?

上下の歯が触れている状態は、顎の負担がかかります。顎関節症の原因になる可能性があるので、食いしばりや歯ぎしりのクセはもちろん、上下の歯が軽く触れるクセがないかもチェックしましょう。正しい顎のポジションは上下の歯が触れていない状態です。もし触れているのなら少し浮かせて上下の歯が触れないようにしましょう。

 

3-3 ストレスの多い生活をしている?

ストレスは顎関節症の原因として無視できないものです。もし、家庭や仕事、人間関係などにストレスがあるなら、それが顎関節症の間接的な原因かもしれません。日常生活のストレスを少しでも少なくするように心がけましょう。

 

3-4 噛合せが悪い?

噛合せの悪さは、顎関節症の原因のひとつです。自分で気をつけて治るものではありませんが、根本原因を知るためにも一度歯医者さんに診てもらってはいかがでしょうか。顎関節症の原因が噛合せである場合は、歯科矯正の治療などで改善することもあるので、あわせて相談しましょう。

 

3-5 顎を鳴らして遊ばない!?

顎関節症の「バキッ」という音を鳴らすのが癖になってしまっている方もいるのではないでしょうか。これは、顎関節症の状態を考えるとあまりいいことではありません。顎関節症の症状を悪化させないためにも、顎の骨を鳴らして遊ばないように行動を改めましょう。また、顎関節症の方が口を大きく開けたり、硬いものを無理して食べることも悪化の要因になるので控えてください。

 

基本的には一度受診を

4-1 お医者さんで診てもらうことは大切

痛みはほとんどなく違和感がある程度の場合、病院を受診することをためらう方もいるでしょう。しかし、軽い考えで自分でケアしてしまうと、それが原因でさらに顎関節症の症状を悪化させる可能性も出てきます。ちょっとした違和感しかない状態でも自己判断せず、顎周りの不調は必ず病院で診てもらうようにしましょう。

 

4-2 顎関節症を見てくれる病院

顎関節症は歯科口腔外科で治療ができます。歯科口腔外科を併設した歯医者さんであれば、虫歯治療などのついでに「そういえば、最近顎のあたりの調子が悪くて…」と相談してもいいでしょう。痛みがなく違和感程度の症状であっても、そのときの状態にあった適切な治療をしてもらえるので、顎関節症の早期の改善が期待できます。

 顎関節症は血がでるような症状ではありません。そのため、痛みがなければ病院へ行かないという方も多いです。しかし、顎関節症の治療は早期発見・早期治療が重要です。できるだけ早く受診して、そのときの状態にあった処置をしてもらうことが症状緩和の近道といえます。

顎関節症は、症状が軽いうちであれば簡単な治療で治ることも多いです。しかし、放置して悪化すると、ひどいときには手術が必要になる場合もあります。顎まわりに不調があるときは、セルフケアで治るだろうと自己判断せず、必ず歯科口腔外科を受診しましょう。

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監修日:2017年06月19日
遠藤三樹夫 先生監修
経歴・プロフィール

出身校:大阪大学
血液型:O型
誕生日:1956/11/09
出身地:大阪府
趣味・特技:料理