顎関節症の予防や改善に効果があるといわれている「舌回し運動」をご存知ですか? 舌は食べるときや話すときに使われるほか、健康を維持するためにも欠かせない存在です。舌をしっかりと動かす習慣をつけて顎関節症を防いでいきましょう。「舌回し運動」を続けていくと、ふだんはあまり使わない筋肉を鍛えることにもつながります。
また、舌回し運動の効果は美容や健康など多岐に渡ります。期待できる数々の効果を得るためにも、参考にしてください。
顎関節症の予防や改善に効果があるといわれている「舌回し運動」をご存知ですか? 舌は食べるときや話すときに使われるほか、健康を維持するためにも欠かせない存在です。舌をしっかりと動かす習慣をつけて顎関節症を防いでいきましょう。「舌回し運動」を続けていくと、ふだんはあまり使わない筋肉を鍛えることにもつながります。
また、舌回し運動の効果は美容や健康など多岐に渡ります。期待できる数々の効果を得るためにも、参考にしてください。
この記事の目次
顎周辺には、顔全体や頭などとつながっている筋肉があります。舌を回すことで、その筋肉の緊張をほぐして鍛える効果が期待できます。また、顎につながっている数多くの筋肉を手軽に鍛えるために「舌回し運動」を行うことで、顎の位置やかみ合わせを正常に近づける効果も見込めます。
唇を閉じたまま、舌の先で歯の外側と頬の内側の間を大きく回していきます。2~3秒で1周する速さが理想です。
右回りと左回り、それぞれ20回ずつ行いましょう。これを1セットとして、朝昼晩の1日3回行うようにしましょう。簡単なように思えますが、最初のうちは10回回すだけでもきつく感じることもありますが、これは顔の筋力が弱まっている証拠です。毎日続けていくうちに50回くらいは軽く回せるようになります。無理をせずに少しずつ回数を増やしていきましょう。
舌の先で上あごの歯茎を内側から力いっぱい押してください。そのまま20秒キープします。これを1日に数回、合計で3分ほど行いましょう。
「舌回し運動」と「舌押し運動」の両方を組み合わせることで、顎関節症の予防効果が上がることが期待できますし、これらの運動を継続していくと、顔の筋肉や噛み合わせが少しずつ変化していくことも多いです。
舌回し運動で得られる効果には、個人差があります。短期間行うだけでは効果を感じられないことがほとんどです。少なくとも1~3か月は続けてみてください。ただし、痛みが生じるなど少しでも異常を感じたらすぐに中止してください。また、すでに顎関節症の症状があらわれている人や首や舌に痛みのある人は舌回し運動は控えましょう。
舌を回すと、顎だけでなく口の中や頬、唇、のど、首、頭などにつながっている筋肉をいっぺんに鍛えることができるので、咀嚼する能力がアップします。食べ物を噛む咀嚼力が低下すると食事をする量が減って、必要な栄養素を十分にとれなくなるので、健康を維持するためにも舌回し運動を行い咀嚼する力を向上させましょう。
舌や口周りの筋肉が衰えていると、舌全体が下がり舌を自由に動かせなくなります。そこで、舌回し運動で口周りの筋肉を鍛えて舌をなめらかに動かしやすくすると、舌がもつれにくくなり、よりスムーズに話せるようになるでしょう。
食べ物などを噛むときに使う筋肉と噛み合わせには深い関係があるとされます。舌回し運動によりこの筋肉の機能を改善することで、かみ合わせのずれを防ぐ効果が期待できます。
顎関節症の原因のひとつが、顎周りの筋肉の緊張と考えられています。舌回し運動で緊張をゆるめてあげると、顎関節症の予防につながります。また、顎周りの筋肉を均等に鍛えることで顎の位置を正常な位置に保ちやすく、顎関節のずれを防ぐ効果も期待できます。
寝ているときに舌が落ちて気道が狭くなると、いびきをかきやすくなります。舌回し運動をすると、舌を前のほうに引き上げる筋肉が鍛えられるので、いびきや睡眠時無呼吸症候群の改善につながることもあります。
顎まわりやのどの筋力が弱まると、食事のときに誤嚥(ごえん)を起こしやすくなります。食べ物を飲み込む力が落ちてしまうと、気道に食べ物が入りやすくなるため肺炎のリスクが高まり危険です。舌回し運動で食べ物を飲み込む機能を高めておきましょう。
舌を回すと自律神経のバランスが整うといわれています。寝る前に舌回し運動をすると、疲れた体を修復させる働きを担う副交感神経が優位になり、リラックスしやすく寝つきもよくなるでしょう。
顔の筋肉は全身の筋肉ともつながっているので、舌回し運動は姿勢改善効果も期待できます。肩や首のこりを防ぐ効果も得られ、頚椎の歪みの改善にもつながるでしょう。
舌を回すと筋肉の緊張をほぐす効果が期待できます。そのため、後頭部の筋肉などの緊張から生じる緊張型の頭痛や、頸椎動脈や後頭神経を圧迫されて起こる頭痛などの改善に役立つこともあるでしょう。
舌を回すことは脳を適度に刺激し、脳の活性化を促します。舌回し運動をすることで認知症を予防し、記憶力低下を防ぐ効果も期待できます。ただしすぐに効果が現れるわけではなりませんので、気長に行うようにしましょう。
下顎の骨と喉の上の間にある舌骨(ぜっこつ)と呼ばれる小さな骨は、筋肉だけで支えられています。筋肉が衰えてしまい舌骨がたれてしまうと、二重顎を引き起こすことがあります。舌回し運動をして筋肉を鍛えると、舌骨が引き上がり二重顎の改善が期待できます。首回りのリンパ液の流れもよくなるので、顔のむくみが気になる人にもおすすめです。
顔全体のリンパの流れが促進されるので、シワやシミの予防にもいいといわれています。血液やリンパ液の流れを促して、皮膚の細胞にしっかりと酸素や栄養を送りましょう。
頬の筋肉が衰えてたるんでくると、ほうれい線はくっきりと目立つようになります。舌回し運動で頬の筋肉を鍛えると、たるみが少なくなり頬が引き締まる効果が期待できるので、ほうれい線も目立ちにくくなるでしょう。
舌回し運動は表情筋をバランスよく鍛えられます。口角がキュッとあがる「リフトアップ」効果が期待できるので、美しい笑顔をつくりやすくなるでしょう。最近口角が下がってきたと感じている人は、舌を回して表情筋をしっかりと鍛えまることをおすすめします。
舌を回すことでだ液腺が刺激されます。だ液が分泌されやすくなるので、口の中の乾燥を防ぐことができるでしょう。また、だ液に含まれている若返りホルモン「パロチン」によるエイジングケアの効果も期待できます。
舌回し運動は顔の筋肉をバランスよく鍛えることができるので、顔の歪みを防ぐ効果もあります。目や唇の歪みが気になっている方も、筋力を均等につけることで左右対称に近づけるでしょう。また、顔全体がすっきりとするので小顔効果も得られるかもしれません。
口の中で舌をグルグルと回す「舌回し運動」は、普段は使わないような筋肉まで鍛えることができる手軽なエクササイズです。顎関節症予防だけでなく、あらゆる効果が期待できるため注目されている運動です。道具も不要で、いつでもどこでもできるので今すぐ始めてみてはいかがでしょうか。
ただし、顎関節症の治療中の方は悪化させるおそれがあるので、歯医者さんやかかりつけのお医者さんの指示に従うようにしてくださいね。
【顎関節症の相談・治療ができる歯医者さんを予約】
1968年 東京歯科大学 卒業
1968年 飯田歯科医院 開院
1971年 University of Southern California School of Dentistry(歯内療法学) 留学
1973年 University of Southern California School of Dentistry(補綴学・歯周病学) 留学
1983年~2009年 東京歯科大学 講師
現在に至る