固いものでも食べやすい!世界が認めたドイツ生まれのテレスコープ義歯

固いものでも食べやすい!世界が認めたドイツ生まれのテレスコープ義歯

テレスコープ義歯とは、クラスプ(義歯を固定させるための金具、フックともいう)を使用せず、はめ込み式の維持装置を使った部分床義歯(部分入れ歯)のことです。ドイツで誕生したテレスコープ義歯は保険診療の義歯と違い、修理しながら長期間使い続けることができる義歯です。今回は、テレスコープ義歯の見た目や機能の特徴について詳しくみていきましょう。

(※)テレスコープ義歯(自由診療)についての説明が含まれております。またテレスコープ義歯の治療料金については、医院によって異なる為、診療予定の医院にお問合せください。

この記事の目次

どんな入れ歯?テレスコープ義歯の基本を押さえよう!

1-1 テレスコープ義歯の構造

テレスコープ義歯は、金属の内冠(ないかん)を被せた残存歯に、外冠(がいかん)を取り付けた義歯をはめ込んで使用します。構造が茶筒とふたのようになっているため、日本ではテレスコープ義歯のことを「茶筒式義歯(ちゃづつしきぎし)」とも呼んでいます。内冠と外冠が摩擦によりぴたりと吸着し、ゆっくりと力をくわえると外れやすいようになっていることが、テレスコープ義歯の特徴です。

 

1-2 テレスコープ義歯の歴史

テレスコープ義歯は、ドイツで1800年代後半に誕生した歴史ある義歯です。「良いものを長く使う」というものづくり大国ドイツの技術力がつまった義歯であり、1980年代には日本でも取り入れられましたが歯科医療として定着しませんでした。その後改良を重ね、現在では全世界で使われるほどになっています。

 

1-3 見た目と安定性を優先した、テレスコープ義歯

保険適用の部分床義歯(部分入れ歯)は、レジンと呼ばれるプラスチックでできた義歯床(ぎししょう)に人工歯が取り付けられ、金属製のクラスプで口内に固定させる構造になっています。そのため、口を開けると金属のクラスプが目立ち見た目が悪く、クラスプがゆるむと安定性が低くなるというデメリットがあります。テレスコープ義歯は、この二つの問題が改善された義歯です。クラスプを使わないため見た目が美しく自然なおさまりになり、はめ込み式の構造により高い安定性があり食事のときにしっかり噛めるようになります。ただし、テレスコープ義歯は製作の難度が高く、自由診療のため治療費が高額になります。また、金属冠を被せるために残っている健康な歯を削らなくてはいけません。

 

だから選ばれる!テレスコープ義歯がすぐれている四つのポイント

2-1 クラスプがないから見た目がきれい!

クラスプを使用した部分入れ歯では、口を開くと金具がどうしても目立ってしまいます。しかしテレスコープ義歯は、クラスプがないため義歯だということに気づかれないほど、自然な見た目を維持できます。

 

2-2 外れにくいから食事も楽しめる!

テレスコープ義歯は、内冠と外冠の摩擦力によって安定性を保っています。クラスプを使用した義歯に比べてガタつきがなく、固いものを食べても違和感がありません。もともとあった自分の歯のように食事を楽しむことができます。また、クラスプがないことで義歯の隙間に食べ物が入り込まないため、毎食後取り外して洗浄する手間がありません。

 

2-3 寝るときに外さなくても大丈夫!

義歯は、寝る前に外すことをすすめられます。理由は義歯と密着している粘膜を休ませるためと、就寝中に誤って飲み込んでしまうことを避けるためです。テレスコープ義歯は粘膜を圧迫するような義歯ではなく、寝ている間に外れる心配もないため、外さずに眠ることができます。入れ歯であることを忘れるほど付け心地が自然で、体の一部のように使うことができます。また、夜に急な災害があっても紛失する心配がありません。ただし、口内の清潔を保つために毎日お手入れする必要があるので、寝る前の洗浄は忘れずに行いましょう。

 

2-4 長い期間にわたり、修理しながら使い続けられる!

保険適用の部分入れ歯は、残存歯が抜ける、経年劣化でクラスプが折れるなど、口内環境の変化や破損によってそのつど作り直さなければなりません。テレスコープ義歯は、年月とともに口内環境が変化しても、修理をすることで長年の使用が可能になります。個人差はありますが、中には30年以上も大切に使い続けた方もいるほどです。ただし、内冠となる歯が抜けた場合や総入れ歯にする必要がある場合は、作り変えなければいけないこともあります。

 

残っている歯に合わせて選べる、三つのテレスコープ義歯

3-1 コーヌス・テレスコープ義歯

コーヌス・テレスコープ義歯は、別名をコーヌスクローネ義歯ともいいます。残存歯を削り金属でできた円錐型の内冠をかぶせ、義歯側には外冠を組み込み、両方をぴったりとはめ込み摩擦力によって義歯を固定させる仕組みになっています。コーヌス・テレスコープ義歯は内冠がひとつひとつ独立していることが特徴です。

 

3-2 リーゲル・テレスコープ義歯

棒状の金属でつないだものを並んだ歯の内冠として使用するのがリーゲル・テレスコープ義歯です。かんぬき(ドイツ語で「リーガル」)のようなとめ具を用いて脱着する構造で、高い安定性があります。コーヌス・テレスコープ義歯との違いは、内冠と外冠に維持力をかけないため、取り外しに抵抗がないという特徴があります。そのため神経のない弱い歯にも適用可能であり、周りの歯にも余計な負担がかかりません。

 

3-3 レジリエンツ・テレスコープ義歯

残存歯が片あごに対し3本以下の場合に適用されるものが、レジリエンツ・テレスコープ義歯です。残っている歯になるべく負担をかけないように、残存歯だけで義歯を固定させるのではなく、粘膜で義歯を支える構造になっています。見た目は総入れ歯ですが、残存歯を入れ歯にはめ込むことによって、総入れ歯より吸着力と安定性が増し、強く噛むことができます。また、万が一歯がすべて失われても、修理して総入れ歯に使うことが可能です。

 

まとめ

テレスコープ義歯は、入れ歯を装着しているのを忘れるほど自然な仕上がりで、食事も会話も普段通りに楽しめるほど使用感もよく、見た目のきれいさと安定性を兼ね備えている義歯です。また、しっかりと固定され外れにくいのに着脱がしやすいため、手入れがしやすく口内を清潔に保ちやすくなっています。ただし、健康な歯を削り金属冠を被せるには高い治療技術が必要であり、精巧な作りをしているため治療が受けられる歯医者さんが限られているのが現状です。まめなメンテナンスも必要です。また、自由診療のため費用も高額になります。テレスコープ義歯を検討するときは歯医者さんに相談して、費用や治療方法について確認をしてから、治療を進めるかどうかを判断しましょう。

副作用について

金属アレルギーの方には使用できない場合があります。
 

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監修日:2017年06月08日
飯田尚良 先生監修
経歴

1968年 東京歯科大学 卒業
1968年 飯田歯科医院 開院
1971年 University of Southern California School of Dentistry(歯内療法学) 留学
1973年 University of Southern California School of Dentistry(補綴学・歯周病学) 留学
1983年~2009年 東京歯科大学 講師
現在に至る

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