風邪をひいているわけではないのに、のどがイガイガする場合や、食べ物や飲み物を飲み込むときにのどが痛いなどのつらい症状がある場合は、のどにできた口内炎が原因の可能性があります。口内炎は頬の内側や唇の裏側などしかできないと思っている方も多いかもしれませんが、口内炎は「のど」にできることがあります。寝込むほどつらいわけではありませんが、のどの違和感が大きなストレスになることもあります。今回は、のどにできる口内炎の原因や予防法についてみていきましょう。
風邪をひいているわけではないのに、のどがイガイガする場合や、食べ物や飲み物を飲み込むときにのどが痛いなどのつらい症状がある場合は、のどにできた口内炎が原因の可能性があります。口内炎は頬の内側や唇の裏側などしかできないと思っている方も多いかもしれませんが、口内炎は「のど」にできることがあります。寝込むほどつらいわけではありませんが、のどの違和感が大きなストレスになることもあります。今回は、のどにできる口内炎の原因や予防法についてみていきましょう。
この記事の目次
口内炎とは、「口の中に起こる炎症」のことです。「のどは口の中の一部なの?」と思う方がいるかもしれませんが、のどの粘膜と口の粘膜はひとつながりになっているため、「のどにできるできもの」も、口内炎の一種とされています。また、扁桃腺炎(へんとうせんえん)で痛む扁桃(のどちんこの両脇にあるアーモンドのような形をした部位)にも、口内炎ができることがあります。
頬の裏側や舌、歯茎などにできる口内炎の多くは「アフタ性口内炎」とされ、同じようにのどにできる口内炎も「アフタ性口内炎」、または「カタル性口内炎」が多いとされています。
直径2~10ミリ程度で丸い形をしている、表面が白または黄色味を帯びた膜で覆われているできものです。痛みをともないます。
痛みを感じないケースが多く、口内の粘膜が赤く腫れ、赤い斑点ができたり、白くただれる、口臭が強くなるといった症状が現れます。
ウイルス感染が原因で起こる口内炎です。人に感染する恐れがあり、重症化することがあるため、病院できちんと治療を受ける必要があります。
・ヘルペスウイルス
小さな水ぶくれがたくさんできます。水ぶくれがつぶれて炎症を起こし、腫れあがることもあります。39度前後の高熱が出て、強い痛みをともなうこともあります。ヘルペスウイルスは大人になっても保菌していることが多いですが、通常は身体の免疫力とのバランスで特に症状には現れません。疲れて体力や免疫力が低下したり、風邪をひいて抵抗力が落ちたりした時に、唇と皮膚の境目にできる「熱の花」は同じ原因です。
・ヘルパンギーナ(コクサッキーウイルス)
ウイルスに感染して2~5日で口蓋垂(のどちんこ)から上あごにかけて水疱がたくさんでき、発熱をともないます。いわゆる夏風邪と呼ばれるもので、5歳以下の子供がかかりやすく、保育園などで集団感染することがあります。
ほかには、アレルギーによって起こる口内炎もあります。アレルゲンとなるもの(食物や金属)との接触により発症し、のどがむくむなどの症状が起こります。ひどくなるとむくみでのどが塞がってしまい、窒息など危険な状態になることもあります。
のどにできる口内炎は、口内の不衛生よって発症するケースが約半数といわれています。また、ストレスや疲れ、睡眠不足・栄養不足などによる免疫力低下、熱いものを食べてやけどをする、魚の骨がささって傷ついた粘膜に細菌が侵入するなどで起こる場合もあります。
アフタ性口内炎やカタル性口内炎は10日前後で自然治癒しますが、ウイルス性口内炎は重症化することがあります。また、あまりに長引く場合はほかの病気による症状の可能性もあるので、おかしいと思ったら早めに病院で診療を受けるようにしましょう。
のどに口内炎ができると、食べ物や唾液を飲み込むときに違和感や痛みが生じるため、日常生活に支障をきたすことがあります。そのため食欲が低下して体力が落ち、なかなか回復しなかったり、子供の場合は脱水症状などを起こし重症化することがあります。
また、できものがただれた場合や出血をともなう場合には、会話をするのがつらいほどの痛みが生じる場合もあります。なお、発熱をともなう場合は、ウイルス性口内炎である可能性があります。すぐに病院で診療を受けましょう。
乳幼児が発熱をともなうのどの口内炎にかかったら、それは「ヘルペス性口内炎」もしくは「ヘルパンギーナ」の可能性があります。生後6か月~5歳程度の乳幼児がかかりやすいと言われており、この時期の子供は自分で正確に症状を伝えることができないため、気づいたときは重症化してしまう恐れがあります。高熱が続き、口の中やのどに水ぶくれのような腫れが見られる場合は、一刻も早く病院で受診しましょう。
また、ウイルス性口内炎は大人にも感染します。大人になってからかかると乳幼児よりも症状が重くなることが多いといわれているので、子供がウイルス性口内炎になっているときには注意しましょう。
「ヘルペスウイルス」は接触感染、「ヘルパンギーナ(コクサッキーウイルス)」は飛沫感染する可能性がとても高いとされ、周囲の人への配慮が必要です。
接触感染を防ぐには、治癒するまではタオルなどを共用しないことが重要です。洗濯も別に行い、箸やスプーン、食器についても共用しないようにしましょう。
飛沫感染を防ぐには、おむつや下着の交換のときに、手に便がつかないよう注意し、手洗いやうがいを徹底する必要があります。また、咳やくしゃみで感染しないよう、マスクを着用しましょう。
日々の食生活を振り返り、口内炎になりにくい体を維持するよう心がけましょう。暴飲暴食はしていませんか?栄養は偏っていませんか?ここでは口内炎の予防に有効な栄養を紹介します。
・ビタミンB2
炎症を起こした粘膜を修復する働きがあります。不足すると口内炎だけでなく、肌荒れの原因になるともいわれています。レバーやうなぎ、乳製品や大豆などに多く含まれています。
・ビタミンB6
たんぱく質の素となるアミノ酸の合成を促進させる働きがあり、免疫力アップに一役買ってくれます。多く含まれる食べ物はナッツ類やかつお・まぐろなど赤身の魚、バナナなどです。
・ビタミンC
抗酸化作用が強く、免疫力を高める働きがあります。かんきつ類やいちご、アセロラなどの果物のほか、緑黄色野菜にも豊富に含まれています。
・ビタミンA
粘膜を健康に保ち、代謝を正常にするために不可欠な栄養です。あなごやいくら、乳製品やレバー、うなぎに多く含まれます。
食生活に加え、生活習慣を見直すことも大事です。ここでは、免疫力を高める生活習慣を紹介します。
・睡眠を十分にとる
個人差はありますが、7~9時間の睡眠は自律神経のバランスを保ち、免疫力を保持することにつながると言われています。
・朝日を浴び、朝食を抜かない
副交感神経と交感神経の切り替えがしやすくなるため、体内リズムが整い、免疫力アップが期待できます。
・湯船につかる
平熱が低いと、免疫力が下がるといわれています。湯船に入って体温を上げ、リラックスすることで免疫力アップが期待できます。なるべくシャワーですませず、きちんと湯船につかるようにしましょう。時間がないときは、足湯や半身浴でもかまいません。
そのほか、喫煙を控えることやよく笑うことは免疫力の低下を防ぐとされています。免疫力の強化を意識した生活を心がけ、口内炎になりにくい体をつくりましょう。
のどに口内炎ができてしまったら、なるべく早く病院で診療を受けるようにしましょう。口内炎と一言でいっても原因や種類はいろいろあります。例えば、ウイルス性口内炎になっているのに「寝不足のせいだ」と勘違いをして市販薬を使用していたら、回復するどころかより悪化してしまうかもしれません。。自分で判断するのは危ないことだと言えるでしょう。
のどの口内炎ができたとき、何科を受診すればよいのでしょうか。口の中だから歯医者さん?それとも粘膜の炎症だから皮膚科?実はどちらでも診療は可能です。また、内科でも問題ありませんが、一般的に口内炎は、耳鼻咽喉科が専門だといわれています。
ただし、すべての耳鼻咽喉科が口内炎の治療に対応しているわけではありません。受診前に問い合わせをして、診療が可能かどうかを確かめるようにしましょう。痛くてつらいのどの口内炎は、体からのヘルプサインかもしれません。暴飲暴食をせず、バランスのとれた食事をとり、疲れやストレスをためないなど、免疫力が低下しないような生活をするように心がけることが重要です。食生活と生活習慣の両方を整えて、口内炎の予防につとめましょう。それでものどの口内炎が発症し回復が遅いと感じたときは、放置せずできるだけ早く病院に相談しましょう。
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