口内炎には塩が効く、ハチミツが効くなど、「おばあちゃんの知恵袋」的なエピソードを聞いたことはありませんか?しかし実際のところ真偽はどうなのでしょうか。この記事では、これらの民間療法のやり方とその効果、それ以外でおすすめの治療法などを解説していきます。もしかしたら、あなたの対処法は間違っている可能性もあります。あなたが何度も口内炎を繰り返しているのなら、ここで正しい対処法を学んでおきましょう。
口内炎には塩が効く、ハチミツが効くなど、「おばあちゃんの知恵袋」的なエピソードを聞いたことはありませんか?しかし実際のところ真偽はどうなのでしょうか。この記事では、これらの民間療法のやり方とその効果、それ以外でおすすめの治療法などを解説していきます。もしかしたら、あなたの対処法は間違っている可能性もあります。あなたが何度も口内炎を繰り返しているのなら、ここで正しい対処法を学んでおきましょう。
この記事の目次
民間療法はおすすめしません。
塩を患部に塗ることで組織の内外で浸透圧の差が生じ、水分が外に出て歯茎などが引き締まることはあります。しかし、これは見た目だけ治ったように見えるだけであり、本当に治ったわけではありません。痕が残ったり治りにくくなってしまうリスクがあるので、まずは歯医者さんで適切な治療を受けることをおすすめします。
塩でのうがいは、うがい薬ほどではないにしろ、口全体の殺菌効果はゼロではないといえます。しかし直接患部に塗りこんでしまうと、炎症を治す菌までも殺してしまいさらなる悪化を招きかねません。また当然ですが、塩を患部に塗ると激しい痛みをともないます。これらの理由から、口内炎に直接塩を塗り込むのは避けたほうがいいでしょう。塩の結晶が患部を傷つける可能性もありますので、注意してください。
前述しましたが、塩やハチミツ、梅干しは、殺菌効果はあるものの、口内炎に効くかどうかは確かではありません。基本的には、殺菌力も薬のほうが高いので、確実に治すならお医者さんに相談して、薬を処方してもらうといいでしょう。もし薬を手に入れる事ができなかったり、お医者さんに診てもらう余裕がなかったりする場合は、何もしないよりは塩やハチミツ、梅干しを利用すれば患部の緩和につながるかもしれません。ただし、あくまで民間療法の補助的なものとしてとらえて、過信はしないでください。
ここからは、民間療法以外で、口内炎ができたら際の対処法を解説していきます。口内炎は軽視されがちで、そのまま放置することが多いものです。しかし、しっかりと初めのうちから対処すれば、症状を悪化させずに早期治療できる可能性があります。
口内炎を予防・治療するのに大切なのは、心身ともに健やさを保つことです。そのため、まずは規則正しい生活習慣で疲労を回復し、ストレス軽減のためにリフレッシュするようにしましょう。食事のバランスも考えて、ビタミン摂取などもしっかりと行えば、口内炎になりにくいライフスタイルが作れるでしょう。
最近では、口内炎の市販薬も様々な種類があります。ジェルタイプの塗り薬、スプレータイプの薬、パッチタイプの貼り薬などさまざまあるため、自分にあった使いやすいものを選ぶといいでしょう。民間療法の塩やハチミツ、梅干しは殺菌効果はあるものの口内炎を治療する成分が入っているわけではありませんので、もし病院へ行けないのであれば、身近なドラッグストアや薬局などで市販薬を買うようにしてください。
口内炎で病院!?と思うかもしれませんが、早く治したいなら診療を受けるべきです。歯科口腔外科や内科などで診てもらえるので、ぜひ、お近くのかかりつけ医に診てもらってください。また、2週間以上経っても治らない口内炎は、ガンなどの他の病症である可能性があります。「口内炎くらいで…」と、軽視せずに、早めにお医者さんを受診するようにしましょう。
一般的な薬に抵抗があるのなら、漢方薬に頼ってみてもいいかもしれません。薬には違いありませんが、体質改善などもできるので、何度も口内炎を再発している人にもおすすめです。
以下の漢方が、口内炎治療でよく使われる漢方です。漢方はお医者さんでも処方してもらえるところがあります。口内炎に悩んでいるのなら、お医者さんの診療を受けながら漢方を処方してもらってもいいですね。
・茵蔯蒿湯(いんちんこうとう)
古くは黄疸の改善に使われてきた漢方薬です。皮膚のかゆみや湿疹、蕁麻疹などに用いられることが多く、口内炎の治療にも用いられます。
・黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
胃炎、不眠症などに処方されることのある漢方は、皮膚のかゆみや口内炎などにも用いられます。胃腸が弱っている場合は、こちらの漢方を飲めば口内炎と合わせて改善が見込めるかもしれませんね。
・半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
胸焼け、下痢などの症状に処方される薬ですが、口内炎にも用いられます。みぞおちに違和感があったり、消化不良などを併発しているなら、こちらの漢方が役立ちます。
・黄連湯(おうれんとう)
食欲不振や胸焼けなど、こちらも胃腸の不調を感じる際に用いられる漢方です。口内炎にももちろん効果があります。
・温清飲(うんせいいん)
肌が乾燥していたり、皮膚炎があったり、ひどい生理痛などに悩まされている人は、こちらの漢方もおすすめ。女性ホルモンなどの乱れが著しく、それらが原因で口内炎ができているのならこの漢方薬が助けになります。
・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
疲れやすい方や、疲労感によって食欲が減退している場合は、こちらの漢方がおすすめです。免疫が低下していることによって口内炎ができているのなら、こちらの漢方薬を選んでみてはいかがでしょうか。
・六君子湯(りっくんしとう)
胃腸が弱く、食欲不振になっている場合は、こちらの漢方で改善を。胃腸の弱りと栄養の偏りは口内炎を発生させやすく、悪化させやすいですので、こちらの漢方で口内炎のもととなる原因を断ちましょう。
口内炎に塩は効果があるのかについて解説しました。効果はゼロとまではいえませんが、やはりどんな民間療法でも薬でも、まずは口内炎にならない生活習慣を確立することのほうが大切です。薬を飲めば治るから…と、生活習慣をおざなりにするのはよくありません。
民間療法も病院での治療も、漢方薬の使用も、すべては生活がきちんとしていてこそ効果のあるものだと認識しましょう。また、口内炎がなかなか治らない場合などは、民間療法だけに頼るのではなくお医者さんにきちんと相談を。放置することのないようにしてください。
【今日、求めていた歯医者さんが見つかる】
歯科医歴:11年
出身校:東京歯科大学