【医師監修】舌を全摘出?口内炎に似ている怖い舌の癌とは

舌癌の治療は、外科手術による癌の切除が治療の基本となりますが、舌を切除すると聞くと、ちょっと怖い気がしますよね。しかし、他の癌と比べると発症率が低く、主に舌の表面に異常が見られるので早期の発見がしやすいものです。この記事では舌癌の主な特徴をはじめ、歯科口腔外科などで一度診てもらうべき初期症状、舌癌の主な治療法などについて、詳しくご紹介いたします。

 

舌癌の治療は、外科手術による癌の切除が治療の基本となりますが、舌を切除すると聞くと、ちょっと怖い気がしますよね。しかし、他の癌と比べると発症率が低く、主に舌の表面に異常が見られるので早期の発見がしやすいものです。この記事では舌癌の主な特徴をはじめ、歯科口腔外科などで一度診てもらうべき初期症状、舌癌の主な治療法などについて、詳しくご紹介いたします。

 

【医師監修】舌を全摘出?口内炎に似ている怖い舌の癌とは

この記事の目次

1章 口腔癌でもっとも多い舌癌とは?

日本人の口腔癌の発症率は、体全体の癌の中ではおよそ1%から3%程度と低いものですが、発症する部位が部位だけに、口内に違和感がある場合には不安に感じるかたも多いことでしょう。ここでは、口腔癌の中でももっとも多い、舌の癌の特徴についてご説明します。

 

舌癌は口腔癌のおよそ4割を占める

口腔癌は歯科口腔外科で扱う分野の1つですが、一言で口腔癌といっても、歯肉にできるもの、頬粘膜にできるもの、唇や顎の裏側にできるものなどさまざまな部位に及びます。舌癌はその名の通り舌にできる癌で、口腔癌全体の中ではおよそ4割を占め、もっとも多い疾患となります。

 

初期は口内炎と似ています

口腔癌の初期症状は、自分では口内炎と思い込んでしまうことが多いものです。特に、治りにくい口内炎がある場合には舌癌の疑いもあると考え、早目の診察を受けることが得策です。初期症状の詳細については、2章でご紹介します。

 

癌の全般的な特徴

舌癌も体の他の部位と同様に、すべての癌に共通する4つの特徴があります。それは異常増殖と浸潤と転移の3つです。良性腫瘍にも異常増殖が起こりますが、浸潤と転移は悪性腫瘍の特徴であり、癌の危険性はこの性質によるものです。

・できやすい場所

初期症状が口内炎に似ていることをお伝えしましたが、舌癌の場合舌先にできることはほとんどなく、舌の少し奥の側面に好発する傾向があります。

 

・異常増殖

体の細胞は、新陳代謝を繰り返しています。新しい細胞は古い細胞に取って代わるものの、胃なら胃、皮膚なら皮膚と、その部位に応じた成長をするものです。しかし、癌細胞の成長は無秩序で、その部位にあるべき規則性や方向性などに従わず異常な増殖を繰り返し、その部位の機能を次第に損なっていきます。

 

・浸潤

正常な細胞は、他の細胞の領域を冒さずに成長します。つまり、各部の細胞どうしそれぞれの境界を守っています。しかし、癌細胞はこうした境界を無視して拡大していきます。これを浸潤といいます。癌細胞は、その部位だけでの異常増殖にとどまらず、近接した細胞を冒していきます。また、癌と正常な細胞との境界が分かりにくく、入り組んでいることも多いものです。

 

・転移

浸潤が進行すると、その組織の血管やリンパ管にも癌細胞が入り込みます。そして、血流やリンパ管を通じて、他の組織にも癌が飛び火していきます。これを転移といいます。浸潤や転移を防ぐためにも、癌は早期発見が治療の大きな要となるのです。

 

舌癌のステージ

下記にご紹介するのは、舌癌だけでなく、口腔癌全般にも当てはまるステージとなります。腫瘍の大きさで分かる通り、口内炎かな? と思う程度の大きさや初期症状であれば、早期の治療で身体への負担を少なく抑えることができます。

 

・Ⅰ期
2センチ以下の腫瘍でリンパ節の転移なし

 

・Ⅱ期
腫瘍は2センチ以上4センチ以下で、頸部リンパ節に転移なし

 

・Ⅲ期
4センチ以上の腫瘍で、3センチ以下の頸部のリンパ節転移あり

 

・Ⅳ期
腫瘍が口腔内に浸潤し、3センチから6センチのリンパ節転移あり

 

 

2章 舌癌のさまざまな初期症状を見逃すな!

舌癌のもっとも初期の症状は、口内炎かな? くらいの程度となります。おそらく、誰でも危険だとは思わずに見過ごしてしまいがちです。しかし、初期症状を見逃さないことが、舌癌の早期発見につながります。具体的な症状をご紹介しましょう。

 

最初は口内炎と間違えやすい

最初は口内炎かな? と思っていても、もし2週間以上治らない場合には、口腔癌を疑ってすぐに検査してみるべきです。他に、舌癌の初期症状としては、触れると固く感じるしこりになっていたり、赤や白いできものになっていたり、潰瘍のようにただれていたり、出血する場合もあります。口内に感じる違和感としては、しびれや麻痺した感覚や、味覚の鈍化、歯などに触れると痛むといった症状が上げられます。

 

・固いしこりがある
患部を触ってみた時に、固いしこりを感じたり、これまでの口内炎とは違う芯のようなものがある場合には舌癌を疑ってみるべきです。

 

・赤や白の斑点がある
舌癌だけでなく、口腔癌の特徴として、赤斑や白斑などが見られます。自分では、ちょっと舌が荒れている程度にも見えるかもしれませんが、口腔癌は歯医者さんで見つかるケースも多く、その見た目でも判別しやすいものです。

 

・潰瘍のようなただれがある

口内炎のような見た目では、自分で判別しにくいものですが、ただれたようになっている場合もあります。ただれた状態が長く続いているようであればすぐに診てもらうべきです。

 

・しびれや麻痺した感じがする

舌の神経細胞が冒されている場合には、舌に痺れるような感じや麻痺する感じがあります。それは味でも分かります。最近、味覚が変わってきたと感じるのであれば診察が必要です。

 

・触れると痛む

口内炎も同様に触れると痛むものなので、自分で判別するのは難しいところがあります。しかし、2週間以上治らない口内炎で、触れると痛み、しこりがあるといった場合には、舌癌を疑い、歯科口腔外科での診察をすべきです。

 

3章 舌癌の治療法について

腫瘍の摘出手術が基本

舌癌の外科治療を想像するとちょっと怖いものですが、早期のチェックに臨む1つのきっかけと考え、是非とも知っておきたいところです。舌癌も他の癌と同様に、外科手術による腫瘍の摘出が基本となります。腫瘍の範囲に応じて、切除する範囲も広がっていきます。癌の範囲が狭ければ、舌の部分的な切除となりますが、癌が大きくなるにつれて、舌の半切除(舌の半分を切除)や、場合によっては舌の全摘出などもありえます。

完治することは、癌の中でも比較的容易ではありますが、舌の一部もしくはすべてを失い、外科的侵襲を受けることにより、生活の質(QOL)がきわめて低くなってしまう恐れがあります。このような外科的侵襲を最小限に抑えるためには早期発見、早期治療が必要です。少しでも疑いがあれば早めの受診をしましょう。

 

放射線治療と化学療法

浸潤が大きい場合や、転移が見られる場合には、患部の摘出手術と組み合わせて、放射線治療や抗がん剤を使った化学療法を併用します。初期の癌であれば、切除を行わず放射線の照射で治療することもあります。化学療法を併用するのは、手術前に腫瘍の活動を軽減したり、転移の可能性のある場合となります。

4章 早期発見のために歯科口腔外科ですぐ検査しよう!

 

舌癌をはじめ口腔癌は、口内の表面組織にできることが多いものです。従って、専門の医師が見ればすぐにある程度判別できるものであり、内蔵などの癌と比べて早期発見しやすく、歯医者さんでの治療中に見つかるケースも多いものです。ここでは、舌癌の主な検査についてご紹介します。

 

視診・触診

見た目の状態を見る視診や、触った感触で判別する触診が、舌癌の最初の診察となります。これにより、赤班や白斑、ただれ、しこりなどの状態を見て、癌の疑いがあるかどうかをチェックします。舌癌は他の内臓系の癌と違い、こうした初期のチェックで判別しやすい癌といえます。早目のチェックによって、より早いステージでの治療が可能となります。

 

細胞診・組織生検

視診や触診によって、癌の疑いが認められた場合には、細胞を採取して顕微鏡を使った組織の検査を行います。これにより、良性の腫瘍か悪性の腫瘍かを、正確に見極めることができます。

 

CTやMRI検査

目で見たり触ったりして異常が認められる場合には、細胞の検査で癌であるか特定できますが、治療にあたっては、浸潤がどの程度か、転移が見られるかといった精密な検査も必要です。CTやMRIといった装置を使って、舌癌の進行度を的確に把握します。CTやMRIはリンパ節転移の度合いや、切除する適切な範囲を決めるためにも使われます。

 

まとめ

舌の半切除や全摘出といった手術を想像すると、ちょっと怖くなりますが、こうした事態を避けるためにも、早期のチェックが肝心です。口腔癌をはじめ舌癌は、組織の表面にできるものなので、癌の疑いがあるかどうかすぐにチェックできるものです。2章でご紹介したような症状があるなら、心配しすぎだとは思わず、念のためなるべく早くに診断してもらうことをおすすめします。早期であれば、小さい範囲の切除で済みますし、後遺症も少なく、生存率もずっと高くなります。

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