赤い? 白い? 痛い? 口腔粘膜の異常のあれこれを詳しく知ろう

口腔粘膜の異常というと、誰しも白くポチッとできる口内炎は経験するものです。しかし、口内炎にもさまざまな種類がありますし、口内に発症するウイルス性の疾患で全身症状をともなうものもあります。
また、口腔粘膜の異常を広く捉えれば、口腔癌もその1つとなります。この記事では、いろいろな口内炎の種類をはじめとして、ウイルス性疾患、良性腫瘍、口腔癌まで幅広くご紹介します。
ただし、自分で診断しようとはせず、早期に歯科口腔外科で相談するための1つの足がかりとしてください。

 

赤い? 白い? 痛い? 口腔粘膜の異常のあれこれを詳しく知ろう


この記事の目次

1章 主な口腔粘膜の疾患

口腔粘膜の異常は、大きく分けて3種類あります。口腔粘膜疾患、ウイルス性の疾患、そして口内の腫瘍です。口腔粘膜疾患とは、舌、唇、頬の内側など、口内の軟組織に発症するもので、下記のようなものが上げられます。

 

口内炎

口内炎は、唇や頬の内側、舌など、口内の粘膜にできる炎症です。口腔粘膜は、細菌や埃などから口内を守る働きがありますが、主に細菌などが粘膜に入り込んだり、誤って口内を噛んでしまうといった外的な損傷でも、口内炎を引き起こします。口内炎は、口内の炎症を広く総称するもので、さまざまな種類があります。

 

・アフタ性口内炎

口内炎の中で、もっとも一般的なのがアフタ性口内炎です。小さくポチッとできる白い円形の潰瘍で、赤く縁取られた見た目になっており、触れたり、食べ物が接触する時に、しみるような痛みを感じます。特定の原因は不明ですが、ビタミン不足やストレスなどで発症しやすいと言われています。

 

・ウイルス性(及び細菌性)口内炎

ウイルス性口内炎は、ヘルペスウイルスや、梅毒、淋病、クラミジアなどの性行為感染症などによって発症する口内炎です。アフタ性口内炎と違い、患部は水ぶくれのようになり、上皮が破れると潰瘍が現れます。
強い痛みが生じるほか、発熱などの全身症状も見られます。ウイルス性の粘膜疾患については、2章で詳しくご紹介します。

 

・アレルギー性口内炎

食べ物や金属など、特定のアレルゲン(アレルギーを引き起こす物質)によって引き起こされるのがアレルギー性口内炎で、口内の粘膜が広くただれるといった症状があります。また、特定の食べ物が口内に触れただけで、アレルギー症状を引き起こす口腔アレルギーもあります。

 

・カタル性口内炎

自分の犬歯や義歯、矯正器具など、主に物理的な刺激によって発症するものがカタル性口内炎です。アフタ性口内炎と異なり、刺激を受けた部分が広範囲に炎症を起こします。炎症部分は、赤い斑点状にただれることが多く、ひび割れてしまうこともあります。

 

・カンジダ性口内炎

カンジダ性口内炎は、カンジダ菌が増殖することが原因で発症します。舌や頬などに発症し、患部の表面は白く苔状のものに覆われます。白い苔を剥がすと粘膜が赤く炎症しているのが見られ、そこから出血する場合もあります。
症状が進むと、苔が強く付着して剥がれにくくなります。カンジダ菌はいつも口内にある常在菌ですが、口内の衛生状態が悪いとこうした疾患を招きます。口腔カンジダ症ともいわれています。

 

白板症

白板症は、カンジダ性口内炎と同様に患部の表面が白くなりますが、粘膜が角質化し、こすっても剥がれないものです。頬の内側や舌、歯肉などに見られますが、白板症の一部は前癌病変と言われ、悪性化して癌になるリスクがあります。接触すると痛みを感じ、飲食物がしみることもあります。

 

紅板症

紅板症は口腔粘膜にも発症しますが、主に舌や歯茎に発症します。その表面は鮮やかな赤色で、ビロードのように滑らかな表面になります。その5割程度が悪性化するリスクがあり、白板症とともに、癌の前段階の病変とされています。

 

扁平苔癬

扁平苔癬(へんぺいたいせん)は、頬の粘膜に発症することが多いものですが、舌や唇の裏側などにも発症することがあります。レース模様のように粘膜が白く角質化し、その周囲が赤くなるのが特徴です。
そして、潰瘍(粘膜のえぐれた状態)を起こしたり、接触すると痛むようになります。難治性の疾患で、自己免疫疾患や代謝障害、遺伝的なものなどさまざまな原因が考えられます。

 

口腔乾燥症

近年、患者さんが急増しているのが口腔乾燥症で、別名でドライマウスと言われています。唾液の分泌量が減ることによって口内が乾いた状態になり、口内環境を悪化する大きな要因にもなります。
唾液の減少には、良く噛まない食生活や水分の不足、大量の発汗や多尿、口呼吸、抗ヒスタミン薬や降圧剤、向精神薬の副作用など、さまざまな原因があります。
加齢による変化や時にはシェーグレン症候群という全身的な病気の一つの症状である場合もあります。女性に多いのも特徴です。

 

 

2章 ウイルス性の口腔粘膜疾患

ウイルス性の口内炎は、口腔粘膜に見られる症状だけでなく、発熱などの全身症状が見られるのが特徴となります。主なウイルス性の口腔粘膜疾患は下記のとおりです

 

ヘルペス性口内炎

1章でご紹介したウイルス性口内炎の1つが、ヘルペス性口内炎です。主に子供に見られる疾患で、口の中にはたくさんのアフタ性口内炎が発症し、歯肉が赤くなったり、腫れたり、びらん(粘膜の浅いえぐれ)なども見られます。口内の炎症は触ると痛み、症状が重くなると、話したり、飲み込んだりするのも難しくなります。全身症状としては、発熱やだるさがあります。

 

帯状疱疹

帯状疱疹(たいじょうほうしん)とは、水ぼうそうのウイルスが引き起こす疾患です。子供の頃にかかった水ぼうそうのウイルスが神経に残っており、体力が弱まって活性化すると帯状疱疹が発症します。このウイルスは神経に沿って広がる性質があり、顔面では三叉神経に沿って口内や皮膚などに水疱を作りますが、体の左右どちらか一方に広がるのが特徴です。激しい痛みがあり、重症化すると入院の必要もあります。

 

手足口病

手足口病はその名の通り、手と足と口に、水ぶくれのような発疹が見られます。咽頭結膜熱(プール熱)や、後述するヘルパンギーナと並ぶ子供の3大夏風邪の1つで、5歳未満の子供が患者のおよそ8割を占めています。全身症状は比較的軽いものですが、口内炎の痛みで飲食がしにくくなります。特に、夏場は脱水しやすいので注意が必要です。

 

ヘルパンギーナ

手足口病と同じく子供の3大夏風邪の1つですが、大人が発症することもあります。口内には、喉の赤い腫れや、たくさんの水疱が見られます。口内の水疱は3日程度でつぶれて、黄色い潰瘍(粘膜のやや深いえぐれ)となります。全身症状としては高熱が1日から3日程度続きます。手足口病と同様に口内が痛むので、夏場の脱水症状には要注意です。

 

3章 口内のできものや口腔癌

1章、2章では、口腔粘膜の疾患について詳しくご紹介しましたが、口内の疾患には腫瘍もあります。厳密に言うと口腔粘膜の疾患ではありませんが、腫瘍の多くは粘膜の表面に見られるものなので簡単に触れておきましょう。

 

良性腫瘍

口内の良性腫瘍は、頬粘膜や舌、口唇、歯肉、口蓋(顎の上部分)、口腔底(顎の下部分)など、あらゆるところに出来る可能性があります。いわゆる口内のできものです。
良性なので、浸潤(周囲の異なる組織に広がること)や転移(血管やリンパ管を通じて他のところに広がること)することはありませんが、大きくなると周辺の組織を圧迫したり、痛みを生じたり、飲食や発話の障害にもなり得るので、歯科口腔外科での早目の対処が望ましいと言えます。
口内の良性腫瘍には、軟組織(口内の柔らかい組織)に発症する線維腫、血管腫、唾液腺腫や、歯原性腫瘍(歯を作る元となる細胞の成長異常)などが上げられます。

 

口腔癌

口腔癌は、唇や頬、舌、歯肉、口底、口蓋など、お口の粘膜の上皮(表面部分)に発症します。その初期はアフタ性の口内炎などと間違えやすいものですが、アフタ性口内炎とは違い自然には治らないものです。
発症する部位やその進行度によって、見た目の特徴もさまざまで、白斑状であったり、肉芽(肉が盛り上がったような小さな突起)、腫瘤(しこりのような固まり)、びらんや潰瘍などがありますが、いずれも見た目が汚く見えるものです。
良性腫瘍との違いは、他のあらゆる癌と同じく浸潤と転移が見られることです。口腔癌は、すべての癌の中では1%から3%程度と発症率が低いものですが、気になるできものがあれば早期に歯科口腔外科で診てもらうべきです。

 

 

4章 こんな症状があれば歯科口腔外科へ!

口内炎を始めとした口腔粘膜の異常について、さまざまな症状とともにご紹介してきましたが、ここで改めて異常と認められる症状についてまとめておきましょう。

 

見た目の異常

・粘膜が赤い
・粘膜が白い
・粘膜が黒い(悪性黒色腫や黒毛舌)
・粘膜に水疱がある
・白や赤の斑点がある
・苔状のものが付着している
・角質化している
・粘膜に出血がある
・びらんや潰瘍(粘膜のえぐれ)がある
・ただれがある
・ひび割れがある
・腫れがある
・固いしこりがある
・突起のような盛り上がりがある

 

口内に感じる異常

・口内の乾き
・口内のねばつき
・味の異常がある
・舌がピリピリする
・患部を触ると痛い
・飲食物がしみる
・発話しにくい
・飲み込みにくい

 

 

まとめ

口内粘膜の異常として考えられる疾患を幅広くご紹介しましたが、似たような症状だからと自分で診断を下して安心したり、逆に必要以上に不安になったりしないようにしましょう。元々の口内の色や状態、疾患の進行度などによっても、人それぞれ見え方が変わるものですし、症状はあくまで1つの参考としてとらえ、気になるようであれば、できるだけ速やかに歯科口腔外科で専門医に診てもらうことが肝心です。

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