口臭の原因は、一つではありません。歯磨きをすれば解消されるというものでもなく、口臭はさまざまな原因で発生します。ケアが行き届かないことで口臭がすると考えがちですが、実は意外なことも原因となります。場合によっては、怖い病気が隠れていることもあるため、口臭の原因はきちんと突き止めることが大切です。この記事では、それぞれの原因に対応する効果的な口臭ケアの方法を紹介していきます。
口臭の原因は、一つではありません。歯磨きをすれば解消されるというものでもなく、口臭はさまざまな原因で発生します。ケアが行き届かないことで口臭がすると考えがちですが、実は意外なことも原因となります。場合によっては、怖い病気が隠れていることもあるため、口臭の原因はきちんと突き止めることが大切です。この記事では、それぞれの原因に対応する効果的な口臭ケアの方法を紹介していきます。
この記事の目次
口臭が起こる原因の一つは、口内に雑菌が繁殖することです。具体的には、以下のような理由で起こります。
・唾液の分泌が減って殺菌作用が得られないとき
・歯垢や歯石などが溜まっているとき
・虫歯や歯周病があるとき
・口呼吸などで、口が渇きやすい状態になっているとき
この中でも、特に多いのが口が渇いた状態、ドライマウスです。唾液には殺菌作用があるため、口内の量が十分であれば、口臭は抑えられます。つまり、唾液の分泌が減ることが、口臭発生の引き金になるのです。
唾液が減る原因としては、
・食事を抜くなどのダイエットをしている
・カフェインやアルコールの過剰摂取
・喫煙
・水分摂取量が少ない
・加齢
・風邪や病気
などが考えられます。
食事を抜くと咀嚼回数が減って唾液の分泌が減ることが分かっています。他にも、カフェインやアルコールの過剰摂取、喫煙によっても唾液の分泌は減ります。唾液は水分で構成されていますので、水分摂取量が少なければ唾液を出すことができません。加齢風邪などによっても唾液の分泌は減ってしまいます。
唾液はしっかり出ている、歯を磨いている、それなのにまったく口臭が消えない…。そんな場合は病的口臭かもしれません。病的口臭とは、呼吸器や消化器官などに何らかの疾患があることが原因で、口臭を発生させている状態のことです。
虫歯や歯周病も臭いの根源になるので、病的口臭の一つです。病的口臭の場合は、重い病気が隠れている場合があるので軽視はできません。
にんにくなど、ニオイが強い食材を食べると、どうしても口臭がきつくなります。これは、口の中に残っているカスが臭うわけではありません。にんにくは、とても強い匂いの成分を含んでいます。
胃の中へ入り消化される段階で血中ににおい成分が取り込まれ、その血液が肺に届き、吐く息が臭くなるのです。他にも、アルコールや喫煙なども口臭の原因となります。
においにより周囲に不快感を与える「スメルハラスメント」の意識の高まりにより、最近では口臭ケアグッズもさまざま増えています。しかし、それらを使いすぎると、逆に口臭が悪化する恐れがあることをご存じでしょうか?
例えば、多くの人が手軽に取り入れているガムは、フルーツの味がするなどいろんな香料が含まれています。こういった香料が含まれるものは、口臭をかき消してくれると思われがちですが、もともとの口臭と混ざってさらに悪臭を放つ可能性がゼロではありません。
そもそもの口臭が歯垢や舌苔で起こっているなら、それらの根本原因を取り除くことが最優先です。間違った対策は、むしろ口臭を悪化させるリスクがあることを覚えておきましょう。
コーヒーを飲む習慣も口臭を招くことがあります。これは、コーヒーの酸が口の中を酸性にしてしまい、バクテリアが増えやすい状況を作るためです。
また、お腹がすいた状態でコーヒーを飲めば、胃を傷める原因になります。胃が不調となれば消化不良を起こし、そのために消化しきれなかった食べ物が腐敗臭を発することもあります。
唾液の分泌が増えれば自然と口臭は抑えられます。唾液の分泌を増やすには以下の方法がおすすめです。
・ガムなどを噛んで咀嚼回数を上げる
ガムなどを噛むことで、唾液腺が刺激され唾液量が増加します。
・緊張をほぐすためのリラックスタイムを設ける
人はストレスを感じると唾液の分泌量が減ります。緊張する場面などで、口の中が乾燥してネバネバしていると感じた経験もあるのではないでしょうか。逆にリラックスしているとサラサラした唾液が分泌されます。
そのため、なるべく気持ちを落ち着かせて、唾液の分泌が減るのを防ぐようにしましょう。
・水分をこまめに摂取する
液体のように分泌される唾液は、水分摂取量が減っては分泌されにくくなります。こまめに水分を摂取して、唾液が分泌されやすい状態を意識的に保ちましょう。
・鼻呼吸を意識する
口呼吸の癖があると、口の中が渇きがちになります。そうなると、たとえ唾液が適切に分泌されていても意味がなくなってしまいます。極力、鼻呼吸を心がけましょう。鼻づまりの改善や、口周りの筋肉を鍛えることも有効な対策となります。睡眠時に口があいてしまう場合は、マウスピースによる治療も活用しましょう。
・耳下腺などをプッシュする
耳下腺という、耳の下にあるくぼみをぐるぐるとマッサージしてみましょう。すると、唾液の分泌が促されます。
ここでは、食材や飲みものなどでできる口臭対策をご紹介します。
・緑茶やココアなど(ポリフェノール)
ワインやココアなどに含まれるポリフェノールには、抗酸化作用があり口臭予防に有効です。さらに緑茶であれば、殺菌作用もあるので、口臭予防には一石二鳥です。
・魚や卵黄(ビタミンD)
ビタミンDは抗酸化作用の高い栄養素です。魚や卵黄、キノコに多く含まれます。カルシウムの吸収を良くするため、歯が丈夫になり、歯周病などの予防につながります。これが間接的に、口臭予防につながっていきます。
・梅干し(アルカリ性の食品)
レモンや緑黄色野菜など、アルカリ性の食品はバクテリアを増やす酸性を中和させます。よって、口臭予防にも良い働きが期待できます。
・ヨーグルト(乳酸菌)
乳酸菌が口の中の悪玉菌を抑制します。歯周病予防にもいいヨーグルトは、口臭にも効果的です。
もし、どうしてもにんにくを食べたいという方は、食後に緑茶を飲んだり、りんごを食べると口臭予防になります。
上で紹介したような食材であっても、砂糖を使用したものを口にするのは、口臭予防には逆効果になります。とくに砂糖は虫歯を促進するので、口臭がひどくなるリスクをともないます。ヨーグルトや緑茶などは、砂糖を入れずに口にするのがおすすめです。
通常の歯磨きはもちろん、フロスなどを使った歯間ケアもしっかりと行いましょう。口臭の原因である歯垢をしっかり除去することが、口臭予防にはとても重要です。
虫歯や歯周病は、いわば菌の固まりを保持した状態です。このような菌の繁殖が臭いの原因となるため、まずは虫歯や歯周病をしっかり治療することが口臭治療の第一歩です。
歯磨きでは落ちない歯垢や歯石を、歯医者さんで取ってもらうのも有効な口臭対策となります。マウスピースと薬品を使用した口臭予防など、より医学的に対処してもらえます。
専門的な歯のクリーニングである「PTMC(プロフェッショナルクリーニング)」を定期的にすれば、より歯と歯茎を健康に保つことができ、結果的には口臭予防につながっていきます。
虫歯や歯周病は口臭の原因の一つです。大きな痛みなど問題がなくても、半年に一度は定期健診に通って、適切な処置をしてもらいましょう。口内の健康を保つことが、そのまま口臭対策になります。
なかには、口臭外来を行っている歯医者さんも存在します。口臭外来では、専用の機器を使った測定や生活習慣・歯磨き指導なども行ってくれます。より専門的な口臭治療を受けたい方に適しています。口臭対策は、まずはデンタルケアが基本になります。基本をおろそかにして口臭予防だけをしても意味がありません。ミントのタブレットやガムを噛んだとしても、口臭の原因そのものに対して働くわけではなく、一時的な対策にすぎないのです。
もし口臭がひどいなら、歯科口腔外科や口臭外来などを受診すると、医師が口臭の原因を正確に調べてくれます。その原因を受けて的確な治療をアドバイスしてくれるので、慢性的に口臭が気になる方は、一度相談してみてはいかがでしょうか。
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歯科医歴:11年
出身校:東京歯科大学