口臭は病気のサイン?みんなが知らないと怖い口臭の話

口臭は病気のサイン?みんなが知らないと怖い口臭の話

実は、口臭の中には、病気が隠されているかもしれないのをご存知ですか?きちんと口臭の原因を突き止めたら、すぐにでも治療しないといけない病気だった…ということもあり得るわけです。この記事では、病気のサインである口臭の特徴と、その対応策などをご紹介します。口臭ケアはミントのタブレットやガムでするものと思っている人もいるかもしれませんが、病院でも治療するものだと、認識を改めていただければと思います。

 

この記事の目次

内臓の病気からくる口臭の特徴とは

胃がんなどの消化器系

胃腸は口臭と関係があるとよく言われます。特に胃がんや食道気管支瘻、食道ヘルニアなどがあると、肉の腐ったような腐敗臭や硫黄臭が発生します。ニオイの他には、胸焼けしたり、胃に痛みを感じるなどの特徴があり、ムカムカしたりゲップするなどの症状が出ることも…。

胃からくる口臭の場合は、胃の内容物が消化不良できちんと消化されず、腐敗することで発生します。お腹の中で腐敗するとそのニオイが血液中に溶け込み、肺に届けられ、呼気にまで影響を及ぼすと考えられています。

内臓からのニオイは空気を伝って口臭として表れるのではなく、血液中に溶け込んで、肺から出てくるときに発せられるものがほとんどです。

 

肺がん、肺結核などの呼吸器系

肺腫瘍や肺結核、気管支拡張症等などの呼吸器の病気も口臭に表れます。ニオイの特徴は、こちらもお肉が腐ったようなニオイがします。他の症状としては、痰などが出ることがあります。器官に痰や膿が絡まりやすい場合は、それが口臭としてニオイを発している場合も。

 

肝臓がんなどの肝機能障害

肝硬変、肝臓がんも口臭がします。特徴は、アンモニア臭であることが多いです。肝臓は肉や魚、アルコールや糖質など、さまざまなものを代謝しています。しかし、肝機能が低下すると代謝できず、口臭として表れます。

ひどい人では、口臭だけでなく体臭にも表れるため、すれ違ったりするだけでも他人に不快感を与える可能性が。肝硬変や肝炎など、症状が重ければ重いほどニオイがきつくなる傾向にあります。

 

扁桃炎や咽頭がん、副鼻腔炎等

耳鼻咽喉科で見てもらう疾患、例えば副鼻腔炎なども口臭に関係する病気です。その他、扁桃炎や咽頭がん、副鼻腔がんなども口臭に表れる病気です。これらの疾患があると、肉の腐ったような、生臭いニオイがします。

通常口臭はなかなか自分で自覚できませんが、副鼻腔炎の場合は膿が溜まりますので、自分でも自覚が持てる場合があります。副鼻腔炎等の場合は他人にはあまり気づかれることはありません。一番口臭に不快感を感じるのは自分自身です。

 

腎不全などの腎機能障害

腎機能が低下している場合は、魚のくさったようなニオイがします。アンモニア臭やおしっこのようなニオイがすることもしばしばです。腎機能が低下すると、高血圧、発熱などの別の症状も出てきます。こうなると水分コントロールができず、唾液の分泌量も減り、その結果口臭が発生することも。

 

糖尿病

糖尿病も口臭を発生させます。りんごが腐ったような、甘酸っぱい匂いが特徴です。口臭以外の特徴としては、尿、脇汗や足の裏など、体臭も甘酸っぱくなることがあります。

硫黄臭に比べれば不快感が少なく、軽いと気づきにくいかもしれませんが、糖尿病が悪化すればするほどニオイが強まることも。

 

カンジダ菌の感染

カンジダ菌が咽頭や気管支、肺などに感染すると、ツンと酸味のある焦げたようなニオイがします。

カンジダはカビの一種ですが、普段はとくに悪さはしません。身体にとっては、栄養を吸収するサポートをするなど、とても重要な菌です。しかし、免疫が低下するとカンジダ菌が活性化してしまい、口の中が不潔な状態になります。気管支や肺などで繁殖することで、ツンとした独特のニオイを発生させることがあるのです。

 

魚臭症

トリメチルアミン尿症という病気の別名です。文字通り、魚が腐ったようなニオイがします。この病気は、後天的に肝臓の機能が低下し、トリメチルアミンという物質の分解ができなくなることで発生します。この魚臭症の場合は、口臭だけにとどまらず、体臭や尿までも魚の腐ったようなニオイになってしまいます。

このトリメチルアミン尿症は、遺伝する病気です。そのため、家系の中にこの病気の人がいる場合は、先天的に強い口臭が出てしまう人もいます。

 

一般的な口臭の原因

ニオイのキツイものを食べた

ニンニクやにらなど、ニオイのキツイものを食べるとどうしても口臭が臭くなります。食べ物だけでなく、アルコールやタバコなども口臭の原因となります。口臭は食べ物によるものでも、病気によるものでも、基本的に自覚ができにくいのが特徴です。知らぬ間に人を不快にさせていることがありますので、注意しましょう。

 

歯垢や歯石がたくさんついている

歯垢や歯石がついていると、そこに雑菌が繁殖します。それが原因となって口臭が発生することも多いです。歯磨きをしていても、歯間や歯周ポケットに歯垢や歯石が溜まっていれば、それが原因で口臭が発生している可能性も。

もし親知らずがあるなら、その親知らずの周囲に歯垢や歯石が溜まって口臭が発生している可能性も。親知らずがある人は注意が必要です。

 

虫歯や歯周病がある

虫歯や歯周病は、口臭の発生原因となる菌の巣窟です。そのため、虫歯や歯周病を治療をしなければ菌を口の中から除去することができず、口臭の原因となってしまいます。

もし親知らずがあるなら、その親知らずに虫歯菌や歯周病菌が住み着いてニオイを発しているかもしれません。虫歯や歯周病になりそうな親知らずは、抜歯する方向で考えましょう。

 

口が乾いている

口が乾くと口の中の雑菌が増殖します。それが原因で口臭が発生しやすくなっている可能性も…。鼻呼吸ができず口呼吸が多い、緊張しがちでリラックスできていない、水分摂取量が少ない場合は、口が乾き気味になりやすくなります。

 

唾液の分泌が少ない

唾液には殺菌効果があるため、唾液の分泌が少ないと口の中の菌が増殖し、口臭が発生します。唾液が分泌されても、口が乾きやすいと唾液が口の中に充満しません。その結果、口臭が発生しやすくなります。

 

口臭が気になったら…

どの診療科を受診すればいいの?

口臭の原因が病気であることを知っていただきましたが、実際、自分の口臭を確かめることはできません。もし、「口が臭うのかも?」と、気になったら、まずは歯科口腔外科や口臭外来などを受診するようにしましょう。

「アンモニア臭がする」からといって、必ず病気であるとも限りません。最終的には専門医が判断することですので、自己判断はしないようにしましょう。

 

心理的口臭にも注意を

口臭の原因は、精神的なことが深く関係します。これは、精神的ストレス等が唾液の分泌量を減らし、口内の雑菌を増やしてしまうからです。もし、ストレスなどがあれば、それが口臭の原因かもしれません。広く口臭の原因を探ってみましょう。

 

鼻炎などが間接的な原因に

鼻炎などがあると、鼻呼吸ではなく口呼吸をするようになります。そうなれば、口の中が渇き、口臭が発生する可能性も…。間接的に口臭の原因となってしまうのです。鼻呼吸ができるように治療をすることが、口臭を防止する根本的な対策になります。

 

免疫低下が原因?

疲労が溜まっていたり体調が悪く免疫が下がっていると、それが原因で口臭が発生することもあります。この時、肺から腐敗臭が漂うのが特徴です。特に病気ではなくとも、疲労が溜まっている、体調があまりよくない等、不定愁訴などでも口臭は発生します。

 口臭発生のメカニズムや、病気との関係を知れば、口臭が健康のバロメーターであることがお分かりいただけたと思います。ミントのタブレットやガムなどでうやむやに予防するのではなく、「身体に不調はないかな?」と、点検する気持ちで口臭対策をしましょう。口臭には怖い病気も隠れているので、安易に自己判断で対策することのないようにするのも大切です。口臭が気になれば、気軽に歯科口腔外科や口臭外来を訪ねましょう。

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監修日:2017年11月23日
遠藤三樹夫 先生監修
経歴・プロフィール

出身校:大阪大学
血液型:O型
誕生日:1956/11/09
出身地:大阪府
趣味・特技:料理