口臭予防のための正しい歯磨き粉の選び方・使い方

口臭予防のための正しい歯磨き粉の選び方・使い方

「口臭が気になって、人と近くで話すのが怖い!」という方もいるのではないでしょうか。そこで口臭対策の一環として、歯磨き粉に注目してみてください。多くの人が、虫歯や歯周病予防のために歯磨き粉を選んでいるかもしれません。しかし、実は歯磨き粉次第で、口臭が改善する可能性もあるのです。この記事ではその理由に触れながら、正しい歯磨き粉の選び方や使い方をご紹介します。ここを参考に、口臭予防に取り組んでみてくださいね。

 

この記事の目次

歯磨き粉が口臭予防につながる理由

1-1 虫歯や歯周病予防になるから

口臭は、虫歯や歯周病菌が大きな原因であることが多いです。歯磨き粉には、これらの菌を退治してくれる働きのある成分が入っているものもあるので、結果として口臭予防につながるのです。

 

1-2 口臭のもととなる汚れを取る

歯磨き粉は口の中の汚れを取るのにも使われます。歯に付いたヤニ、食べかすはもちろん、歯垢などを除去したり、歯石が付くのを防ぐ作用もあり、口臭のもととなる汚れをスッキリ取ってくれます。

 

正しい歯磨き粉の選び方

2-1 2つの歯磨き粉を見分けて

歯磨き粉は、構成成分によって、「医薬部外品」と「化粧品」に分かれているのをご存じでしょうか。具体的な違いは以下の通りです。

 

・医薬部外品の歯磨き粉
フッ素や抗炎症剤、殺菌剤などの薬用成分が含まれているのが、医薬部外品に分類される歯磨き粉です。歯を守ったり、虫歯や歯周病、知覚過敏から歯を守ったりする働きが見込めます。一般に出回っている歯磨き粉の約8割は、こちらの医薬部外品タイプです。

 

・化粧品の歯磨き粉
薬用成分を含まず、研磨剤、発泡剤、香味剤などで構成されている歯磨き粉です。これらは、歯磨き粉の基本成分にすぎず、医薬部外品のようなさまざまな作用をもった成分は含まれていません。

 

2-2 口臭対策におすすめの成分をチェック

口臭対策におすすめなのが、「フッ素」配合の歯磨き粉です。フッ素は歯を強くして虫歯菌から守ってくれるため、虫歯による歯のトラブル予防に有効です。その結果、口の中に虫歯が出来て雑菌が繁殖することで発生する口臭を抑えてくれます。

 

2-3 おすすめできない、要注意成分

口臭予防が期待できない歯磨き粉の成分も存在します。使用すれば虫歯や歯周病を悪化させたり、それが原因で口臭を発生させてしまうリスクもあります。注意したい成分は、主に以下の2つです。

 

・研磨剤
研磨剤は汚れを落とすために含まれていますが、使い続ければ歯を削って弱めてしまう可能性があります。そして、歯を守っているエナメル質が磨耗すれば、知覚過敏などの原因になり、当然、虫歯菌などにおかされる可能性も高まります。研磨剤が含まれない歯磨き粉を選ぶことが、口臭のためにも歯の健康のためにも大切です。

 

・合成界面活性剤
泡立てる作用があるのが、合成界面活性剤です。磨いている実感を高めてくれますが、歯をきれいにする作用は期待できません。また、たくさんの泡が増えるので、唾液を減らす原因になり、口が乾燥して口臭の原因になる可能性もあります。

 

2-4 薬用成分をもっと細かくチェック

歯に良く、口臭予防にもつながる薬用成分を、さらに細かく紹介します。その目的と成分を分けてまとめたので、歯磨き粉選びの参考にしてみてください。虫歯予防や歯周病予防などの作用は、一見口臭とは関係ないように思えますが、健康で清潔な口内をつくれば口臭のリスクは大幅に減らせます。

 

◯虫歯を予防する成分
・デキストラナーゼ
・フッ化ナトリウム
・モノフルオロリン酸ナトリウム
・IPMP(イソプロピルメチルフェノール)
・塩化セチルビリジニウム
・トリクロサン

 

◯歯肉炎予防する成分
・IPMP(イソプロピルメチルフェノール)
・塩化セチルビリジニウム
・トリクロサン
・塩酸ビリドキシン

 

◯歯周病を予防する成分
・グリチルリチン酸ジカリウム
・β-グリチルリチン酸
・グルコン酸クロルヘキシジン
・塩酸クロルヘキシジン
・酢酸トコフェロール(ビタミンE)
・トラネキサム酸
・塩化ナトリウム(塩)

 

◯歯垢を分解する成分
デキストラナーゼ

 

◯歯石沈着を防ぐ成分
ポリリン酸ナトリウム

 

◯タバコのヤニを取る成分
ポリエチレングリコール

 

◯口臭を予防する成分
・ラウロイルサルコシンナトリウム
・塩化セチルビリジニウム
・トリクロサン

 

正しい歯磨き粉の使い方

3-1 つけすぎず少なめで

歯磨き粉は少なめでも問題ありません。ブラシに2cmも出したら少し多めといえます。たくさん歯磨き粉をつけると磨きにくくなり、歯磨き粉の無駄にもなるのでやめましょう。基本的には歯磨きに歯磨き粉は必須ではありません。しっかり歯ブラシで磨き、汚れを落とすことがケアの基本なので、歯磨き粉はサポート程度と認識するようにしてください。

 

3-2 フッ素歯磨きは時間を置いて

歯磨きをしてから食事をしても良いですが、フッ素歯磨きの場合は、働きを強めるために少し時間を空けましょう。1〜2時間は飲み食いせずに、フッ素の成分を口の中に充満させるようにしてください。うがいをする際にも、あまり何度もしてしまうと働きが弱まります。洗い流しすぎないように、1〜2回程度にとどめましょう。

 

3-3 補助的清掃器具は必須

先にも述べたように、歯磨き粉に頼りすぎるのは良くありません。もし歯磨きケアの効果を高めるなら、デンタルフロスや歯間ブラシなどの補助的な清掃器具を使う、歯磨きをより正しい方法で行うなど、基本を徹底する方に気を配りましょう。特に、歯間に詰まった歯垢や汚れは口臭の大きな原因になります。ケアをしっかりと行い、隅々まで汚れを落とすようにしましょう。

 

口臭に良いデンタルケア

4-1 歯磨きは起床後と就寝前がおすすめ

歯磨きをするタイミングは、起床後と就寝前がおすすめです。寝ている間にもっとも雑菌が繁殖しやすいので、起床後は必ず歯磨きをしましょう。また、就寝前に歯磨きをしておくことで、寝ている間の菌の繁殖を最小限に抑えることができます。食後は唾液分泌が多くなるため、口臭は比較的抑えられます。ランチ後などは、躍起になって歯磨きをする必要はありません。

 

4-2 舌苔のクリーニング

舌の汚れは口臭の原因になります。そのため、毎日でも取り除いておくのが理想です。汚れを取り除くときには、専用の舌ブラシを使いましょう。歯ブラシで行うと、傷が付いたり痛めたりするので、避けるようにしてください。

 

4-3 生活習慣の見直し

睡眠をしっかりとって、栄養バランスの良い食事を心がけるようにしてください。また、ストレスを溜め込みすぎずにリラックスすることも、口臭予防につながります。歯磨きなどを徹底してやっているのに口臭がなくならない方は、生活習慣に問題があるのかもしれません。悪い生活習慣は口臭以外の健康面も乱すので、自覚があれば改善してください。

 

4-4 口臭外来も活用

口臭が気になるようなら、口臭外来で一度調べておくと良いでしょう。自己診断では確実な口臭の原因は分かりませんが、口臭外来であればきちんと検査をして、口臭の原因も正確に突き止めることができます。口臭検査などは歯科口腔外科や口臭外来で行えますので、興味があれば相談してみましょう。検査は自由診療で保険適用外です。1回の検査費用は5〜10万円程度かかります。

 いかがでしたか?歯磨き粉だけで口臭がケアできるわけではありませんが、サポート役として、口臭ケアになる歯磨き粉を選ぶのも一つの手です。劇的に改善するというよりは、歯の健康を維持することで口臭予防につなげていくものです。どうしてもに気なる場合は、根本的な原因を突き止めるために歯科口腔外科や口臭外来を受診してください。口臭は身体の不調が影響している可能性もあります。また、自分だけの思い込みということも多いので、調べてもらって、すっきりしてみてはいかがでしょうか。

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監修日:2017年11月24日
遠藤三樹夫 先生監修
経歴・プロフィール

出身校:大阪大学
血液型:O型
誕生日:1956/11/09
出身地:大阪府
趣味・特技:料理