顎骨嚢胞ってどんな病気?さまざまな症例や主な治療法を紹介!

顎骨嚢胞(がっこつのうほう)と聞くと、その響きからちょっと怖い感じもしますよね。ですが、嚢胞は体の各部にできるもので、良性のものが多く、嚢胞自体は大きな悪さをしないものです。ただし、顎骨嚢胞の1つである歯根嚢胞は、歯髄が細菌に感染している可能性があるので、早めの診療が必要となります。そこで、この記事ではさまざまな顎骨嚢胞の種類をはじめ、その一般的な治療法や診断法、さらに顎骨以外の、お口の中にできる嚢胞などについて、詳しくご説明いたします。

 

顎骨嚢胞ってどんな病気?さまざまな症例や主な治療法を紹介!


この記事の目次

1章 顎骨嚢胞ってどんなもの?

嚢胞とは、血液や浸出液(血液中の水分やタンパク質)などの液体が、袋状にたまったもので、内蔵などをはじめ、体のさまざまなところで見られるものです。多くの嚢胞は良性のもので、そのまま放置していても問題のないことが多いですが、嚢胞が大きくなると、組織や臓器を圧迫する恐れもあります。お口の中にも、こうした嚢胞ができるもので、口内の軟組織(粘膜などの柔らかい組織)や顎骨付近にもできます。特に、顎骨の付近にできる嚢胞を、顎骨嚢胞といいます。

 

主な顎骨の嚢胞

顎骨付近にできる嚢胞には、主に3種類あります。歯根嚢胞、含歯性嚢胞、術後性上顎嚢胞の3つです。詳しくご紹介しましょう。

 

歯根嚢胞

顎骨にできる嚢胞の中で、およそ5割程度を占め、もっとも多く見られるのが歯根嚢胞です。歯根嚢胞は、歯の根っこの付近にできる嚢胞で、主に虫歯の進行などによって、歯髄(歯の中心部の神経や血管組織)に細菌が侵入し、歯の根っこの周囲が炎症を起こすときに、できるものです。自覚症状がないことも多いものですが、膿が溜まったり、歯茎の腫れや収縮を繰り返したりします。また、歯が浮いた感じになったり、噛むときに痛みを感じることもあり、膿がたまって急に大きな痛みが出てくることもあります。

 

含歯性嚢胞

含歯性嚢胞は、埋まった状態の歯(埋伏歯)の上部を含むような形でできる嚢胞です。主に、上顎の前歯や犬歯、下顎の小臼歯などの、出てくるのが遅れて埋伏している永久歯などに見られます。また、埋伏している親知らずなどにも見られます。嚢胞が小さい場合には、自覚症状が出ないものですが、嚢胞が大きくなると、歯肉が膨らんだり、歯の位置異常などを招きます。

 

術後性上顎嚢胞

上顎洞炎(上顎の鼻腔に通じる空洞部分の炎症)の手術後、数年から20年程度を経過したあとに、上顎や頬などにできる嚢胞を、術後性上顎嚢胞といいます。嚢胞が大きくなると、頬部の違和感や鼻づまり、顔の腫れといった症状を引き起こします。なかには40年たって初めて症状が出てくるという珍しいケースもあります。

 

2章 顎骨嚢胞はどう治す?


嚢胞が小さい場合には、症状が見られないことが多く、放置しがちなものです。嚢胞自体は、前述した通り、良性で害のないものであることが多いのですが、顎骨嚢胞の場合には、ケースによっては、嚢胞を摘出するのが望ましいこともあります。周囲に細菌の感染があれば、膿などがたまりやすく、嚢胞が大きくなれば、歯肉が腫れたり、周囲の組織を圧迫したりといった弊害が出てくるからです。

 

歯根嚢胞の治療法

1章でお伝えした通り、歯根嚢胞の多くは、歯髄が細菌に感染していることが発端となっているもので、まず根管治療が必要となります。根管治療とは、感染した神経や血管組織と取り除くことで、いわゆる歯の神経を抜く治療となります。歯根嚢胞では、これに加えて嚢胞の摘出を行いますが、感染が歯根の先まで到達し、根管治療だけでは不十分である場合には、歯茎を切開して歯根の先を取り除く手術(歯根端切除術)を行います。また、歯の損傷が大きく、根管治療などによる保存ができない場合には、抜歯も行われます。

 

含歯性嚢胞の治療法

埋まっている歯の歯冠(歯の上部)にある嚢胞を取り除くか、あるいは、嚢胞を切開して内容物を吸引する開窓術を行います。また、親知らずの含歯性嚢胞の場合には、嚢胞の摘出ともに、必要であれば親知らずの抜歯も同時に行います。

 

術後性上顎嚢胞の治療法

治療は、上顎にできた嚢胞を全摘出する手術が基本ですが、CTで嚢胞の位置関係を正確に把握することによって、内視鏡を使って嚢胞に穴を開けて、内容物を取り除く開窓術が一般的になってきています。また、頬の腫れも痛みがひどくない場合には抗生物質の服用で症状を軽減することが可能です。

 

3章 顎骨嚢胞の診断方法とは?

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歯根嚢胞は、歯髄の細菌による感染や、歯根周囲炎などが原因となります。したがって、膿がたまって歯に違和感を感じたり、痛みが生じることが多いものですが、これ以外の顎骨嚢胞では、嚢胞が小さい場合、あまり自覚症状がみられないこともあります。そういった症状に対しても、レントゲンで診断をすると嚢胞があるかどうか、すぐに分かります。

 

レントゲン検査

レントゲン検査では、嚢胞部分に類円形のX線透過像が見られるので、すぐに嚢胞があることが分かります。X線透過像とは、X線が大きく通過してしまう部分の像で、レントゲン写真では黒く写る部分のことです。嚢胞の内部は主に液体なので、X線が透過しやすく、レントゲン写真では黒く見えるのです。

 

腫瘍の疑いを調べる組織生検

多くの嚢胞は良性で、腫瘍になる可能性は低いですが、病変が大きい場合には、念のため組織を採取して、腫瘍でないかどうかを判別します。

 

4章 顎骨以外にできる嚢胞もあります


歯科口腔外科で診療する嚢胞には、顎骨嚢胞のほかに、口内の軟組織にできる嚢胞などもあります。一般的な嚢胞は、血液成分の液体がたまるものですが、口内の嚢胞は主に、唾液がたまることによる嚢胞です。

 

唾液がたまる粘液嚢胞

唾液腺が詰まって、その周囲が嚢胞となったり、唾液が周囲の組織に漏れて嚢胞になる症状を粘液嚢胞といいます。口内の軟組織にできる嚢胞の大部分は、この粘液嚢胞になります。唇の裏側や舌の裏側にできることが多いものですが、舌の裏の口底の部分にできる粘液嚢胞は、特にガマ腫と呼ばれています。粘膜の表面が膨れた状態になりますが、触るとぷよぷよしていて柔らかく、痛みもないものです。腫れたりしぼんだりを繰り返して、自然に治ることもありますが、治療では、嚢胞の摘出や開窓(嚢胞に穴を開ける手術)と、それに関わる唾液腺の切除を行います。

 

表面が皮膚と同じ組織になる類皮嚢胞

類皮嚢胞とは、嚢胞の袋となる表皮が、皮膚と同じ組織になっている嚢胞です。皮膚と同じ組織なので、汗腺や脂腺、毛包(発毛する組織)を持っていますが、これらを持たないものを類表皮嚢胞といいます。嚢胞と同様に、体のさまざまなところにできるもので、口内にできる場合には、主に口底の部分になります。粘液嚢胞と違い、その中身はおから状になっており、大きくなると舌を圧迫して、発音障害や嚥下障害(飲み込みにくくなる障害)をもたらします。治療では、嚢胞の全摘出手術を行います。

 

まとめ

嚢胞は体のさまざまなところにでき、その多くは良性なので、至急切除を要するべきものではなく、定期的に経過を見る形になります。しかし、顎骨の嚢胞の場合は、腫れを繰り返したり、違和感や不快感、痛みを引き起こす可能性があるので、切除の必要があるか、歯科口腔外科のある歯医者さんで相談してみましょう。ただし、歯根嚢胞の場合は歯髄の細菌による感染が原因となっていることが多いので、早期の診断と治療が望ましいものとなります。
 

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