歯周病予防の基本!歯垢を残さない正しい歯磨きのやり方

歯周病予防の基本!歯垢を残さない正しい歯磨きのやり方

歯周病を防ぐための歯磨きのコツをご存知ですか?
歯周病を予防するには、毎日の歯磨きをていねいに行って歯垢をきちんと取り除くのが基本です。間違ったやり方で歯磨きをいくらがんばっても歯垢をしっかりと落とせないので、歯周病を引き起こしてしまいます。
正しい歯磨きのポイントをご紹介するので、改めて見直してみてはいかがでしょうか。歯ブラシや歯磨き粉の選び方もお伝えします。

この記事の目次

歯磨きのポイント

1-1 歯磨きの目的

歯周病の原因となる歯垢は、歯周病菌をはじめとしたさまざまな細菌の塊です。1mgの歯垢のなかには、10億もの細菌が潜んでいるともいわれています。歯周病を防ぐためには、この歯垢をしっかりと除去しなければなりません。
ところが、歯垢は水に溶けにくいうえに、ネバネバとしているので歯にくっつきやすく、うがいをするだけでは落とすことはできません。そこで、歯垢を取り除くためには歯磨きが欠かせないのです。
歯磨きは毎食後に行うのが理想ですが、仕事の都合などで歯磨きをする時間がとれないこともあるでしょう。そのような場合には最低でも1日に1回は時間をかけてすみずみまでていねいに磨いてください。特に細菌は夜寝ている間に多く繁殖するので、就寝前の歯磨きはしっかりと行いましょう。

1-2 基本の磨き方

目安として、一か所につき20回以上はブラッシングしてください。歯を1本1本きれいにしていくように、小刻みに5~10mmほどずつ歯ブラシを動かして磨きます。歯ブラシの毛先を歯の表面だけでなく、歯と歯茎の間や歯と歯の間にもあてるのがポイントです。
ただし、こびりついた歯垢を落とそうとする力を強く入れすぎてはいけません。歯ブラシを歯にあてたときに毛先が広がらない程度のわずかな力で動かしていきましょう。

1-3 歯ブラシの届きにくい場所

歯と歯茎の境目や歯と歯の間、噛み合わせの面は特に歯垢がたまりやすく、磨き残しの多いところです。歯磨きをする際には、このような場所を重点的に磨くように意識しましょう。適当に歯ブラシを動かしていると磨き残してしまいがちなので、磨いていく順番を決めておくのがおすすめです。
また、前歯を磨くときには歯ブラシを縦にして毛先を上下に動かすと、歯と歯の間の汚れを落としやすいでしょう。歯並びが悪くて歯がでこぼこしている人は、このように歯ブラシのあて方を工夫して細かな部分にまで毛先が届くようにしてください。

1-4 歯周ポケットの歯垢を除去する

歯と歯茎の境目には、歯周ポケットと呼ばれる溝があります。健康な人でも1~2mmの浅い歯周ポケットがあるので、ここに歯垢がたまらないように注意しなければなりません。すでに歯周病になっている人は、進行するほど歯周ポケットが深くなるので特に気をつけてケアをしてください。
歯周ポケットに入りこんでいる歯垢を除去するためには、歯ブラシを45度くらいの角度であてて毛先が歯周ポケットに入るようにした状態で、5mmほどの幅で細かく動かします。1~2本の歯につき、20回程度を目安に磨いていきましょう。

歯ブラシの選び方

2-1 毛先の細い歯ブラシを使う

歯周ポケットはとても狭いので、毛先ができるだけ細い歯ブラシを選びましょう。歯周ポケットの汚れを取るには、超極細タイプの歯ブラシがおすすめです。歯周ポケットの奥に毛先が届かなければ、そこにたまっている歯垢を取り除くことはできません。
ただし、歯の形や歯並びなど口の中の状態は人によって異なります。ご自分の歯や歯茎に適したブラシの硬さもあるでしょう。どのような歯ブラシを選んだらいいのか分からない場合には、歯医者さんで相談してみましょう。

2-2 歯ブラシはこまめに交感

歯ブラシは使い続けていくうちに毛先が開いてきます。毛先が広がってしまった歯ブラシを使っても、歯にきちんとあたらないので、歯垢をきちんと落とせません。
毛先が開いてきたら、歯ブラシはすぐに交換しましょう。もしくは、1か月に一度のペースで歯ブラシを新しくすると決めておいてもいいですね。

2-3 デンタルフロスも使用

歯をブラッシングした後にデンタルフロスを使うと、歯垢の除去率が約30%も上がるといわれています。デンタルフロスは、歯と歯の間に入りこんだ歯垢までしっかりとかき出す働きがあります。
歯と歯の間には歯ブラシの毛先はどうしても届きません。デンタルフロスや歯間ブラシも駆使して、歯ブラシだけでは磨ききれない部分の歯垢もきれいに落としていきましょう。

歯磨き粉の選び方

3-1 歯周病予防がみこめる成分

いろいろなタイプの歯磨き粉が市販されており、なかには薬用成分が含まれているものもあります。特にIPMP(イソプロピルメチルフェノール)などの薬用成分は歯垢がたまりやすい歯周ポケットを清潔に保つことができるので、歯周病になりにくい口内環境をつくるとされています。
ほかにも、CPC(塩化セチルピリジニウム)やトリクロサンという薬用成分にも殺菌作用があるので歯周病予防に使われています。殺菌作用のほか、炎症を抑える作用や歯茎を引き締める作用があるとされるオウバクエキスなどもあるので、どのような働きをする成分が含まれているのか歯磨き粉を選ぶときにチェックするといいでしょう。

3-2 歯磨き粉よりもブラッシングを重視

歯周病を予防するためには、薬用成分の配合された歯磨き粉を使えば十分というわけではありません。歯磨き粉の選び方よりも重要なのは、やはり正しいブラッシングで歯垢をすみずみまで取り除くことです。
歯みがき粉に含まれている殺菌作用のある成分も、ブラッシングで磨き残しのないように歯垢をしっかりと落とさなければ意味がないと考えておきましょう。歯周病予防のための歯磨き粉を使っているからと安心して、歯磨きそのものがおろそかにならないように気をつけてくださいね。歯周病予防の基本となるのは、歯磨きです。ただし、正しく歯を磨かないと歯垢を除去できません。歯垢をきちんと取り除かなければ歯周病のリスクは高まるので、歯はしっかりとていねいに磨く習慣をつけてください。
ただし、いくらきちんと歯磨きをしていても、どうしても少しの磨き残しはしてしまうものです。毎日自宅で正しく歯磨きをしたうえで、定期的に歯医者さんで歯のクリーニングをしてもらうことも忘れないでくださいね。

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監修日:2017年07月14日
飯田尚良 先生監修
経歴

1968年 東京歯科大学 卒業
1968年 飯田歯科医院 開院
1971年 University of Southern California School of Dentistry(歯内療法学) 留学
1973年 University of Southern California School of Dentistry(補綴学・歯周病学) 留学
1983年~2009年 東京歯科大学 講師
現在に至る

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