親知らず抜歯後に神経からくる症状について知っておこう

親知らず抜歯後に神経からくる症状について知っておこう

たかが親知らずの抜歯と甘く見てはいけません!親知らずを抜くときに親知らずの歯根が神経に近い場合、まれに感覚麻痺が起こることがあります。また、歯医者さんでは手術前にレントゲンや歯科用CTなどを使って綿密な検査を行い、慎重に執刀をしますが、親知らずの抜歯に対する不安を少なくするために、さまざまな症状について知っておきましょう。

 

この記事の目次

下あごの親知らず抜歯後の不快感はなぜ起こる?

 

1-1 下あごの親知らずの抜歯後は、歯や唇・あごに感覚麻痺が起こることがある

親知らずの抜歯は、下あごの親知らずの方が、上あごの親知らずよりも難易度が高いといわれています。その理由は、下あごの親知らずの歯根近くに舌や唇の感覚をつかさどる神経が通っているため、より慎重に手術を行う必要があるからです。
抜歯手術のとき、親知らずの歯根先が誤って神経に触れてしまうと、下あごの歯や歯肉、下唇、あご周辺の皮膚に感覚麻痺が起こることがあります。このような症状が起こった場合、感覚が元の状態に戻るまでに時間がかかるケースがあります。
主な症状として、麻酔から完全に覚める翌日以降でも、まだ麻酔が効いているような感覚があったり、抜歯した側としてない側を手で触れたときに感覚の違いが出ることが挙げられます。ごくまれに抜歯した側の舌の動きや味覚にまで問題が出ることがあります。

 

1-2 下あごの親知らず抜歯後のしびれがある場合は、すぐに担当の先生に相談を

下あごの親知らず抜歯後に感覚麻痺が起こる発生頻度は、5~6%程度といわれています。麻痺が起こるかどうかは実際に親知らずを抜歯してみないとわかりません。また、仮に感覚麻痺が起こったとしても、ピリピリとした不快感やしびれるような感覚は次第に収まることが多いですが、気になる症状がある場合はなるべく早めに担当の先生に相談してください。不快な症状については早く対応した方がそれだけ治癒が早いと言われています。
なお、親知らず抜歯後の感覚麻痺は、顔面麻痺などの深刻な後遺症になることはほとんどありませんが、食べ物が唇についても気づきにくいといった症状が出る場合があります。

 

1-3 麻痺治療は焦らず、根気よく続ける

親知らず抜歯後に起きた麻痺は、ビタミン剤や神経の働きをよくする薬の内服、および感覚療法などの治療が行われます。しかし、治療してすぐに元に戻ることは少なく、状態により個人差はありますが回復まで数週間~数か月間ほどかかります。そのため、治療は時間をかけて続けることが大切です。一般的に若年層のほうが治癒が早いので、親知らずの抜歯は若いうちに処置することが望ましいといえるでしょう。

 

親知らずの抜歯前に行う、レントゲンや歯科用CTによる検査

 

2-1 事前の検査で親知らずの生え方や神経の様子を把握する

親知らずはまっすぐ生えているとは限らず、斜めになってる場合や歯茎の中で横になっている場合、骨に埋まっている場合など、人により生え方が異なります。そのため、親知らずの抜歯手術前には、レントゲンや歯科用CTを使って詳しく状態を把握する必要があります。
歯根の状態や骨、隣の歯への影響、親知らずと神経の距離などを綿密に調べ、術後のしびれや違和感などのトラブルが起こらないように、慎重に手術計画を立てていきます。

 

2-2 歯科用CTを使えばレントゲンよりも親知らずの状態を正確に把握できる

歯科用CTとは、撮影されたデータを3次元処理し、立体的な映像として再現することができる検査機器で、通常は見ることができなかった歯茎の内部を確認することができます。歯科用CTを使うことで、親知らずの歯根とあごの骨の中にある神経や血管の位置関係も映像で把握できます。また、一般的なレントゲンでは角度的に撮影がむずしい部分であっても、歯科用CTであれば捉えることができるため、親知らずの状態を手術前に詳しく確認することができます。
なお、すべての歯医者さんで歯科用CTが導入されているわけではありませんので、歯科用CTによる検査を希望される場合は、事前に確認をとるとよいでしょう。抜歯が難しい親知らずの場合、撮影費が健康保険の適用になることが多いので、治療費の負担はさほど大きくならずに済むでしょう。

 

2-3 親知らずと神経が近く難易度の高い抜歯のときは、手術体制の万全な大学病院などで

親知らずの歯根と神経がとても近いところにあり、抜歯の際に神経を傷つける恐れがあると診断された場合は、大学病院や総合病院の歯科口腔外科を紹介してもらうことができます。大きな病院では、抜歯手術に形成外科医や麻酔科医が関与することがあるため、手術の体制が整っています。もちろん、地域の歯医者さんの中には難易度の高い抜歯に対応している歯科口腔外科のある医院もあります。医師とよく相談をして、納得ができる方法を選択しましょう。

 親知らずを抜歯すると、まれに神経に影響を及ぼしてしまうケースがあります。しかし歯医者さんでは、歯茎やあごの内部の細かい神経まで綿密な検査が行われ、その結果をもとにしっかりとした手術計画を立ててから抜歯を行います。心配するようなことが起こるケースはほとんどないでしょう。また、難易度によっては、地域の歯医者さんと大学病院などが連携して診療にあたります。親知らずの抜歯について少しでも不安がある場合は、小さなことでも歯医者さん相談し、ストレスをためないようにしましょう。

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監修日:2017年06月07日
鄭尚賢 先生監修
経歴

歯科医歴:11年
出身校:東京歯科大学