親知らずの抜歯後に神経が麻痺する?それって治るの?リスクの原因と起こる頻度、治療法について

歯医者さんで抜歯した際、確率は低いですが、神経が麻痺することがあります。この記事では、なぜ神経が麻痺してしまうのかの基礎知識と、そうなった時の対処法などに触れていきます。
神経麻痺と聞くと、医療事故やミスだと思うかもしれませんが、実は、親知らずの抜歯、特に下顎の歯などでは、稀にあることです。神経が近くを通っていることもあり、ミスでなくとも神経麻痺が残るリスクがつきまとうのです。この麻痺は治療ができるかなども含めて、記事内で解説していきます。

 

歯医者さんで抜歯した際、確率は低いですが、神経が麻痺することがあります。この記事では、なぜ神経が麻痺してしまうのかの基礎知識と、そうなった時の対処法などに触れていきます。
神経麻痺と聞くと、医療事故やミスだと思うかもしれませんが、実は、親知らずの抜歯、特に下顎の歯などでは、稀にあることです。神経が近くを通っていることもあり、ミスでなくとも神経麻痺が残るリスクがつきまとうのです。この麻痺は治療ができるかなども含めて、記事内で解説していきます。

 

親知らずの抜歯後に神経が麻痺する?それって治るの?リスクの原因と起こる頻度、治療法について

この記事の目次

抜歯で神経を傷つける?麻痺の原因

抜歯

 

1-1 神経に触れた/切断した

下顎の親知らずあたり、歯のすぐ近くには太い神経が通っています。そのため、親知らずの抜歯をする際に少し接触するだけでも、麻痺が残る場合があります。もちろん、神経を切断してしまったら、麻痺は避けられません。

 

1-2 神経を圧迫している

患部が炎症を起こすなどすると、近接する神経をそれらの炎症や腫れが圧迫してしまうことがあります。神経麻痺は、これらのちょっとした圧迫でも、発生してしまう可能性があるのです。

 

1-3 伝達麻酔による麻酔の影響

伝達麻酔とは、下顎の親知らずよりさらに奥に麻酔を打つことで、広範囲に効果が得られる麻酔法です。作用が数時間持続するので、抜歯が完了した後も痺れが残ることになります。
また可能性は低いですが、場合によっては麻酔時に神経に触れてしまい、数か月間痺れや麻痺が起こることもあるようです。気になる症状があるようなら、すぐに歯医者さんに相談しましょう。

 

1-4 麻痺が起こる根本原因とは?

調べもの

抜歯後の麻痺は、確率としては低いとはいえ、リスクがゼロではありません。ここでは、麻痺が起こる根本的な原因について触れておきます。

 

・抜歯の手術中に誤って神経を傷つける
神経麻痺が起きるのは、抜歯の手術中に誤って神経を傷つけてしまうからです。また、傷はつかなくても、軽く触れるだけでも痺れが残ることがあります。

 

・抜歯する歯と神経が近接していた
神経を含めた体のつくりには個人差があり、もともと抜歯する歯と神経が近接している人もいます。あまりに近すぎる場合、神経に触れることが避けられないケースもあります。基本的にはCTなどで神経の場所を確認して、綿密なプランで抜歯していきますが、事前に分かっていたとしても、どうしてもある程度のリスクは存在します。

 

・抜歯後に医師からの指示に従わなかった
抜歯後は、必ず抗生物質などを処方されます。それらをきちんと服用しないと、患部が炎症を起こしてしまう可能性があります。さらに、炎症が神経を圧迫してしまい麻痺につながるのです。多少面倒でも、術後は医師の指示通りの対処をするようにしましょう。

 

麻痺は基本的にこれらの原因で発生します。神経に何かしら触れるものがなければ、麻痺は回避できる可能性が高いです。

 

抜歯後の麻痺の特徴とは

歯科医_男性

2-1 麻痺の出やすい場所

下顎に太い神経が通っているため、これに触れると下唇(下歯槽神経麻痺)や、舌(舌神経麻痺)に神経麻痺が残ります。

 

2-2 麻痺の起こる割合や頻度

ここまでに麻痺のリスクばかりを伝えてきたので、抜歯するのが怖くなってしまったかもしれません。しかし、心配する必要はありません。実は、麻痺の出る割合はそれほど高くはないのです。
ある医師は、10年程度の歯医者さんの経験で、一例くらいはあるかもしれないと表現するくらいです。別のデータでは数%という数字も出ているので、多くても数十名に一人の割合といって良いでしょう。

 

また、ある調査の結果では、歯と神経との距離において、以下のような結果が出ています。

 

歯と神経の接触がない場合は0.0%
歯と神経が接触している場合は0.0%
歯と神経が重なっている場合は2.9%
※参考文献)
三浦康次郎、木野孔司、渋谷寿久、平田康、渋谷智明、佐々木英一郎、小宮山高之、吉増秀實、天笠光雄
下顎埋伏智歯抜歯後の神経麻痺、口病誌65(1):1-5、 1998

 

この実験の結果では、歯と神経の距離が離れれば離れるほど麻痺の割合は低くなります。

 

親知らずの抜歯などでは、歯と神経の距離を事前に調査します。そこで神経に触れたりしていなければ、神経麻痺が残る確率はほとんどないと考えていいでしょう。これは実験結果を参考にした見解ですので、麻痺が残る確率はまったくの0%というわけではありませんが、麻痺が出る確率の低さは理解いただけたと思います。

 

ただし、CTを設置していない歯医者さんでは、神経の位置を完全には把握できません。歯医者さんがリスクが高いと判断した場合、大学病院を紹介されることもあります。親知らずの抜歯の際は、事前にそのあたりの相談もしっかりと行うようにしましょう。

 

2-3 麻痺ってどんな感じ?

神経麻痺が出ると、感覚がなくなったり、しびれを感じたりします。親知らずを抜いた後なので、同時に痛みや腫れがともなうこともあります。術後の痛みが強いと最初の頃は麻痺に気づかず、あとあとになってから唇や舌などに違和感を覚えることも少なくありません。

 

また、下顎の親知らずを抜歯した場合には、唇や舌などに影響が表れます。そのため、物が食べにくかったり、飲み物を口にしたらこぼれるなどしてしまうことがあります。

 

神経麻痺が治っていく過程では、最初のうちは唇や舌の奥の方、内側の部分から感覚が戻ってきます。それから、表面の感覚が分かるようになります。始めのうちは、自分が指で唇を触っても、指で触っている位置と、実際に唇で感じている位置が一致しないこともあります。しかし、神経麻痺が改善してくれば、これらの位置感覚の麻痺も回復してきます。

 

神経が傷ついても麻痺は治る?

口を開ける

3-1 多くの麻痺は治療できる

神経の損傷の具合によって違いますが、神経麻痺は治らないことはほとんどありません。基本的に、神経麻痺は治ると思っていいでしょう。神経が切断された場合でも、縫合手術で修復すれば、その後神経麻痺は改善されていきます。ただし、神経がひどく傷ついている場合は回復しないケースもあります。

 

3-2 治るまでにかかる時間

麻痺が治るのにかかる時間は、それぞれの麻痺の程度や個人差によって変わります。
また、速攻で効く治療法もほとんどなく、なんとなく違和感がある程度の神経麻痺であれば、薬剤などを処方されて治療していきます。もし麻痺が長引くようだったり、感覚がないのであれば、別の手術を行います。

 

神経麻痺は2〜3週間で完治する場合もあれば、2〜3か月かかる場合もあり、さらに半年、数年とかかるケースもあるため、治るまでの期間がどれくらいといい切るのは難しいです。随時、医師の診断を仰ぎながら、適切な治療を進めていくほかありません。

 

神経麻痺の治療法

幸せ

 

4-1 薬物治療

違和感があるといった程度の神経麻痺の場合には、ビタミンB12製剤、ATP製剤などが処方されます。ただし、基本は自然回復を待つのがメインで、これらは補助的に処方されるにすぎないものです。また、知覚異常があれば、局所麻酔やステロイド剤、非ステロイド剤、抗うつ剤、抗痙攣剤を使用していきます。

 

4-2 低出力レーザー照射

患部に低出力のレーザーを当てて、神経麻痺を軽減していきます。

 

4-3 鍼治療

顔に鍼(はり)を刺すことで、神経のまわりの筋肉を刺激します。これにより麻痺の緩和が期待できます。

 

4-4 神経ブロック

喉にある星状神経という神経に、極少量の麻酔を何度も注入する方法です。星状神経のある場所は脊椎の一番下あたり、両脇の近くにある神経。顔や首、方、胸、心臓や肺など、さまざまな組織に繋がる神経のツボで、ここから麻酔薬を入れることで、神経麻痺を改善していきます。

 

4-5 神経再生手術

神経が切断された場合に行うものです。手術で神経をつなぎ合わせて縫合します。改善するまでには、半年から数年かかる可能性もありますが、このように治療法もいくつかあるので、神経が切断されても諦める必要はありません。不安なことはなんでも医師に相談し、解決につなげていきましょう。

 

まとめ

歯医者に尋ねる

親知らずの抜歯などの際、神経麻痺が発生する可能性は、低いとはいえゼロではありません。特に、下顎は歯の下に太い神経が通っているので、どうしても神経麻痺が発生するリスクをともないます。
親知らずの抜歯などをする際には、基本的に、必ず患者さんが納得いくまで説明するのが基本です。担当の医師は必ずリスクについてきちんと話してくれるはずなので、受ける側も治療の方針に納得してから治療を受けるように心がけましょう。
もし、治療方針に疑問があったり、説明が不十分だと感じたりした場合は、別の歯医者さんでセカンドオピニオンを受けることも検討した方が良いでしょう。

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