親知らず上手な歯磨きの仕方とは?気になる抜歯後のケアも

親知らず上手な歯磨きの仕方とは?気になる抜歯後のケアも

親知らずは、口の中の一番奥側に生えてくる歯です。生える時期は成人後で、名前の由来は、子供が親の手を離れた頃になって生えることから付きました。親知らずの多くは正常な向きで生えることが少なく、生えている場所からも歯ブラシが奥まで届かず虫歯などのトラブルにかかりやすい歯です。

このような理由から、親知らずを抜く人が多いのです。親知らずは抜いた後に縫合することが多いため、親知らずの抜歯では歯磨きも含めたアフターケアを慎重に行うことが大切です。

この記事の目次

1.親知らずの磨き方

親知らずを抜いた後は傷口の痛みや腫れに気を取られがちが、親知らずの抜歯後こそ歯磨きが大切です。抜歯した箇所は食べ物のカスが入りやすいため歯ブラシで取りたいところですが、抜歯直後から数日は、歯ブラシが少し当たるだけでも傷口が開き出血する恐れもあります。

傷口を縫合している場合は口の中に糸があるため、いつも通りに歯磨きをすると、歯ブラシが糸をつかまえてしまうことがあります。抜歯する前と抜歯した後の親知らずの磨き方のコツをご紹介しましょう。

1-1 親知らずを綺麗に磨く方法

親知らずが生えている場所は、普通の歯磨きでは歯ブラシがなかなか届かないため、磨くのが難しい上に歯垢が溜まりやすく、口腔トラブルの原因に繋がります。親知らずを磨く時には、歯ブラシの毛先が歯に届くように磨くことを心がけましょう。

1-2 親知らずの抜歯後の磨き方

親知らずの抜歯箇所は、数日は傷口が治らないため、歯の磨き方によっては痛みが出ることがあります。特に傷口を触ると激しく痛む場合がありますので、注意が必要です。親知らずを抜いた側の歯磨きはいつもよりも優しく歯磨きをするほか、傷口に一番近い歯を磨く時は力を入れずに磨きましょう。

2.親知らずを抜歯した当日の対処について

2-1 抜歯した傷口に歯ブラシを当てない

親知らずを抜いた当日の歯磨きについて、まずは抜歯の際の麻酔が切れたのを確認してから行います。その際、抜歯の跡は傷口が開いてしまう恐れがあるので触れないようにしましょう。当日は親知らずを抜いた方の歯は無理やり磨かないようにしましょう。抜歯当日から数日は、傷口を治すことがとても大事です。他の部位に関しては、歯磨きを行っても良いですが、抜歯をした傷口に歯ブラシがあたらないように気を付けてください。

2-2 歯磨き粉の使用はなるべく避ける

親知らずを抜歯してから、可能であれば二日から三日の間は、歯磨き粉の使用はできるだけ避けましょう。どうしても歯磨き粉を使いたいという場合は、研磨剤不使用の、刺激の少ないタイプを選んでください。また、デンタルリンスなどの液体歯磨き粉も刺激が強いため避けることをおすすめします。

3.適切な歯ブラシについて

親知らずの抜歯には、

①抜歯当日
②抜歯した傷口が治るまでの数日
③傷口が完全に治ってから

の3段階があります。抜歯をした当日は傷口には触れない方が良いため、歯磨きの際も細心の注意を払いましょう。抜歯した当日は全部の歯を磨くことを避けた方が良いですが、傷が治るまでの数日間も簡易的な歯磨きで済ませるのは、他の歯が虫歯になることや、歯周病への不安もあるでしょう。そこで、抜歯当日から傷口が治るまで、歯ブラシや歯磨き粉を使い分けながら歯磨きをすることをおすすめします。

3-1 おすすめの歯ブラシを紹介

親知らずを抜いた後に使う歯ブラシは、歯科医師からの指導がない限りは、普段使っている歯ブラシを使っても大きな問題はありません。ただし、ヘッドが大きな歯ブラシは傷口が治らない間は歯磨きの間で触ってしまう恐れがあるため、なるべくヘッドの小さな歯ブラシを使うことがおすすめです。また、歯ブラシの毛質は柔らかいものを選びましょう。

3-2 おすすめの歯磨き粉を紹介

親知らずを抜歯した後、二、三日は歯磨き粉を使用した歯磨きを避けた方が良いですが、その後は普段通りの歯磨きが行えます。歯磨き粉も、専用の物はありません。ただし、不安がある場合は、普段使う歯磨き粉に比べてより高い消毒効果があったり、泡立ちを抑え、研磨剤が使用されていない歯磨き粉を使うと歯を傷めず安心です。

 

4.抜歯後の歯を磨くときの注意点

親知らずを抜歯して数日経過すると、傷口も徐々に回復します。ただし、「歯肉切開」と言って、歯茎部分を切って中に埋まった親知らずを抜く治療を行った場合は、傷口を縫合する上、抜糸する必要があるので、傷口については注意が必要となる上、回復も遅くなります。傷口の回復度合いは差があるので、不安な場合はまず親知らずの治療をしてもらった歯科医に行き、経過を診てもらった上で歯磨きのタイミングのアドバイスをもらいましょう。歯磨きをする場合も以下のポイントに注意して行ってください。

4-1 力強く磨かない

親知らずの抜歯後、糸を抜くまでの数日の間は通常よりも優しいブラッシングを心がけましょう。特に強く磨くのは避けてください。強く磨くことで、縫合している糸が取れてしまうリスクがあります。糸が取れると出血したり、歯が腫れて痛くなる可能性があるため、傷口に糸がある間は、特に優しい歯磨きをしましょう。

4-2 抜歯後の傷口には細心の注意を

親知らずを抜歯した後の傷口は歯茎部分を縫合していることが多いため、抜糸するまでは特に注意をしてください。もし食べ物のカスが傷口に入ってしまった時は、うがいをする、あるいは歯ブラシで優しく取ってみましょう。もし傷口から血が出てくることがあったら歯磨きを中断して、歯科医師に相談してください。

5.抜歯前に生えている親知らずの上手な磨き方

親知らずは、絶対に抜かなければいけないわけではありません。親知らずが正常な位置で生えていれば、抜かずに残しておくことができます。

親知らずを抜かずに残した場合のリスクとしては、親知らずが生えている場所は通常の歯磨き方法では歯ブラシが届きにくいため、磨き残しがあると親知らずの周辺に虫歯、歯周病などといったトラブルを発症する恐れもあります。親知らずを上手に磨き、きれいな歯で残しておける磨き方のコツをご紹介します。

5-1 ワンタフトブラシでピンポイントに磨こう!

歯ブラシの種類の中で、「ワンタフトブラシ」というものがあります。これは、親知らず専用の歯ブラシということではなく、磨き残しが多い箇所に使う歯ブラシです。一般的な歯ブラシとは違った形状をしており、この形が歯ブラシをしたいポイントに収まり歯垢除去に効果的に働きます。親知らずのような、普通の歯ブラシでは届きにくい箇所にも届くので、磨き残しを減らすことができます。ワンタフトブラシを使い親知らず部分を磨いた後、いつも通り歯磨きをすると更に効果的です。

 

5-2 ヘッドの小さい歯ブラシを使って優しく磨こう

ワンタフトブラシ以外でおすすめする歯ブラシは、ヘッド部分が小さい歯ブラシです。ヘッドの小さい歯ブラシを使うと、口の奥まで届くので、ヘッドの大きなものよりも親知らずが磨きやすくなるのです。

 

5-3 Y字型フロスを使って側面を磨く

デンタルフロスの種類は色々ありますが、親知らず用に使用する場合は持ち手がついているフロスがおすすめです。特に、持ち手部分がアルファベットの「Y」の字になっているフロスは親知らずにも届きやすく、親知らずと手前の歯間にフロスを入れた後、ゆっくり動かしながら歯垢をかきとったり、フロスを歯の側面にあてて歯垢をこそげとることも可能です。

 親知らずを抜いた後の歯磨きについてご紹介しました。親知らずを抜いた後の傷口が回復する程度は差があります。歯磨きのタイミングに不安がある場合は、抜歯をしてもらった歯科医師に相談してから行いましょう。抜歯後の歯磨きは慎重に、優しく行うことで、その後の回復具合も変わります。後々痛い思いをしないためにも、注意を払って歯磨きを行いましょう。

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監修日:2016年08月30日
飯田尚良 先生監修
経歴

1968年 東京歯科大学 卒業
1968年 飯田歯科医院 開院
1971年 University of Southern California School of Dentistry(歯内療法学) 留学
1973年 University of Southern California School of Dentistry(補綴学・歯周病学) 留学
1983年~2009年 東京歯科大学 講師
現在に至る

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