口の開閉が困難になったり痛みが生じたりする顎関節症の患者数が近年若い女性を中心に急激に増加傾向にあります。顎関節症は症状が酷くなると日常生活に支障をきたしたり、全身の不調にも繋がるほどの病気です。現代社会はストレスを訴える人の割合が増えてきており、顎関節症の原因と患者数増加の背景にはストレスが大きく関連していると言われています。
そこでストレスがどのように顎関節症に繋がるのか、またストレスが原因での顎関節症の予防法や治療法について詳しく紹介します。
口の開閉が困難になったり痛みが生じたりする顎関節症の患者数が近年若い女性を中心に急激に増加傾向にあります。顎関節症は症状が酷くなると日常生活に支障をきたしたり、全身の不調にも繋がるほどの病気です。現代社会はストレスを訴える人の割合が増えてきており、顎関節症の原因と患者数増加の背景にはストレスが大きく関連していると言われています。
そこでストレスがどのように顎関節症に繋がるのか、またストレスが原因での顎関節症の予防法や治療法について詳しく紹介します。
この記事の目次
ストレスは顎関節症の原因の多くを占めており、密接な関係にあります。人間はストレスが脳に伝達されると、そのストレスを無意識のうちに発散しようと歯を食いしばったり歯ぎしりをしたりします。多くの動物は本能的に危険を感じると噛むという行動で相手を攻撃します。
人間も元々は動物であったことからストレスを感じるとこのような行動を取ると言われています。ストレスによる過剰な噛みしめで顎関節に負担をかけることが顎関節症の発症に繋がるのです。
上述の通り精神的ストレスは噛みしめや歯ぎしりを引き起こし、顎関節や周辺の筋肉の疲労や緊張に繋がります。こうして顎関節に負担がかかる状態が頻繁に起こると血液や関節液の流れも悪くなり、口の開け閉めがスムーズにできなくなったり痛みが生じたりします。
顎関節症の治療においてはマッサージやストレッチで顎の筋肉をほぐしたり、噛みしめによるダメージを防ぐマウスピース療法などがよく行われますが、顎関節にダメージを与える行動の根本的な原因となる精神的ストレスを対処した方が効果的であるケースが多いのです。
顎関節症の原因となるストレスは、性格が大きく関与しています。神経質な方、完璧主義の方、真面目な方、几帳面な方はストレスを抱え込みやすい性格であると言われており、実際に顎関節症を罹病している方を対象とした精神分析や心理テストを実施した研究によると、前述の性格的傾向が多く確認されています。
また、ストレスが原因で引き起こされるうつ病や自律神経失調症も顎関節症に繋がりやすい病気と言われています。顎関節症は病全性格と関連性が高いことから、患者さんの性格的傾向を把握して、心理的側面からの治療に役立てるために心理テストが必要とされるケースもあります。
顎関節症の三大症状のひとつで、最も厄介で患者を苦しませるのが顎関節の痛みです。口の開け閉めの際など顎を動かした時に顎関節及びその周辺が痛みます。顎関節症の痛みには大きく分けて2種類あり、顎関節そのものの痛みと顎の筋肉である咀嚼筋の痛みがあり、割合としては後者の方が多いと言われています。
理由は関節内部より筋肉の内部の方が痛みを感じる神経が多いからとされています。放置していると悪化する可能性もありますので、痛みを感じたら早急に歯科医院を受診することをおすすめします。
口を大きく開け閉めした際に顎関節周囲で音がするのは顎関節症の症状のひとつで関節雑音と呼ばれています。関節雑音にも幾つか種類があり、顎関節の状態によって変化します。顎関節症が疑われる関節雑音ですが、まず口を開け閉めする際に途中でカクンと音がする場合は顎関節内部の関節円板がずれている可能性があります。
また口を開け閉めした際にジャリジャリ、ミシミシといった音がする場合は前述の場合よりも症状が進んでおり、関節円板や関節を形成する骨が変形している可能性があります。関節雑音に加えて痛みや開口障害が伴っている場合は顎関節症の可能性が高く、検査や治療が必要となります。
顎関節症の口が大きく開かなくなる症状のことを開口障害と言います。判断の目安として、口の開閉動作が正常な場合は人差し指と中指と薬指を縦にした幅が口に入るのですが、入らない場合は開口障害が疑われます。開口障害の原因は顎関節及び咀嚼筋の異常と考えられ、細かく分類すると筋性、関節円板性、関節痛性、そして癒着性があります。
開口障害の原因の特定は難しく、一般的に行われている診断方法としてはまず下顎頭が前方に問題なく滑走するかを調べて、動きに制限がある場合は関節円板性、癒着性の可能性が高まります。下顎頭の動きに問題が無ければ左右の顎の咬筋の緊張度合を調べ筋性の可能性を判断します。関節自体の炎症が確認された場合は関節痛性に含まれます。
仕事や日常生活における精神的ストレスは無意識のうちに筋肉の緊張に繋がりますし、歯の食いしばりや歯ぎしりといった顎関節にダメージを与える動作が増えてしまいます。現代社会はストレス社会とも呼ばれ、ストレスが原因で顎関節症を発症している方は増えています。
顎関節症を予防するためには、ストレスを軽視せず適度に発散することが非常に効果的です。スポーツをしたり、趣味に夢中になったり、睡眠をたっぷりとったり、アロマを焚いてみたり等自分に合った方法で良いので努めてストレスを解消する習慣を付けましょう。
顎関節症はいくつもの要因が重なって発症しますが、そのいずれも顎の関節や筋肉に負担をかけることに繋がっています。そしてその負担が顎関節の許容量を超えると顎関節症の症状として現れます。マッサージやストレッチを行うことにより顎の筋肉の緊張をほぐすと同時に血行が良くなると、顎関節に溜まった老廃物を流して動きが良くなったり、痛みの原因物質も流れて痛みが緩和したりします。
マッサージやストレッチは医院で治療の一環として行われていますが、患者さんに方法を指導することでも顎関節症の予防や症状悪化の防止に効果を上げています。
物を噛む時に片側だけで噛む癖を偏咀嚼と呼び、顎関節症の原因となります。偏咀嚼は動かす側の咀嚼筋ばかりに負担がかかり、反対側の咀嚼筋が緩むことで顎のゆがみに繋がります。すると負担のかかっている側の顎の筋肉が緊張することにより、関節雑音がしたり痛みが生じたりといった顎関節症の症状を呈する可能性があります。
偏咀嚼が原因での顎関節症を予防するには、まず左右の顎でしっかり物を噛めるように口内疾患があれば治療して、歯並びも矯正して咀嚼が偏る原因を無くすことです。咀嚼を阻害する問題が改善されたら、次は左右均等にバランス良く物を噛む習慣を身に付けましょう。
口を開け閉めする際に痛みを感じたり、関節から音が鳴るなどの顎関節症の症状にレーザー治療が用いられることがあります。耳の前下の顎関節の痛みを感じる場所にレーザーを照射することで、深部に到達したレーザーが神経に作用して顎関節症の痛みに対する消炎鎮痛効果が期待できます。
また、レーザー治療には筋肉や顎関節に溜まった老廃物を取り除き、血液やリンパ液の循環を促進する作用もあります。顎関節周辺組織の状態が改善されると、顎関節部分の動作がスムーズになるとともに、痛みの緩和につながります。
顎関節症の痛みが強く仕事や日常生活に支障をきたす場合に有効なのが鎮痛剤を用いた保存療法です。即座に効果が出ますのですぐにでも痛みを軽減したい場合には非常に効果的な手段となります。
また、痛みによる力みや精神的なストレスが原因となって顎関節症が悪化するのを防ぐことができます。軽傷の顎関節症であれば鎮痛剤で痛みを抑えている間に自然治癒する可能性も十分あり得ます。
ただし、長期的服用は副作用や顎関節症の症状を長引かせるリスクがありますので、鎮痛剤の使用は他の治療法の補助的な治療法として考えるのがベターです。
顎関節症の保存療法のひとつに、スプリントというマウスピースのような装置を用いる治療法があります。患者さんの状態に合わせたスプリントを作成し、歯に装着することで顎を正常な位置に固定させることができます。
また、歯ぎしりや食いしばりによる顎への負担を軽減するのにも効果があります。歯を削ったりするやり直しの効かない治療法と違って、何度でもやり直せるためリスクが無いのがメリットであると言えます。スプリント療法は顎関節症の改善に高い効果が得られることが多く、費用も比較的安価で済むため頻繁に行われている治療法です。
顎関節症の治療は保存療法が中心ですが、あらゆる治療を施しても長期にわたって症状が改善しない場合は手術が必要になる場合があります。特に顎関節内部に癒着が生じたり関節円盤の変形等の症状が確認されると手術が必要な可能性が高まります。
顎関節症の手術は顎関節内の癒着を剥がしたり関節円盤を切除するのを主な目的としており、大きく2種類の術式に分けられます。関節開放手術と呼ばれる皮膚の切開が必要になる術式と、関節視下手術と呼ばれる内視鏡を用いた術式です。いずれも痛みを抑える麻酔が必要となり、手術後は状態を見ながらリハビリを開始します。ストレスが顎関節症に及ぼす影響は思いのほか大きく、ストレス社会と言われる昨今に顎関節症患者が急増していることからも、健康的な生活を送るためには上手にストレスをコントロールすることが重要であるいえます。
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誕生日:1956/11/09
出身地:大阪府
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