親知らずが生えない場合でも歯茎が痛むことがあります。なぜ親知らずが生えていないのに痛みが起こるのでしょうか? 痛みが発生する原因、抜歯が必要な場合と不必要な場合、今すぐできる、親知らずの応急処置の方法についてご紹介します。また、親知らずが痛むときにやってはいけないことも紹介するので、参考にしてください。
親知らずが生えない場合でも歯茎が痛むことがあります。なぜ親知らずが生えていないのに痛みが起こるのでしょうか? 痛みが発生する原因、抜歯が必要な場合と不必要な場合、今すぐできる、親知らずの応急処置の方法についてご紹介します。また、親知らずが痛むときにやってはいけないことも紹介するので、参考にしてください。
この記事の目次
親知らずが生えてこない人は25%程度いると言われています。その多くが、顎が小さくて親知らずが生えてくるスペースが十分に確保されなかったことが原因だと考えられています。食生活が変化し、固いものを食べなくなったことも、顎が小さくなった要因のひとつとされます。
親からの遺伝で、歯の先天性欠如=「親知らずがそもそもない」という人がいます。遺伝性の方は親知らずのもとになる歯根がない状態なので、親知らずが生える事はありません。先天的に歯の数が少なく、歯自体がないので治療の必要もありません。必ず親子で遺伝するわけではないので、親が親知らずが生えなかった場合でも、痛みがある場合は歯医者さんに相談しましょう。
顎が発達しないケースの場合、狭いスペースに永久歯と親知らずが並ぶことになります。そのため、一番後ろの永久歯と重なってしまう場合や横から生えてしまう場合、骨の中に埋まってしまう場合などがあります。そのような状況に陥ると、歯茎が炎症を起こして痛むことがあります。
親からの遺伝の場合は、歯胚という歯のもとになるものがありません。そのため、親知らずが生えてくる事はないので、痛みの原因は親知らずではなく、歯肉炎だったり奥歯の虫歯である可能性があります。
親知らずに痛みがあるからと言ってブラッシングを避けていると、歯ぐきの炎症がさらに悪化する可能性があります。硬い毛の歯ブラシを避け、やわらかいタイプの歯ブラシを使いやさしくブラッシングしましょう。
硬い毛の歯ブラシだと、腫れている部分や他の部分の歯ぐきを傷つける可能性があります。ただし、やわらかすぎると歯の汚れが落ちにくいので注意が必要です。ゴシゴシ磨かず、優しくかきだすように磨きましょう。子ども用の歯ブラシや毛先が細いタフトブラシなどを使用することをおすすめします。
口内に細菌がたまり炎症をを起こしていることが原因で痛みが起こっている可能性があります。消毒成分のあるうがい薬で口腔内を清潔に保ちましょう。イソジンなどの刺激の少ないものがおすすめです。アルコールが入ったマウスウオッシュなどは、刺激があり痛みがひどくなる場合があるので控えましょう。
痛い方を使って食事をすると、炎症を起こしている部分を刺激してしまったり、残った食べかすの影響でさらに炎症がひどくなってしまう場合があります。痛みが起こっている側とは反対側を使用するようにしましょう。
痛いときは無理せず、痛み止めを使用しましょう。市販の頭痛薬や鎮痛剤などでかまいません。しかし、痛みが緩和したからといって治っているわけではなく、あくまでも一時的な応急処置になります。なるべく早めに歯医者さんを受診するようにしましょう。
風邪や体調不良の時は、免疫力が落ち炎症が起こりやすくなります。体調を整えることで、歯の痛みも軽減しやすくなるので、睡眠をしっかりと取り体調を整えましょう。
歯の周りの汚れを取ることは良いのですが、歯を触っても痛みは変わりません。それどころか、手で触ると手細菌が患部に入り、痛みをさらに悪化させる可能性があります。
体温が上がると血流が良くなり、血流が神経を圧迫するため痛みが増します。痛みがあるときは、熱いお風呂への入浴は避けて、ぬるめのシャワーでさっと流し、身体を温めすぎないようにしましょう。
飲酒や喫煙は入浴時と同じように、体温が上昇します。また、アルコールやたばこには歯を刺激する成分が含まれているので、さらに痛みを強めてしまう場合があります。親知らずに痛みがある場合は、たばこや飲酒は控えましょう。
激しい運動も入浴と同じように体温を上げてしまいます。激しい運動だけでなく、階段の上がり降りなども要注意です。歯が痛いときはなるべく体を動かさないようにして、安静に努めましょう。
痛む親知らずを放置しておくと、無意識に痛くない側だけで噛む癖がつきます。頻繁に使用している方だけ歯が削れてしまうため、噛み合わせが悪くなったり、隣の歯や親知らずの虫歯や歯ぐきの炎症がひどくなる可能性があります。一時的に痛みが治まったとしても、基本的には自然治癒することはありません。根本的に改善しなければ、痛みがまたぶり返してしまいます。歯が痛むときは必ず歯医者さんを受診し、根本的な改善を目指しましょう。
親知らずをそのまま残してよいケースは下記の5点が挙げられます。
1)親知らずがまっすぐ正しい方向に生えていて、上下の歯の噛み合わせに問題がない
2)親知らずが顎の骨の深い位置にあるため、他の歯への影響が少ない
3)親知らずの隣に抜歯を必要とする虫歯があり、親知らずをそこへ移植する可能性がある
4)親知らずをブリッジに使用している
5)親知らずを他の歯に移植する予定がある
以上のようなケースの場合そのまま残します。
親知らずを抜歯した方がいいケースとして、4つのケースが挙げられます。
1)親知らずやその周囲が虫歯・歯周病になっている
2)親知らずの一部が生えていてこれ以上生える見込みがなく、汚れがたまりやすくなっている
3)親知らずが横の歯に影響を与えている
4)親知らずが腫れ、痛みを繰り返している
今は問題がないように感じても、親知らずは後々トラブルが起きやすい歯です。特に休みが取れなくて疲労がたまっているときや、女性の場合は妊娠や出産時に症状が出やすい傾向があります。歯医者さんで親知らずの様子を定期的に確認してもらい、適切な判断をしてもらいましょう。
親知らずが一部しか生えてこない理由として、親知らずが永久歯の中で最後に生えてくるということがあげられます。生活習慣の変化などにより、現代人のあごは小さくなっています。親知らずは永久歯がすべて生えそろった後に生えてくるため、顎が小さい現代人は親知らずが生えてくるスペースが確保できなくなってしまう可能性が高いとされます。
親知らずが生えていないのに痛みが出る原因として、親知らずが生えかけている過程で、歯茎が盛り上がり、その盛り上がった箇所が別の歯に当たって傷つけてしまうことが考えられます。また、親知らずが横向きになって歯茎にうまっている状態では、周辺の組織が炎症を起こすケースも少なくありません。
親知らずは歯周炎や歯肉炎の原因にもなります。歯茎に炎症が起こると、痛みがひどくなります。たとえ表向きは見えていなくても、周りの歯肉に影響を与えている限り痛みが起こる可能性があります。
まずは、かかりつけの歯医者さんを受診しましょう。普段の自分の歯の状況を一番理解しているので、自分に合った治療を提案してもらえます。しかし、今まで一度も歯医者さんにかかったことがない方や、仕事などが忙しくなかなか歯医者さんを受診する機会が少ない方のために、歯医者さんの受診方法を下記で紹介します。
歯医者さんの予約サイトがあるので利用してみてはいかがでしょうか?行きたい曜日や時間を指定して医院を探せるため、忙しい方でも予約がとりやすく、通院しやすい環境を作れます。
また、自宅や職場の近隣の歯医者さんを比較したり、サービス内容を確認したりできるのでとても便利です。各歯医者さんで独自の予約システムがある場合もありますし、歯医者さんが沢山登録されている予約サイトなどもあります。
痛みがひどく緊急性が高い場合は、地域の夜間・休日診療を利用しましょう。たいていは夜遅くまで診療していますが、診療が受けられるかを電話で確認してから受診してください。。ただし、休日診療はその時一回限りの治療となり、大きな総合病院であることが多く時間もかかります。定期的に治療できる施設ではないので、すぐに相談できるかかりつけ医を作っておきましょう。
急な痛みですぐに診てもらいたい場合は、行きつけの歯医者さんに電話して相談しましょう。行きつけの歯医者さんがない場合は、HPやポータルサイトなどで、急患対応可能な医院に問い合わせをしてください。予約のある患者さんが優先になりますが、空いている時間で対応をしてもらえます。まずは電話で確認するようにしましょう。
歯医者さんを受診するときは
1)保険証
2)お金
3)抜けた歯や欠けた歯、詰め物など
4)ハンカチ
を持っていくようにしましょう。保険証は手元にすぐにない場合は、10割負担の支払いとなりますが、後日保険証を持っていくと返金してもらえます。
奥歯や奥の方の歯茎に痛みがある場合は、一見生えていないように見える親知らずが原因の可能性があります。まずは、歯医者さんを受診し、適切な処置をしてもらいましょう。歯医者さんは怖い、治療が痛そうなどの理由で行きたくないという方もいらっしゃるでしょうが、痛みをほっておくと症状がさらに悪化し、改善までに時間がかかってしまう可能性があります。
最近は痛みに配慮した治療をしてくれる歯医者さんも増えてきています。また、親知らずの抜歯の後遺症として下歯槽神経の麻痺が残る場合がありますが、インフォームドコンセントをきちんとしてくれる歯医者さんであれば、事前に説明してもらえることがほとんどです。
事前説明をきちんとしてもらえるかかりつけの歯医者さんを見つけて、お口の中の痛みやトラブルがある場合にすぐ相談できるようにしましょう。
2003年 大阪歯科大学 卒業
2003年 大阪歯科大学 大学院歯学研究科博士課程 入学
2007年 大阪歯科大学 大学院歯学研究科博士課程 終了
2008年 大阪歯科大学 勤務
2016年 大阪歯科大学(歯周病学 助教)退職
2016年 本町通りデンタルクリニック 勤務