親知らず4本同時に抜歯できる?手術費用やリスクを解説

親知らずを4本同時に抜歯するという方法があります。確かに4本同時に抜歯すると通院も少なくて済むし、抜歯の恐怖も一度で済む、なんてメリットばかりが思い浮かんでしまいます。

この記事では、親知らずを4本同時に抜歯する際の方法や、そのメリットとデメリット、手術費用まで詳しく解説していきます。こちらを参考に、一度、医師に相談してみましょう。

この記事の目次

1.親知らずは4本同時に抜歯できる場合もある

親知らずが4本全て生えている人は珍しいと言われています。なぜなら、親知らずはまっすぐに生えてくることがまれで、ほとんどが歯茎に埋もれて真横に生えていて、一見見えないケースがあるからです。

しかし、親知らずが他の歯を押すように生えてしまう事で歯並びに影響したり、虫歯や歯茎の病気の原因になる可能性が高い場合は抜歯がおすすめです。生え方が比較的簡単な場合、もしくは、大変なケースでも入院して全身麻酔で行ったりすることで可能になる場合があります。

1-1 一度の手術で4本を同時抜歯するケース

では、どのような場合に4本同時に親知らずを抜歯するのでしょうか?忙しくてなかなか時間が取れないなどで、患者さんからの強い希望があり、医師も診察の上、可能だと判断した場合に限り、4本同時に抜歯するケースもあります。

しかし、親知らずの生え方や患者さんの健康状態などによっては、同時抜歯が不可能な場合があるので注意が必要です。

1-2 4本同時に抜歯するメリット

一番のメリットは、抜歯にかかる通院回数を短縮できるということです。4本を同時に抜歯することで合計の通院回数を減らすことができます。

1-3 入院施設のある医院を選ぼう

親知らずの4本同時抜歯の場合、生え方によっては全身麻酔で行われる場合が多くあります。その際は数日間の入院が必要となりますので、必ず入院施設のある歯科口腔外科で処置してもらうようにしましょう。かかりつけ医に入院施設がない場合は、紹介状を書いてもらうようにしましょう。

2.親知らず4本同時抜歯の方法

では、実際にどのようにして親知らずを4本同時に抜歯していくのでしょうか?ここでは、親知らずの4本同時抜歯の方法について詳しくご紹介いたします。4本同時抜歯と一口に行っても、生え方によってその方法は細かく変わってきます。いざ4本同時抜歯を選択されても、内容がわからないと恐怖心が先立ってしまいがちです。また、同時抜歯をするかどうか迷っている人も、まず、抜歯の方法を詳しく知ることが大切になってくるでしょう。

2-1 局所麻酔や静脈内鎮静法、全身麻酔で抜く

親知らずを4本同時に抜歯する際の麻酔はまず、静脈内鎮静法か全身麻酔をかけ、さらに親知らずの周りに局所麻酔をかけて行うという、かなり念入りなものになります。ここで、耳慣れない静脈内鎮静法についてご説明しましょう。

静脈内鎮静法とは全身麻酔とは異なり、薬の作用によって寝ぼけているようなボーっとした感覚にさせる方法です。全身麻酔とは違い、眠ってしまいませんので意識があり、会話をすることもできます。効果が強い分、全身麻酔ができる施設と同じような設備や技術を有した病院でしか使用することができません。

2-2 横向きの親知らずを抜く手術

横向きに生えてしまっている親知らずを抜く場合には、まず歯茎を切開し、埋まっている部分が見えるようにします。

また、隣の歯を押して生えている場合には、まっすぐ生えている歯のように簡単に抜くことができませんので、歯を削ったりして細かく分け、すこしずつ取り除いていきます。その分処置に時間がかかるので、1本の歯を抜くのに約1時間近くかかる場合があります。

2-3 埋まっている親知らずを抜く手術

親知らずが骨の中に完全に埋まってしまっている場合の親知らずの除去は少々面倒なものになります。まず、レントゲンで親知らずの状態を確認します。それから歯茎を切開し、覆いかぶさっている骨を取り除きます。それからようやく顔を見せた親知らずを細かく砕いて少しずつ取り除いていきます。

3.親知らず4本同時抜歯にかかる費用

この章では、4本同時に抜歯した際にかかる費用について紹介していきます。病院によって多少の差はありますが、手術等にかかる費用をおおまかにご説明します。実際にかかる費用の目安を知ることで、経済面からも4本同時に抜歯をするかどうかを考えるのも1つの方法です。

3-1 抜歯手術の費用

では、まず気になる抜歯手術の料金から見ていきましょう。一番簡単だとされるまっすぐ生えている親知らずの抜歯手術の費用は、病院によって差がありますが、だいたい2千円ほどです。

斜めや横向きに生えている親知らず、埋まってしまっている親知らずは歯茎の切開や歯を削ったり分割したりする処置が必要になりますので、3千円~5千円程度かかるようです。

3-2 麻酔料金

では、つづいて麻酔の費用はどれくらいかかるのでしょうか。局所麻酔をしての親知らず抜歯については局所麻酔の費用は抜歯代金に含まれています。伝達麻酔といって神経のブロック注射のようなものを併用する場合がありますが、200円程度です。全身麻酔を使用した場合の費用は、およそ3万円程度ですが、手術時間、使用する薬剤等によって差が出ます。

3-3 入院費

仮に入院した場合の費用についてですが、親知らずの生え方や全身麻酔の時間などで料金は変わり、入院して全身麻酔を行って抜歯をした場合は、トータルで10万程度はかかることが多いです。

術後の状態が思わしくなかったり、入院が長引いたりすると費用も変わってきますので、入院前におおまかな料金を、病院に問い合わせておくと安心ですね。

3-4 保険適応される治療範囲とは

親知らずの抜歯は基本的に保険が適用されます。しかし、抜歯の目的が歯列矯正になると、保険が適用されないので注意が必要です。また、抜歯時の全身麻酔も、保険適用ですが、静脈内鎮静法の場合には、保険の適用外のケースもありますので担当の病院に聞いてみるといいと思います。

4.親知らずを4本同時に抜歯する際のデメリット

親知らずを4本同時に抜歯した場合のデメリットについても紹介していきます。確かに、一気に4本抜いてしまうと通院回数を短縮できます。

しかし、抜歯と言うのは体に傷をつける行為ですので、1本の抜歯でも体に負担がかかります。それが4本になると体や心にかかるストレスは相当なものになってしまいます。4本同時抜歯に伴うリスクもしっかりと頭に入れておきましょう。

4-1 術後の腫れ、痛み

特に気をつけたいのが抜歯後の腫れ、痛みです。腫れと痛みは術後2~3日位がピークで、その後は徐々に落ち着いてきますが、1週間くらいは続くと思っておいた方がいいでしょう。痛みが酷い時は我慢せずに痛み止めを追加で処方してもらいましょう。

また、内出血のため、青あざができてきしまうこともあります。2~3週間で消えることが多いです。

尚、痛みや腫れがあまりにも長く続くようなら、傷口が炎症を起こしている場合もあるので、速やかに医師に相談しましょう。

4-2 術後の食事・生活制限

抜歯した後は食事もあまり噛まずにすむ、軟らかいものしか食べにくいことも多いです。ゼリーやプリンなど、あまり噛まずにカロリーの高いものを食べるのがおすすめです。少なくとも1週間くらいは軟らかい食べ物しか食べられない場合もあると思っておきましょう。

また、術後の飲酒や喫煙、激しいスポーツはできませんし、抜歯した日は入浴はシャワー程度にした方がいいことも多いです。手術になりますので、食事や生活に思った以上に制限がかかることも多いです。

4-3 退院後の抜糸

抜歯が終わって退院しておしまいではありません。1週間程度たった時に抜糸のためにまた病院にいかなければいけません。入院施設のある歯科が必ずしも近くにあるとは限らないので、中には時間をかけてまた遠方の病院まで足を運ばなければいけない人もいらっしゃるでしょう。親知らずの同時抜歯、メリットもデメリットもあることがご理解いただけたと思います。
基本的には、4本同時に抜歯をする場合は、全身麻酔や静脈内鎮静法で行うことが一般的です。それなりの技術と設備のある病院でしかなかなか対応できないことが多いと思います。

費用面では、全身麻酔を併用する場合には、1本ずつ局所麻酔で抜歯するよりも費用はかかることが一般的です。

通院回数は短縮できますが、全身麻酔の場合は、主に入院が必要になるケースが多いと思います。静脈内鎮静法などは日帰りで行っているところが多いと思います。

こちらの記事を読んでいただいて、自分が同時抜歯と、1本ずつの抜歯、どちらの方が向いているかを考えていきましょう。4本同時抜歯の際は、治療を受けられる医院でよく相談することが大事です。ただ、面倒くさいから、怖いから、という理由だけで抜かなければいけない親知らずを放置するのだけはやめておきましょう。

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監修日:2016年08月29日
中井雄一郎 先生監修
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