口内炎によって違う!炎症の原因と発生場所

口内炎は口の中にできる炎症です。でも、色んな場所にできたり、いつも同じ場所にできたりとさまざまですよね。できてしまうと気になって仕方がない口内炎ですが、実はできる場所によってその原因が違います。いつも口内炎ができる場所が同じなら、身体の何らかの不調がある可能性もゼロではありません。
この記事では、口内炎の原因と場所などの関連性について深く探っていきます。ぜひ予防や対策に役立ててください。

 

この記事の目次

口内炎の種類と発生場所

 

1-1 アフタ性口内炎

アフタ性口内炎は、口の中ならどこでもできるというくらい、場所を問わずにできる口内炎です。口内炎というと、一般的にアフタ性口内炎であることが多いです。できる場所は、唇の内側や舌先、舌の付け根、歯茎など、あらゆるところに発生します。

 

1-2 ウイルス性口内炎

口唇ヘルペスなどのように、ウイスル性口内炎の場合は唇周りによくできます。また、歯茎に発症することもあります。ウイルス性の場合は風邪に似た高熱などの症状が出ることもあるので、口内炎だけでなく、その他の不調もないか確認するようにしてください。

 

1-3 カンジダ性口内炎

カンジダ性口内炎は、カビの一種が繁殖して発生します。内頬や舌をふくめて口内全体に白いコケのようなものが広がります。

 

1-4 カタル性口内炎

小さな子どもにできやすいカタル性口内炎は、外傷などがきっかけでできる口内炎です。指しゃぶりなどが原因となることもあるので、場所は外傷を受けたところに準ずるところがあります。

 

発生場所から見る口内炎の特徴とその対処法

 

2-1 舌先にできる口内炎

舌先にできる口内炎は、アフタ性口内炎、カンジダ性口内炎の可能性が高いと考えられます。特徴や対処法は以下の通りです。

 

・アフタ性口内炎の特徴と対処法
アフタ性の場合は、舌先だけでなく、舌の根元の方や裏側など、広い範囲に広がる傾向にあります。ビタミン不足、睡眠不足、疲労、ストレスなどが原因として考えられるため、考えられる点を補って改善していくことが大切です。

 

・カンジダ性口内炎の特徴と対処法
白っぽい苔状のものが点々と付着するのが特徴です。悪化すると、地図のように舌の上に白い苔のようなものが広がります。また、舌全体が赤く腫れたようになることもあります。この場合は、口の中を清潔にするのが自分でできる対処法です。きちんと歯みがきをしたり、うがいをこまめにするなどして、口の中が不衛生になるのを防ぎましょう。また、一般的な口内炎と同じように、睡眠を取り、ビタミンなども摂取していくと、治療の助けとなります。

 

舌癌と勘違いすることもあるので、痛みがない、口内炎のように炎症がある部分がはっきりしないとうの特徴があれば、早めにお医者さんに相談するようにしてください。中にはしこりがあるものもありますが、素人目には分からないことも多いので、医師に診てもらうのが安心です。

 

2-2 歯茎にできる口内炎

歯茎に口内炎ができたら、アフタ性口内炎、ウイルス性口内炎が可能性として考えられます。特徴や対処法は以下の通りです。

 

・アフタ性口内炎の特徴と対処法
アフタ性の場合は、口の中の広い範囲で見られます。ビタミン不足、睡眠不足、疲労、ストレスなどが原因として考えられるため、思い当たる節があれば補って改善していくことが治療の役に立つでしょう。

 

・ウイルス性口内炎の特徴と対処法
ウイルス性の場合は、ウイルスの種類によっても特徴が変わります。子どもによく見られる口内炎で、赤ちゃんであれば、ヘルペス性口内炎である可能性が高いです。もし赤ちゃんがヘルペス性口内炎になれば、39度前後の高熱が出ることもあります。唇にできることがありますが、痛みが強く、不快感から泣いてしまうことも多いです。

 

ヘルパンギーナは夏風邪の一種ですが、症状に口内炎も含まれます。できる場所は、歯茎だけでなく上顎や喉にかけても水疱がたくさん発生します。

 

コクサッキーウイルスやエンテロウイルスによって起こるのが手足口病です。口だけでなく手のひらや足の裏にも水疱ができ、そこまで高熱にならないのが特徴です。ウイルス性の口内炎は薬治療を行う必要があるので、お医者さんに必ず相談して治療していきましょう。

 

子どもの場合は、口内炎ではなく歯肉炎である可能性もあります。また、ニキビのようなものが歯茎にあるのであれば、内歯瘻の可能性もあるので、白色の膿が出てくることがあればチェックをしてください。自分ではなかなか判断できないこともあるので、「口内炎程度で…」と思わずに必ずお医者さんに相談してください。

 

2-3 喉にできる口内炎

・ウイルス性口内炎(ヘルペス、ヘルパンギーナ)の特徴と対処法
ウイルス性の場合は、ウイルスによっても特徴が変わります。子どもによく見られ、赤ちゃんであれば、ヘルペス性口内炎である可能性も高いです。この場合、39度前後の高熱が出ることもありますし、痛みも強く、赤ちゃんが不機嫌になったり泣いてしまったりすることもあります。ヘルペスウイルスであれば、唇などにもできるのでしっかりと観察してみてください。

 

同じウイルス性でも、ヘルパンギーナは夏風邪の代表格。歯茎だけでなく上顎や喉にかけて、水疱がたくさんできます。また、コクサッキーウイルスやエンテロウイルスが原因の手足口病の可能性も考えられます。手のひらや足の裏にも水疱があり、そこまで高熱にはならないのもコクサッキーウイルスの特徴です。

 

ウイルス性の口内炎は薬治療が正しい治療法となります。そのため、お医者さんに必ず相談して対処するようにしてください。

 

・アレルギー性口内炎の特徴と対処法
口内炎は、金属や食物のアレルギー症状として現れている可能性も考えられます。「口の中に金属はないけど…」と思うかもしれませんが、金属アレルギーによる口内炎は身につけているアクセサリーなどが原因であることもあります。必ずしも口にするものが原因になっているとは限らないので、広く原因を探ってみるといいですね。

 

原因をつかむことが対処法につながるため、金属アレルギーなどの心配があれば、アレルギーテストなどを病院で行ってみましょう。

 

・外傷による口内炎の特徴と対処法
やけどや魚の骨などで傷がつき、そこから細菌感染して口内炎になっていることもあります。身体の免疫が下がっている可能性もあるので、睡眠を十分にとって食事のバランスに気をつけるようにしましょう。

 

口内炎が発生する原因とは?

 

3-1 睡眠不足

寝不足によって疲労が溜まったり、各種臓器の機能などが低下することによっても口内炎が発生します。胃が弱っていると口内炎ができやすいと感じたことがあるかもしれませんが、そもそもの要因は睡眠不足が関係しているかもしれません。

 

3-2 栄養バランスの偏り

ビタミンや鉄分が不足することで口内炎が発生しやすくなります。すでにできている場合でも、特にビタミンC、B2、B6は粘膜の再生を早める作用があるので、積極的に摂取していきましょう。

 

3-3 ストレス

ストレスが溜まると免疫力が低下します。それが原因で、口の中の粘膜が弱ったり、少しの刺激で傷がついたりして口内炎ができやすくなります。ストレスは万病のもとと言いますが、口内炎になりやすい人は、ストレスが溜まっていないかと普段の生活を見直して、適度にリフレッシュするようにしてください。

 

3-4 口腔内の不衛生

歯みがきをしなかったりして口の中が不衛生になると発生します。雑菌が増えることによって炎症が悪化することも多いので、口腔内を清潔に保つようにしてください。歯みがきをするのはもちろん、デンタルフロスなどで口の中を徹底してきれいにするようにしましょう。また、食事の後はそのままにせず、なるべく早く口腔内のケアをするようにしてください。

 

3-5 外部刺激や傷

口内の粘膜を噛んでしまったり、歯みがきなどで傷ができたりすると、それが原因で口内炎ができてしまいます。特に身体の免疫が落ちていると、修復機能がうまく働かずに、口内炎が発症しやすくなります。

 

同じ場所にばかり口内炎ができる原因は?

 

4-1 噛み合わせが悪い

噛み合わせが悪く、いつも同じ場所に歯が当たっていたりすると、そこに口内炎が発生しやすくなります。毎回同じ個所に口内炎ができるような場合は、一度歯医者さんに相談してみましょう。

 

4-2 義歯や詰め物が合っていない

差し歯などの義歯がある場合や、虫歯治療後の詰め物がある場合は、それが噛み合わせに悪影響を及ぼしていたり、粘膜に傷を与えていたりします。いつも口の中のどこかに歯や詰め物などが当たっている場合は、再治療が必要になるかもしれません。どちらにしても、早めに歯医者さんに相談してください。

 喉などのいつもとちょっと変わった場所にできる場合は、身体に変調がある可能性もあります。口内炎は軽度でも病院で診てもらうことができるので、心配なら歯医者さんや内科などを受診するようにしましょう。「いつも同じ場所に口内炎ができる」という人は、噛み合わせなどに問題がある可能性もあるので、一度しっかりと歯医者さんに診てもらうといいでしょう。生活習慣を整えることも予防策としては重要ですの。もし自覚があれば、生活スタイルの見直しも検討してみてはいかがでしょうか。

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監修日:2017年06月14日
鄭尚賢 先生監修
経歴

歯科医歴:11年
出身校:東京歯科大学