お口や周囲の悩みは歯科口腔外科で!その幅広い診療内容を知っておこう

歯科口腔外科という科目を聞いたことがあっても、実際にどういった疾患を扱うのか分からない方も多いのではないでしょうか?
歯科口腔外科とは、簡単に言うと、口腔内・口腔外問わず頬や顎の治療も対応している診療科目です。では、実際にどんな時に歯科口腔外科が必要となるのでしょうか。早速この記事で詳しく見ていきましょう。

 

この記事の目次

1章 歯科口腔外科で診てもらえるのはこんな症状!

一般の歯科で診られる虫歯や歯周病、入れ歯・義歯などとは違い、歯科口腔外科という名の通り外科的な診療を行います。またその治療において経験豊富な口腔外科医が駐在しているということも歯科口腔外科の特徴になります。

しかしながら、虫歯や歯周病だと診てもらえないというわけではありません。では、一般の歯科と歯科口腔外科どちらを受診してよいか判断に迷ってしまいますよね。1章では口腔外科で扱うことが多い症状についてご紹介しますので、参考にしてみてください。

 

親知らずの抜歯

真っ直ぐ生えている親知らずは比較的抜歯が容易なので、一般の歯科でも扱っていることがあります。しかし、難症例の抜歯については、高い技術や設備などを要するため、歯科口腔外科でないと扱えないことが多いでしょう。難症例の抜歯というのは、例えば”埋伏歯”(歯が斜めや横向き、あるいは完全に埋まっている状態)の抜歯が該当します。

また、上顎の親知らず場合は、抜歯後に上顎洞炎(親知らずなどを抜いた際に、上顎の空洞が炎症を起こすこと)になることがあったり、下顎の親知らずに関しては、顎の神経と近接していて抜歯が難しくなることがあります。

初診で対応した歯科医師が親知らずの生え方の違いを見極めて、特に難しい症状については、他院の歯科口腔外科あるいは大学病院の歯科口腔外科を紹介されることもあります。

 

顎関節症

口を大きく開けられない、顎を動かすとシャリシャリ、カクカク、といった異音が出る、痛みを覚えるといった症状があり、特に若い女性に多く見られます。噛み合わせや生活習慣、癖、ストレスなど、さまざまな原因があり、原因を特定するのが難しく、慢性化するケースもあります。

また、転倒したり大笑いした拍子に顎が外れてしまった場合にも歯科口腔外科が治療にあたってくれます。まずは信頼できる歯科口腔外科に相談してみましょう。

 

口内の切り傷、やけど

スポーツなどでぶつかって、口内を噛んで出血してしまったり、うっかり熱いものを飲んで、口内がただれてしまうこともあります。特に、小さなお子さんの場合、こうしたケガはつきものです。箸やフォークをくわえたまま転んでしまって、口内を傷つけてしまうこともあります。まずは慌てず、歯科口腔外科のある歯医者さんを受診しましょう。

 

歯の打撲や脱臼、破折、嵌入

歯の外傷も歯科口腔外科で扱うものです。具体的には、打撲や脱臼、破折、嵌入(かんにゅう)などが挙げられます。
打撲とは、歯や歯槽骨(歯を支える骨)に外傷がなく、歯根膜(歯と歯槽骨をつなぐ組織)が打撲によって炎症を起こすものです。脱臼は、強い衝撃によって、歯が動いてしまったり、抜けそうになるような状態で、完全に抜けてしまった状態を完全脱臼といいます。抜けた歯をすぐに再植することで、元通りにできる可能性もあります。また、破折は歯が途中で折れてしまうような外傷で、嵌入(かんにゅう)とは衝撃によって、歯が歯槽骨に埋没してしまうことを指します。

 

頬や顎、鼻骨などの骨折

交通事故やスポーツなどの際の激しい衝撃によって、顎や顔面の骨が折れてしまうこともあります。さらに、歯の外傷をともなうこともあります。重症の場合には、大学病院や総合病院の歯科口腔外科にかかる必要がありますが、骨折していることに気付かないケースもあります。口周辺や顔面に衝撃を受け、その後、痛みや腫れが強い場合には、まず歯科口腔外科に相談してみましょう。

 

口内炎

口内炎は耳鼻咽喉科などでも対応していますが、歯科口腔外科でも扱われている疾患です。口内の粘膜疾患には、ウイルス性のものも多数ありますし、なかなか治りにくい口内炎は、腫瘍が疑われることもあります。たびたび口内炎に悩まされているような方は、一度、歯科口腔外科で診てもらいましょう。

 

ドライマウス

唾液の分泌が少なく、口内が渇く疾患をドライマウス(口腔乾燥症)といい、こちらも歯科口腔外科で扱う疾患です。唾液の分泌機能を促す治療が主体となりますが、糖尿病による多尿で水分が失われるといった原因もあります。

 

顔面神経痛、顔面麻痺

ストレスによる精神的な要因である場合と、事故で顔面を打撲したことによる場合とが考えられます。顎、口あたりには三叉神経と呼ばれる顔面神経が通っており、この神経が痛んだり、麻痺したりする疾患のことを神経疾患と呼びます。疾患の原因が口腔周辺を超える場合には、脳外科およびそのほかの診療科と連携することがあります。

 

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群も現代人に増えている症状です。睡眠中に軌道が狭くなる閉塞性のタイプと、脳からの呼吸の指令が出なくなるという中枢性のタイプがありますが、ほとんどの場合は、閉塞性タイプがです。舌や首周りの脂肪が軌道を塞いでしまうことで、10秒以上の無呼吸状態が、一晩に30回以上続くようなケースです。正確な診断を行うために、この疾患を得意としている歯科口腔外科に相談してみましょう。

 

口腔がん

口腔内の腫瘍についても、歯科口腔外科で扱う対象となります。良性のものでは、腫瘍の大部分を嚢胞が占めるエナメル上皮腫、歯胚(歯や歯周組織のもととなる細胞)の形成異常からできる歯牙腫などが挙げられます。悪性腫瘍には、口腔がん、悪性黒色腫、悪性リンパ種があります。口内に下記のような異変を感じたときには、早期に歯科口腔外科で診てもらうようにしましょう。

・口内にしこりがある
・口内にたびたび出血を繰り返す箇所がある
・いつも治りにくい口内炎がある
・口内にいつもしびれや痛みがある
・口内に白や赤くなっている部分がある
・口臭がある
・歯のグラつきがある
・首のリンパ節が長い間腫れている

 

2章 こんな症状に気づいたら歯科口腔外科に相談しましょう

■顔、顎の炎症・・・顔が大きく腫れている、顎が炎症を起こしている など
■粘膜の異常・・・口腔内や唇の粘膜や舌に腫れ、ただれ、水疱、痛みがある など
■奇形、変形症・・・生まれつき口唇に裂け目がある(口唇裂、口蓋裂)、顎が変形している など
味覚障害・・・食べ物の味がわからない、味が薄く感じる、苦みや渋みが強く感じる など
■神経性疾患・・・顔が引きつる、顔が動かしづらい(顔面神経痛、顔面麻痺) など

当てはまるものがあれば、歯科口腔外科に一度相談することをおすすめします。どの症状も緊急性は無かったとしても、慢性的に続くことで大きなストレスになります。我慢したり後回しになどせず、明るく元気な毎日を過ごすために、早めに克服していきましょう。さまざまな疾患の中には、一体病院のどの科に診てもらったら良いのか、すぐには判断できないものもあるかと思います。口内や口周辺、顎、頬、顔面などの部位の疾患は、歯科口腔外科で扱っていることを知っておけば、ちょっとしたアクシデントから、慢性的な異常や違和感まで、症状があらわれた際に迷わず足を運べるはずです。
また、お近くの歯医者さんで歯科口腔外科を扱っているところを知っておくことも大切です。わざわざ総合病院や大学病院に行くほどではない、ちょっとした悩みでも気軽に相談できる歯医者さんを見つけておいて、いざという時のために備えておきましょう。

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監修日:2017年12月12日
髙橋貫之 先生監修
経歴

2003年 大阪歯科大学 卒業
2003年 大阪歯科大学 大学院歯学研究科博士課程 入学
2007年 大阪歯科大学 大学院歯学研究科博士課程 終了
2008年 大阪歯科大学 勤務
2016年 大阪歯科大学(歯周病学 助教)退職
2016年 本町通りデンタルクリニック 勤務