口内炎は触ると悪化する!?口内炎を治す正しい方法とは!

口内炎は、痛みでしゃべりにくくなったり食事のときに痛みを生じるため、日常生活への影響が大きい病気です。一度できるとなかなか治らず、何度も悩まされたという方も多いのではないでしょうか。

口内炎の改善方法として「病院を受診する」「市販薬に頼る」以外に、はちみつや塩を塗るといった民間療法がとりあげられることがあります。しかし、民間療法の多くは医学的根拠がなく、中には口内炎を悪化させてしまうものもあるため注意が必要です。

ここでは、口内炎を治す方法と口内炎の悪化要因について解説します。口内炎になったときに間違った対処をしないためにも、口内炎についてきちんと理解しましょう。

 

この記事の目次

口内炎の症状と原因

1-1 口内炎とは

口内炎とは口の中に起こる炎症のことで、舌・頬や唇の内側・歯茎などさまざまな部位に起こります。年齢問わず幅広い世代に発生し、痛みや出血などをともないます。痛みにより会話や食事が困難になることもあるため、口内炎が原因で体調を崩してしまうようなケースも少なくありません。

 

1-2 口内炎の種類と原因

口内炎は、アフタ性口内炎・カンジダ性口内炎・ウイルス性口内炎などに分けられます。ほとんどの口内炎はアフタ性口内炎であり、単純ヘルペスやコクサッキーウイルスが原因で起こるウイルス性口内炎やカンジダ菌という真菌が原因で起こるカンジダ性口内炎と原因が異なります。

 

アフタ性口内炎は、何らかの原因で免疫力が低下し、口内の傷が悪化したり口内の粘膜に異常が起こることで発症します。

また、アフタ性口内炎と判別が難しい「カタル性口内炎」は、入れ歯や矯正器具、熱い食べものなどの刺激が主な発症原因とされています。

 

口内炎を悪化させる要因

2-1 免疫低下

口内炎は免疫低下によって起こります。免疫が低下した状態がいつまでも続くと、口内炎が治らないだけでなく、悪化する可能性があります。免疫が低下する原因として、睡眠不足・食生活の乱れ・生活習慣の乱れ・ストレスなどが挙げられます。

 

2-2 口内環境の悪化

口内環境の悪化も、口内炎を悪化させる要因となります。虫歯や歯周病を放置していたり、歯磨きなどの口腔ケアを怠り口の中が不衛生になっていると、口内炎が起こりやすく悪化しやすくなります。また、唾液の分泌が少ないドライマウスの場合も、口内炎が治りにくくなります。自分の口にあっていない義歯なども、口内炎の悪化の原因になるので注意しましょう。

 

2-3 刺激のある食べ物・飲み物

口内炎は口の中に炎症が起きている状態です。そのため、刺激を与えるとさらに炎症がひどくなってしまう場合があります。香辛料を使った料理や塩味が強いもの、熱すぎるものや冷たすぎるものは口内炎を刺激します。

また、アルコール類やニコチンなども口内炎を悪化させる要因となります。そのほか、パイナップルのような果物を食べると舌がピリピリする方は、アレルギー反応で口内炎が悪化することがあるので注意が必要です。

 

2-4 指で触るなどして直接刺激する

口内炎が気になるからと、舌や指先で触ると刺激により悪化することがあります。とくに指先は雑菌が多く、炎症がさらにひどくなり、強い腫れや痛みを発生させる原因になりかねません。また、あわない義歯を装着していると、口内炎を刺激してしまい、さらに悪化させてしまうことがあるので注意が必要です。

 

民間療法は有効なの?

3-1 民間療法には医学的根拠が乏しいものが多い

口内炎の民間療法には、「梅肉を患部に貼る」「はちみつを患部に塗る」「ウコンを塗る」など、さまざまなものがあります。なかには、指で絞って口内炎をつぶすといったものまであるほどです。

しかし、民間療法のほとんどは医学的根拠に乏しく、効果があるとは言えません。それどころか、雑菌の繁殖を促してしまうことで、さらに悪化させる可能性もあります。

ビタミン類が豊富な食べ物を摂取するなどの「栄養療法」的な面においては期待できる部分もありますが、口内炎は原因を見極め適切な処置をとることが非常に重要です。そのためにも、口内炎にかかった場合は、歯科口腔外科などの専門医を受診しましょう。

 

口内炎を治す方法とは

4-1 病院を受診する

口内炎をより早く的確に治したいなら、病院を受診することが一番の近道と言えるでしょう。上でも述べたように、口内炎は種類ごとで原因が違います。病院であれば、原因を見極めて適した薬を処方してもらえます。

また、お医者さんに診てもらったときに「ウイルス性の口内炎だった」「実は口内炎ではなかったり、ガンだった」など、自然治癒できない重大な症状が発見されることもあります。口内炎は歯科口腔外科で治療が可能です。口内炎ができたときは、歯科口腔外科を受診し、医師の指導に従いましょう。

 

4-2 市販薬を使う

病院を受診する時間がないときなどは、市販薬を使うことで症状が緩和できることもあるでしょう。口内炎の市販薬は、塗り薬・シールタイプ・スプレータイプなどさまざまなものが市販されているので、自分の状況にあったものを選べます。

ただし、あくまでも一時的な対応として使用することを心にとめておくようにしてください。また、ウイルス性の口内炎の場合、適した薬を使わないと効果がでない場合があります。3日から1週間使って改善しない場合や薬を使って悪化した場合は、すぐに病院を受診しましょう。

 

4-3 食生活を見直す

口内炎の主な原因のひとつは免疫低下です。免疫力を正常に戻すためには、睡眠時間の改善や食生活の見直しをする必要があります。口内炎を刺激するような食べ物は避け、レバーやウナギ、牛乳や納豆、卵やアーモンドなど、ビタミンB12が多く含まれる食品を積極的に摂るようにしましょう。食事だけで難しい場合は、サプリメントを利用してもかまいません。

 

4-4 生活習慣を改善する

免疫力が低下する要因に睡眠不足が挙げられます。十分睡眠をとれるように、規則正しい生活を送るようにしましょう。また、ストレスも口内炎を悪化させる大きな要因です。自分なりのストレス解消法を見つけることも、口内炎の改善に役立ちます。ただし、ウイルス性口内炎などについては、生活習慣の改善だけで完治させることは難しい場合があります。1週間以上長引く口内炎や何度も繰り返す口内炎については、必ず歯科口腔外科を受診するようにしましょう。

 

4-5 口内環境を整える

口の中に汚れが溜まっていると、炎症が悪化し口内炎も治りにくくなります。食後の歯磨きを習慣化し、口内を清潔に保つようにしてください。もし、口内炎の痛みで歯磨きが難しいときは、うがい薬でうがいするだけでも良いでしょう。その際は、抗炎症効果のあるアズノール系のうがい液がおすすめです。ただし、洗口液のような刺激の強いものは避けてください。

また、入れ歯などの不具合が原因で口内炎が起こっている場合は、原因から改善しないと何度も繰り返すことになります。かかりつけの歯医者さんか、歯科口腔外科に相談することをおすすめします。

 

すぐに病院に行くべき口内炎とは

5-1 1週間以上続く口内炎

個人差はありますが、口内炎は通常1週間程度で治まっていきます。もし1週間以上たっても症状が改善しない場合は、すぐに病院を受診しましょう。ベーチェット病などの重大な病気が隠れている場合や自然治癒が難しい口内炎の可能性があります。

 

5-2 口内炎の痛み以外に発熱や下痢、倦怠感などの症状がある

口内炎の痛みの他に、発熱・下痢・貧血・倦怠感・目や皮膚の異常などがみられる場合が、すぐに病院を受診しましょう。重大な病気が隠れている可能性があります。また、何度も同じところに口内炎を繰り返す場合も、重大な病気が隠れている場合や原因を取り除かないと改善しない可能性があります。病院を受診することをおすすめします。

 口内炎は食事や会話など日常生活に影響するため、体調を大きく崩す原因となるわずらわしい病気ですが、自然治癒することがほとんどのため、軽く考えてる方も多いと思います。

しかし、何度も繰り返す口内炎や1週間以上続く口内炎には重大な病気が隠れている可能性があるので注意が必要です。また、虫歯や歯周病、義歯の不具合などで起こる口内炎については、原因を取り除かない限り何度も繰り返すことになりかねません。

 

民間療法は医学的証拠に乏しいものが多く、なかには口内炎を悪化させる可能性があるものも存在します。

口内炎は発症の原因を突き止め、根本から改善することが重要です。安易に民間療法を試して悪化させるより、歯科口腔外科などの専門医に診てもらうことが改善の近道になります。

歯科口腔外科であれば、口内炎の治療とともに、原因と考えられるお口のトラブルの改善が可能です。口内炎ができたときは、自己判断せず歯科口腔外科で診てもらうようにしましょう。

 

お口の粘膜異常、外傷などの相談・治療ができる歯医者さんを予約

 

監修日:2017年06月25日
遠藤三樹夫 先生監修
経歴・プロフィール

出身校:大阪大学
血液型:O型
誕生日:1956/11/09
出身地:大阪府
趣味・特技:料理