口内炎はキスでうつる?知っておきたい感染のウソ・ホント

口内炎はキスだけでもうつるという話を聞いたことがありませんか?この記事では、キスで口内炎がうつるのか…だけを検証するだけでなく、口内炎の感染全般の実態についてを探っていきたいと思います。これまで口内炎を軽視して、特別治療をしてこなかった人もいるかもしれません。ですが、大切な家族や恋人に感染するかもしれないとなれば、決して放置してはおけませんよね。ここでは、そんな口内炎感染の基礎知識について紹介します。

 

この記事の目次

口内炎はキスで感染するのか?

 

1-1 感染するものとしないものがある

一般的に罹患者の多いアフタ性口内炎の場合は、キスや回し飲みなどによって人から人に感染することはありません。「口内炎は感染しない」という認識の方は、このアフタ性口内炎にかかっていたせいかもしれません。

 

しかし、単純ヘルペス、麻疹、ヘルパンギーナ、手足口病、ウイルス性の口内炎などは、ウイルスがもととなっている口内炎です。ウイルスは感染してしまうので、唾液が交換されると、唾液を通じて口内炎が感染してしまう可能性が出てきます。ヘルパンギーナなどは夏風邪の代表ですが、風邪の一つの症状として口内炎が発生している場合もあるので、高熱が下がってもキスや回し飲みなど、唾液が交換されるような状態は避けなければいけません。

 

1-2 ウイルス性口内炎を見分けられる?

こちらでは、アフタ性口内炎とウイルス性口内炎の違いについて触れていきます。確実に見分けられるかどうかはわかりませんが、見分けられればキスなどでの感染の可能性が防げる可能性があるので、注意してチェックしてみましょう。

 

・アフタ性口内炎
アフタ性口内炎は、灰色や黄みがかった白色の色をした膜のようなものに覆われた潰瘍を指します。大きさは5〜6mm以下のものがアフタ性口内炎と呼ばれます。ちなみに、これ以上の大きさになると、潰瘍と呼ばれます。これと言った限られた場所にできるのではなく、口の中のあらゆる場所にでき、舌や歯茎など、部位を選びません。

 

・ウイルス性口内炎
ウイルス性口内炎は、唇近くにできやすいという特徴があります。口内炎のできもの自体もアフタ性よりも小さめなことが多いので、普段からアフタ性口内炎を見慣れている人は、その違いに気づくかもしれません。

 

口の中にある口内炎はなかなか見えにくいことも多々あります。手鏡などで見ても限界があるかもしれませんので、自分の独断だけで口内炎を見分けるのではなく、できるだけ歯医者さんに相談するといいでしょう。確実に状態を把握することで、感染の予防なども的確に行なえます。

 

1-3 ウイルス性の場合はこんな感染経路も!

キスや口うつしは、誰もが日常的にすることではありません。「自分は関係ないな」と思う人もいるかもしれませんが、以下のような行為でも感染するので注意が必要です。

 

・ウイルス性口内炎はバスタオルやフェイスタオルなどを媒介する
・グラスなども感染経路になりうる

 

タオルで顔を拭かない人はいませんし、家族で同じグラスを使うことも多いでしょう。日常的にキスをしなくても、口うつしをしなくても、上記のような感染経路もあるのだと覚えておきましょう。

 

1-4 カンジダ性口内炎の場合は?

カンジダ菌は常に身体のなかにいる菌です。ステロイドや抗生物質など、特別な病症の薬を長期間使っていると、身体の免疫が低下してカンジダ性口内炎を発症しやすくなります。カンジダ菌はだれでも保菌しているものなので、感染で発生するわけではありません。

 

感染しないためには免疫低下に注意

 

2-1 疲労の蓄積に注意

ウイルス性の口内炎は免疫低下にも注意が必要です。免疫低下は疲労ストレスがたまることで起こりますので、まずは疲労やストレスををためないようにしましょう。風邪などの予防のためにも、睡眠を十分にとって、バランスの良い食事を摂ることが大切です。
カンジダ性口内炎は免疫が下がることで増殖し、口内炎を表出させますので、睡眠と食事をしっかりとって、規則正しい生活習慣を身につけると、口内炎に負けないからだづくりができます。

 

2-2 紫外線も免疫を下げる?

意外かもしれませんが、紫外線にあたるとビタミンCが消費されやすくなって身体に疲労がたまリやすい状態になります。免疫を下げないためには、なるべく紫外線に当たらないようにしてください。春から秋は特に紫外線が強い季節です。レジャーなどの時期は特に紫外線を浴びやすくなりますので、普段はUVカットなどを意識していない人も、口内炎予防のために紫外線予防をするようにしてくださいね。

 

ウイスル性口内炎の予防法を

 

3-1 とにかく外部と接触しない

唾液だけでなく体液などにもウイルスが含まれている可能性があります。マスクなどをして外部と接触しないように努めてください。
また、感染範囲を広げないためにも、お医者さんに診てもらって早めに対処することも大切です。一度治っても、ウイルス性の場合は再発してしまう可能性があるので、口内炎の治りかけの時期は気を抜かないようにしてください。
子育てをしている親御さんが感染した場合は、特に気をつける必要があります。食事を作る人がウイルス性口内炎だと、味見などによってウイルスが感染することもあるので注意しましょう。

 

3-2 手をこまめに洗って

口唇ヘルペスなどの場合も含めて、口の周りや唾液などは自身の手でも触っている可能性があります。そのため、なるべく手をこまめに洗って感染しないように注意するようにしましょう。薬を塗った後などもそのままにすれば、そこから菌が繁殖したり、感染したりする可能性もあります。薬を塗ったら、その手のまま他の場所を触らないようにし、きれいに洗い流しましょう。使用するタオルなどはペーパータオルを使ったり、家族と共用にしないなど、他の人に感染しないような工夫をするようにしてください。

 

3-3 乳幼児には要注意

子どもに頬づりをしたり、同じスプーンなどで食べ物をあたえるなどは、普段の生活では当たり前の行為かもしれません。ただし、唾液を通してウイルス性口内炎が感染する可能性もゼロではなく、虫歯菌の感染などにも繋がりますので、なるべく同じスプーンで食べ物を与えることは控えましょう。

 

頬づりでも感染源になりえるのは驚きかもしれません。子どもが可愛いからといって頬釣りをしたり、キスをしたりする人がいますが、子どもや赤ちゃんの健康を守るためにも、安易な行動に出ないように注意しましょう。また、自分も人の子どもや赤ちゃんに、そのような行動を取らないように注意してください。ウイルス性口内炎が感染すれば、小さな子どもの場合は39度などの高熱にうなされることもあります。決してたかが口内炎などと軽々しく考えないでください。

 

口内炎にまつわるその他の疑問

 

4-1 甘いものを食べると口内炎になる?

チョコレートなど、甘いお菓子を食べると口内炎になるという話を聞いたことがありませんか?これは、直接チョコレートの成分が作用して口内炎になるというわけではありません。お菓子を食べて口の中が不衛生になることで、結果として口内炎が発生しやすい口腔環境が生まれてしまうのです。
さらに、お菓子を食べると、糖分の分解にビタミンが使われます。ほかの食事でビタミンが適切にとれていないと、ビタミン不足にになってしまい口内炎ができやすくなります。
このような流れを防ぐためにも、正しい口腔ケア、健全な栄養摂取を意識して行い、口内炎を防いでいきましょう。

 

4-2 妊娠すると口内炎ができる?

妊娠中はホルモンの乱れから唾液が減り、口の中が乾燥気味になります。それが原因で菌が繁殖して、口内炎ができやすくなります。また、つわりがつらいなどで、口内ケアをきちんと行う余裕がなくなることも原因のひとつです。妊娠中でも使える薬もあるので、つらい場合は妊娠中の旨を申告のうえで処方を受けるようにしましょう。

 口内炎は「自然と治るもの」と思いがちで、わざわざ病院へ行くほどでは…と思うかもしれません。しかしなかには、ヘルパンギーナや口唇ヘルペスのような、感染する可能性のあるウイルス性の口内炎もあるので注意が必要です。大切な人にうつる可能性もあるので、すべての口内炎がキスなどで感染するわけではありませんが、その種別がつかないうちには外部との接触は控えたほうがよいでしょう。そして、感染を防ぐためにも、早めに病院で治療を受けるようにしてください。

【お口の粘膜異常、外傷などの相談・治療ができる歯医者さんを予約】

>>今日診てくれる歯医者さんを探す

>>明日予約の空きがある歯医者さんを探す

>>痛みが少ない治療の歯医者さんを探す

>>女性医師がいる歯医者さんを探す

>>駅から近い歯医者さんを探す

>>夜中20時~診療OK!の歯医者さんを探す

>>個室がある歯医者さんを探す

>>キッズルームがある歯医者さんを探す

監修日:2017年06月14日
鄭尚賢 先生監修
経歴

歯科医歴:11年
出身校:東京歯科大学